10番目の同級生

ジャメヴ

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新専務狩野

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  コスモグループの狩野新専務は、信忠元社長の自殺を不審に思っていた。そこに信孝死亡の噂……。
(連日、信雄社長は警察に事情聴取を受けていたようだ。そうなると、信忠元社長は、信雄社長と信孝君の共犯で殺されたか?  それで、信雄社長が口封じの為に信孝君を殺したのかも知れない。まさかと思うが出世欲の高い熊谷常務が関与しているという事も考えられる。熊谷常務が関わっているとなると、私の命も危ない。熊谷常務と2人っきりで会うのは当分避けなければ…… )

4月5日午前7時
  狩野がテレビをつけると、朝のニュース番組『ハッピーモーニング』が始まった所だった。

「今朝のトップニュースです。昨夜、コスモグループ新社長の六角信雄さん55歳が車内で亡くなられました。不審な車が停車しているのを警察官が確認して分かったようです。車内からは燃えた練炭が見つかり、100万円程度の現金が残っていた模様です。警察は、自殺と他殺の両方で調べを進めています」
(何だって?!  目の上のたんこぶだった信忠元社長が亡くなったんだ。信雄新社長に自殺する理由は無いだろう)
その時、狩野のスマホが鳴った。ディスプレイには熊谷の名前が表示されている。狩野は恐る恐る電話に出た。
「おはようございます、熊谷さん」
「おはようございます、お疲れ様です。狩野さん、ニュース見られましたか?」
「ええ……今、見ました」
「大変な事になりましたね。今後の会社の経営組織や方針について、今から2人で話し合いませんか?」
「!!」
(どうしたら良い?  2人で会うのは危険だ。どこか……喫茶店とかはどうだ?)
「狩野専務?  どうされました?」
「あ……いや、そうですね。では、会社の近くの『ラクーン』でどうでしょう?」

  会社正門から50メートルぐらいの距離に『ラクーン』という喫茶店がある。狩野は土日にモーニングをよく食べに行っている。結構人気の店なのだが、土日の朝には高確率で狩野が居るので、コスモグループの社員は行きづらい。狩野は社員に嫌われてはいなかったが、気を遣わないといけない存在なのは間違い無い。

「いえ、企業秘密保持の関係上、公共の場はあまり宜しくないかと……。会社ではどうでしょう?  日曜なので社員もおらず、話しやすいと思いますが……」
(殺人犯かも知れない男と2人っきりの密室は危険過ぎる……。どうしたものか……)
「狩野専務?  どうしました?  体調でも悪いですか?」
(お前のせいで悪くなってきたんだよ!!)
狩野は少しイラッとしたが、熊谷を怒らせるのは絶対ダメだと思い直し、落ち着いて話す。
「いや、信雄社長まで亡くなって、少し動揺しています」
「そうですよね、私も驚いています」
(白々しいなコイツ。殺ったのはお前だろ!)
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