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目隠しに手錠
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五木を偲ぶ会
4月2日午後3時
気がつくと目の前が真っ暗だった。手が痛い。腕が動かない。確か今日は五木を偲ぶ会で……。はっ! 後ろ手に手錠を掛けられている事に俺は気付いた。しかも、目隠しされている?!
ガチャガチャ
ヤバい状況と理解した俺は目隠しをされたまま周りに声をかける。
「誰かいますか?!」
反応が無い。何とか起き上がろうと試みるが、腕が痺れている為、苦戦する。
「う、う~ん」
その時、誰かが起きたような声が聞こえた。俺は問い掛ける。
「大丈夫か?」
ガチャガチャ
「えっ?! えっ?! これってどういう……」
「お前も目隠しされているのか?」
「その声は一ノ瀬か?! ああ、手も拘束されている」
「いったい誰がこんな事を……全員同じ状況か?!」
俺は、恐らくお茶に睡眠薬が入れてあって、全員が意識を失ったんだろうと考えた。返事をしてくれたのが誰かは分からなかったが、声の記憶から、恐らく四天王寺だろうと思った。返答があって少しだけホッとしたのだが、ホッとしてられる状況下で無い事に直ぐ気付く。どれくらい眠っていたんだろうか? 1時間以上……いや、もっと経っているのかも知れない。
ガチャガチャ……
「えっ! 何これ!」「痛い~!」「やめて!」「どうなってるんだ!」
ざわざわしだした。ほとんどの人が目を覚ましたのだろう。
「えっと、これって全員? 当然1人は目隠ししていないのよね?」
三橋さんらしき女性が発言した。続けて話す。
「点呼とってみる?」
「一ノ瀬います」
「四天王寺います」
「九十九います」
「七瀬います」
「二岡います」
「三橋います」
「……」
「八重樫は?」
「……」
「六角います」
「……」
「八重樫君が居ないわね」
「犯人は八重樫か?!」
「八重樫! 面白くないからすぐやめろ!」
「う、う~ん。えっ?! 」
ガチャガチャ
「何これ! 何? 何?」
八重樫が起きたようだ。睡眠不足の為なのか、睡眠薬が多かったのか、起きるのが遅かったようだ。
「八重樫、今起きたか?」
「うん、何で俺だけこうなってるんだ?」
「お前だけじゃない! 皆だよ!」
「えっ! 皆って、他に誰かいるのか?」
そういう事だ。八重樫の言う通り、全員が目隠ししているのであれば、他に誰かいるという事になる。
「それか、誰かが嘘をついているのよ!」
三橋さんらしき女性が発した。
「どういう事だ?」
「この中の誰かが犯人って事かな?」
「2人以上の可能性もあるな」
各々が思い付いた事をバラバラに話しだすので誰が発言したのか、何を言ったのかの理解が追い付かない。
「ゴメン皆、ちょっと待って。一ノ瀬だけど、見えないから発言するときは名前を言う事にしよう」
「了解」「分かった~」「は~い」
随分と余裕のある返事だ。皆は、この状況が飲み込めて無いのだろうか? 仲間がいるから安心しているのだろうか? ドッキリなら良いが、最悪の場合、全員殺される可能性もあるというのに……。
「三橋です。取り敢えず、犯人探しの前にみんな気付いた事を発言しよう」
「今、何時なんだろう?」
「三橋です。発言するときは名前を!」
「ゴメン、八重樫です。犯人が時間言うかなと思って」
「浅いトラップだな! 引っ掛かるかよ!」
俺はその時、ふと気付いて発言する。
「一ノ瀬です。これ、犯人が本気なら、十文字のイジメの件が関係あるんじゃない?」
4月2日午後3時
気がつくと目の前が真っ暗だった。手が痛い。腕が動かない。確か今日は五木を偲ぶ会で……。はっ! 後ろ手に手錠を掛けられている事に俺は気付いた。しかも、目隠しされている?!
ガチャガチャ
ヤバい状況と理解した俺は目隠しをされたまま周りに声をかける。
「誰かいますか?!」
反応が無い。何とか起き上がろうと試みるが、腕が痺れている為、苦戦する。
「う、う~ん」
その時、誰かが起きたような声が聞こえた。俺は問い掛ける。
「大丈夫か?」
ガチャガチャ
「えっ?! えっ?! これってどういう……」
「お前も目隠しされているのか?」
「その声は一ノ瀬か?! ああ、手も拘束されている」
「いったい誰がこんな事を……全員同じ状況か?!」
俺は、恐らくお茶に睡眠薬が入れてあって、全員が意識を失ったんだろうと考えた。返事をしてくれたのが誰かは分からなかったが、声の記憶から、恐らく四天王寺だろうと思った。返答があって少しだけホッとしたのだが、ホッとしてられる状況下で無い事に直ぐ気付く。どれくらい眠っていたんだろうか? 1時間以上……いや、もっと経っているのかも知れない。
ガチャガチャ……
「えっ! 何これ!」「痛い~!」「やめて!」「どうなってるんだ!」
ざわざわしだした。ほとんどの人が目を覚ましたのだろう。
「えっと、これって全員? 当然1人は目隠ししていないのよね?」
三橋さんらしき女性が発言した。続けて話す。
「点呼とってみる?」
「一ノ瀬います」
「四天王寺います」
「九十九います」
「七瀬います」
「二岡います」
「三橋います」
「……」
「八重樫は?」
「……」
「六角います」
「……」
「八重樫君が居ないわね」
「犯人は八重樫か?!」
「八重樫! 面白くないからすぐやめろ!」
「う、う~ん。えっ?! 」
ガチャガチャ
「何これ! 何? 何?」
八重樫が起きたようだ。睡眠不足の為なのか、睡眠薬が多かったのか、起きるのが遅かったようだ。
「八重樫、今起きたか?」
「うん、何で俺だけこうなってるんだ?」
「お前だけじゃない! 皆だよ!」
「えっ! 皆って、他に誰かいるのか?」
そういう事だ。八重樫の言う通り、全員が目隠ししているのであれば、他に誰かいるという事になる。
「それか、誰かが嘘をついているのよ!」
三橋さんらしき女性が発した。
「どういう事だ?」
「この中の誰かが犯人って事かな?」
「2人以上の可能性もあるな」
各々が思い付いた事をバラバラに話しだすので誰が発言したのか、何を言ったのかの理解が追い付かない。
「ゴメン皆、ちょっと待って。一ノ瀬だけど、見えないから発言するときは名前を言う事にしよう」
「了解」「分かった~」「は~い」
随分と余裕のある返事だ。皆は、この状況が飲み込めて無いのだろうか? 仲間がいるから安心しているのだろうか? ドッキリなら良いが、最悪の場合、全員殺される可能性もあるというのに……。
「三橋です。取り敢えず、犯人探しの前にみんな気付いた事を発言しよう」
「今、何時なんだろう?」
「三橋です。発言するときは名前を!」
「ゴメン、八重樫です。犯人が時間言うかなと思って」
「浅いトラップだな! 引っ掛かるかよ!」
俺はその時、ふと気付いて発言する。
「一ノ瀬です。これ、犯人が本気なら、十文字のイジメの件が関係あるんじゃない?」
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