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信忠死亡
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西川社長にとっては訳が分からないだろう。コスモエンタープライズ代表の六角信雄が、コスモグループの専務だという事はスマホで調べて理解したようだ。西川社長は取り敢えず現場へ向かおうと準備する。
信雄は別荘に着くと、直ぐに車をおりて 119 へ電話した。電話を終えると、即 110 へ電話した。電話をしながら、急いでいる感は出さずにシアタールームへ向かった。一刻を争うので現場も見ずに電話する。
(大丈夫だ。信孝は信用できる。アイツは出来るやつだから)
サイドの扉から入ると、信忠が首を吊っている。パッと見、自殺に見える。
(周りにミスは……無いな。何も痕跡は残していない。さすがだ。信孝はやはり出来るやつだ)
ピーポーピーポー……
ウウウー……
10分後、救急車が来た。隊員3人が急いで信忠を抱いてロープを切り、おろした後、AED で心臓マッサージを試みる。
「最後に見た時間はいつですか?」
救急隊員が信雄に質問した。
「8時45分にシアタールームに入りました。発見は10時頃です」
そして、警察官がやって来た。救急隊員は諦めたようで帰っていく。
現場検証が始まる。写真を撮り、アルミ粉をつける。もちろん、他殺の可能性を探る為だ。
「失礼ですが、御関係は?」
「彼は私の兄です」
「あなたが第一発見者ですか?」
「そうです。最後に兄を見たのは、午後8時45分です。入り口のカメラに映ってると思います。そして、午後10時に入った時に首を吊っていました」
「そうですか……」
刑事日吉と小牧も現場に到着した。日吉は上司小牧に確認する。
「小牧さん。自殺で間違い無いですかね? 不審な点も無いようですし……」
上司小牧が信雄に話す。
「すみません。この部屋には、お2人で入られたんですか?」
「そうです。兄は基本、1人でテレビを見るので、私は見送りをしてダイニングへ移動しました」
「お手伝いさんは、いないのですか?」
「明日の朝、来てくれます」
「今日は?」
「今日は私が対応するので、大丈夫と伝えています」
「2人で入るときだけ正面からで、後は全てサイド扉からですか?」
「特に決めていませんが、今日はそうでした」
「そうですか……。ありがとうございました」
小牧と日吉は信雄から少し離れて話す。
「どうですか?」
「不審な点が色々あるが、しかし、殺害方法が分からない」
「不審な点ありました?」
「やっぱり、これだけの金持ちがお手伝いさんを呼んでいないのはおかしい。食事をしているようだが洗い物をしていない。あと、2人で入るときだけ、防犯カメラに映って、1人の時はサイド扉からってのもおかしい。しかし、首吊り殺害はおじさん1人で出来るとは思えない。何か道具を使わないと……」
「結局のところ、鑑識待ちですかね?」
「そうだな。これだけの別荘だ。彼は重役クラスだと思う。日吉、確認してきてくれ」
「承知致しました」
日吉は信雄に詳しく説明をしてもらった後、小牧へ報告する。
「小牧さん。あの男、コスモグループの専務みたいです。そして、死んだ男が社長です」
「なるほど、道理で……。そうなると、動機は充分だな。後は殺害方法だけか……」
すると、日吉に電話が入る。
「小牧さん、青山署から連絡があって……」
日吉は小牧にジュエリー西川事件の一部始終を話した。
「何だって? その犯人が三男の信孝だというのか?」
「そのようです。あれ? 兄弟?」
日吉は親子ぐらい離れている次男信雄と三男信孝に疑問を抱いた。
六角3兄弟の父である、コスモグループ会長六角信長は長男信忠と次男信雄が産まれた後、妻、吉乃と離婚している。そして、若い後妻をもらった後、三男信孝が産まれた為、信孝だけ歳が離れていたのだった。
「よし、署に帰って確認しよう」
信雄は別荘に着くと、直ぐに車をおりて 119 へ電話した。電話を終えると、即 110 へ電話した。電話をしながら、急いでいる感は出さずにシアタールームへ向かった。一刻を争うので現場も見ずに電話する。
(大丈夫だ。信孝は信用できる。アイツは出来るやつだから)
サイドの扉から入ると、信忠が首を吊っている。パッと見、自殺に見える。
(周りにミスは……無いな。何も痕跡は残していない。さすがだ。信孝はやはり出来るやつだ)
ピーポーピーポー……
ウウウー……
10分後、救急車が来た。隊員3人が急いで信忠を抱いてロープを切り、おろした後、AED で心臓マッサージを試みる。
「最後に見た時間はいつですか?」
救急隊員が信雄に質問した。
「8時45分にシアタールームに入りました。発見は10時頃です」
そして、警察官がやって来た。救急隊員は諦めたようで帰っていく。
現場検証が始まる。写真を撮り、アルミ粉をつける。もちろん、他殺の可能性を探る為だ。
「失礼ですが、御関係は?」
「彼は私の兄です」
「あなたが第一発見者ですか?」
「そうです。最後に兄を見たのは、午後8時45分です。入り口のカメラに映ってると思います。そして、午後10時に入った時に首を吊っていました」
「そうですか……」
刑事日吉と小牧も現場に到着した。日吉は上司小牧に確認する。
「小牧さん。自殺で間違い無いですかね? 不審な点も無いようですし……」
上司小牧が信雄に話す。
「すみません。この部屋には、お2人で入られたんですか?」
「そうです。兄は基本、1人でテレビを見るので、私は見送りをしてダイニングへ移動しました」
「お手伝いさんは、いないのですか?」
「明日の朝、来てくれます」
「今日は?」
「今日は私が対応するので、大丈夫と伝えています」
「2人で入るときだけ正面からで、後は全てサイド扉からですか?」
「特に決めていませんが、今日はそうでした」
「そうですか……。ありがとうございました」
小牧と日吉は信雄から少し離れて話す。
「どうですか?」
「不審な点が色々あるが、しかし、殺害方法が分からない」
「不審な点ありました?」
「やっぱり、これだけの金持ちがお手伝いさんを呼んでいないのはおかしい。食事をしているようだが洗い物をしていない。あと、2人で入るときだけ、防犯カメラに映って、1人の時はサイド扉からってのもおかしい。しかし、首吊り殺害はおじさん1人で出来るとは思えない。何か道具を使わないと……」
「結局のところ、鑑識待ちですかね?」
「そうだな。これだけの別荘だ。彼は重役クラスだと思う。日吉、確認してきてくれ」
「承知致しました」
日吉は信雄に詳しく説明をしてもらった後、小牧へ報告する。
「小牧さん。あの男、コスモグループの専務みたいです。そして、死んだ男が社長です」
「なるほど、道理で……。そうなると、動機は充分だな。後は殺害方法だけか……」
すると、日吉に電話が入る。
「小牧さん、青山署から連絡があって……」
日吉は小牧にジュエリー西川事件の一部始終を話した。
「何だって? その犯人が三男の信孝だというのか?」
「そのようです。あれ? 兄弟?」
日吉は親子ぐらい離れている次男信雄と三男信孝に疑問を抱いた。
六角3兄弟の父である、コスモグループ会長六角信長は長男信忠と次男信雄が産まれた後、妻、吉乃と離婚している。そして、若い後妻をもらった後、三男信孝が産まれた為、信孝だけ歳が離れていたのだった。
「よし、署に帰って確認しよう」
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