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スイッチ
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その少し前、入り口では中西が入り口のソファーにゆったり腰掛け考えていた。
(俺、12時集合で良かったんじゃないか?)
そんな事を思いながらも、少し不満なのに、何故かニンマリしている。A5 ランクの肉を想像した為だ。ニヤニヤしながらスマホを見て時間を潰す。
「えっ!」
(コスモグループの六角信雄新社長自殺か。だって?!)
中西はソファーの背もたれから上体を起こしてスマホを見直す。新聞を取っておらず、今日の朝は撮り溜めしていたバラエティー番組の録画を見ていた為、今、初めて自分の会社の社長が亡くなった事を知った。
(信忠社長に続いて信雄社長まで亡くなるなんて……なるほど、それで休みにもかかわらず、狩野専務と熊谷が会議しているのか)
そんな事を思っていると、外の天気が急に悪くなってきた。朝の空は明るかった為、雨が降るとは予想していなかった。周りがだんだん暗くなる。
(暗いところでスマホのライトを見ると目へのダメージが深刻ってテレビでやっていたな。電気を点けるか……)
中西はスイッチの方へ少し歩いた後、主電源を入れないとダメだという事に気付いた。踵を返し、守衛室の前に行き、1階中央のスイッチを入れた……つもりだったが、1つ上の2階中央のスイッチを消してしまった!
(あっ! やべ!)
直ぐにスイッチを入れ直して、1階中央のスイッチを押した。
(まあ、電気が一旦消えるけど大した問題じゃ無いだろう)
その頃、視聴覚室は大問題になっていた。
「うわああ~!!」
「狩野専務! 落ち着いてください!」
「やめろ! 来るな~!」
(停電になったぐらいでこの慌てぶり……この人どんだけチキンなんだ?)
熊谷は狩野の狼狽え方にドン引きだ。相手にしていられないと感じ、無視する事にして、ドアではなくスイッチを探す。スイッチは小さな緑のランプが点灯している。緑のランプに気付き、熊谷はスイッチを押した。雷による停電なら点かない筈だが、熊谷の予想に反して電気は点いた。
「うわああ~!」
狩野は腰を抜かして立ち上がれない。
(なんだこいつ。もう電気は点いているぞ)
狩野はパニックのまま叫んでいる。もちろん、熊谷に殺されると思っているからだ。ガリガリなのにお腹だけはポッコリ出ている初老の男が、30代の大柄な男に力で勝てる訳が無い。
「やめてくれ~!」
(えっ!? ドラッグでもやってるのか? そんなに知識は無いが、化け物の幻覚が見えるとか聞いた事がある。まさか……)
「来るな~!」
狩野は腕をブンブン振り回す。
(いや、狩野専務がまさかとは思うが、注射の痕があるか確認してみるか)
熊谷は狩野の左腕を掴んだ。
「分かった! 許してくれ! 君が社長でもなんでもやってくれ!」
「えっ!?」
「何でもするから許してくれ!」
「えっ! 私が社長でよろしいんですか?」
「ああ、良い、良い、それで良い!」
「分かりました。喜んでお引き受けします」
熊谷真弓、労せず38歳にして大企業の代表取締役に就任決定(仮)!!
その頃入り口では……
「まだかな、まだかな~」
中西は、餌を目の前に待てを命令され、ヨダレを垂らしながら主人の帰りを待つ仔犬のように、独り言を呟きながら打ち合わせの終わりを待っていた。
(俺、12時集合で良かったんじゃないか?)
そんな事を思いながらも、少し不満なのに、何故かニンマリしている。A5 ランクの肉を想像した為だ。ニヤニヤしながらスマホを見て時間を潰す。
「えっ!」
(コスモグループの六角信雄新社長自殺か。だって?!)
中西はソファーの背もたれから上体を起こしてスマホを見直す。新聞を取っておらず、今日の朝は撮り溜めしていたバラエティー番組の録画を見ていた為、今、初めて自分の会社の社長が亡くなった事を知った。
(信忠社長に続いて信雄社長まで亡くなるなんて……なるほど、それで休みにもかかわらず、狩野専務と熊谷が会議しているのか)
そんな事を思っていると、外の天気が急に悪くなってきた。朝の空は明るかった為、雨が降るとは予想していなかった。周りがだんだん暗くなる。
(暗いところでスマホのライトを見ると目へのダメージが深刻ってテレビでやっていたな。電気を点けるか……)
中西はスイッチの方へ少し歩いた後、主電源を入れないとダメだという事に気付いた。踵を返し、守衛室の前に行き、1階中央のスイッチを入れた……つもりだったが、1つ上の2階中央のスイッチを消してしまった!
(あっ! やべ!)
直ぐにスイッチを入れ直して、1階中央のスイッチを押した。
(まあ、電気が一旦消えるけど大した問題じゃ無いだろう)
その頃、視聴覚室は大問題になっていた。
「うわああ~!!」
「狩野専務! 落ち着いてください!」
「やめろ! 来るな~!」
(停電になったぐらいでこの慌てぶり……この人どんだけチキンなんだ?)
熊谷は狩野の狼狽え方にドン引きだ。相手にしていられないと感じ、無視する事にして、ドアではなくスイッチを探す。スイッチは小さな緑のランプが点灯している。緑のランプに気付き、熊谷はスイッチを押した。雷による停電なら点かない筈だが、熊谷の予想に反して電気は点いた。
「うわああ~!」
狩野は腰を抜かして立ち上がれない。
(なんだこいつ。もう電気は点いているぞ)
狩野はパニックのまま叫んでいる。もちろん、熊谷に殺されると思っているからだ。ガリガリなのにお腹だけはポッコリ出ている初老の男が、30代の大柄な男に力で勝てる訳が無い。
「やめてくれ~!」
(えっ!? ドラッグでもやってるのか? そんなに知識は無いが、化け物の幻覚が見えるとか聞いた事がある。まさか……)
「来るな~!」
狩野は腕をブンブン振り回す。
(いや、狩野専務がまさかとは思うが、注射の痕があるか確認してみるか)
熊谷は狩野の左腕を掴んだ。
「分かった! 許してくれ! 君が社長でもなんでもやってくれ!」
「えっ!?」
「何でもするから許してくれ!」
「えっ! 私が社長でよろしいんですか?」
「ああ、良い、良い、それで良い!」
「分かりました。喜んでお引き受けします」
熊谷真弓、労せず38歳にして大企業の代表取締役に就任決定(仮)!!
その頃入り口では……
「まだかな、まだかな~」
中西は、餌を目の前に待てを命令され、ヨダレを垂らしながら主人の帰りを待つ仔犬のように、独り言を呟きながら打ち合わせの終わりを待っていた。
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