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聞き込み調査
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4月3日午前11時
野々村の依頼で聞き込み調査をする事になり、日吉は先ず一ノ瀬に電話した。
「もしもし、一ノ瀬です」
「もしもし、警察官の日吉と申します。先日は、御協力頂きありがとうございました」
「いえいえ、とんでもない」
「今日も、引き続いて御協力お願いしたいのですが、今からお時間宜しいでしょうか?」
「大丈夫ですよ。ただ、少し場所が離れていますがどうしましょう?」
「そちらまでお伺いさせていただきます」
日吉が電話を切った直後、小牧に電話が掛かってきた。
「もしもし、お疲れ様です。ええ……ええ……あ、そうですか、調査ありがとうございました。失礼します」
小牧は電話を切り、野々村に報告する。
「野々村さん、二岡が病院で強めの睡眠薬を多くもらっていた履歴があったと連絡が入りました」
「そうか。となると、二岡と六角の共犯説が最有力になった訳だ」
日吉、小牧、野々村はパトカーに乗り込み、一ノ瀬に会いに向かった。その道中、野々村は目隠し殺人事件の音声を聴いていた。野々村は疑問点を話す。
「なあ、小牧?」
「はい、何でしょう?」
「日吉の凡ミスで、六角が『炎のティアラ』窃盗犯だと言っただろう?」
「はい」
「その時、一ノ瀬はその事を知らなかった様な感じだが実際どうだったんだ?」
「一ノ瀬と三橋は知らなかった様でした。他のメンバーはどっちともとれるリアクションでしたけど……。それって重大なポイントですか?」
「ああ、大いに重要だ。もし、一ノ瀬が目隠し殺人の犯行に関わっていたとして、六角が五木を殺したと知っていれば、六角を殺す動機は充分だからな」
「なるほど! そうですね……私には一ノ瀬が演技しているようには見えませんでしたが……」
日吉が話に割って入る。
「私もミスを指摘されたのでハッキリ覚えてますが、その後一ノ瀬は、ジュエリー西川の窃盗犯かと聞いてきました」
日吉は、野々村へ当日の事を忠実に話した。だが、その部分は録音されているので、残念ながら野々村も知っている。
一ノ瀬が待ち合わせの場所で待っている事に気付いた日吉はパトカーを停めて降りると、一ノ瀬の場所まで小走りで駆け寄り話す。
「パトカーの中でお話すると、御迷惑ですか?」
「いえいえ、特にこの辺に知り合いもいないんで大丈夫です」
日吉と一ノ瀬はパトカーまで歩き、乗り込んだ。早速、小牧が話す。
「先日も状況を伺わせていただいたのに申し訳ありません。早速ですが、一ノ瀬さんは六角さんとの仲は良かったですか?」
「普通ですね。野球部で一緒でしたが、良くも無く悪くも無く。卒業してから1度連絡がありましたが、会わないぐらいの関係です」
「そうですか。五木さんとはどうでしたか?」
「五木とは親友です。卒業してから一緒に暮らしてました」
「一緒に? シェアハウスみたいな感じですか?」
「まあ、そうですね。シェアハウスって言うと大人数のイメージですが、2人暮らしです。4年間居候させてもらっていました」
「そうなんですか」
「すみません、私、野々村と申しますが、同級生の性格を知るために質問宜しいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
「不躾《ぶしつけ》な質問で申し訳ないんですが、今回の事件で、犯人の1人は八重樫さんに鍵を渡しましたが、もし、一ノ瀬さんが今回の犯人の1人だったなら、どなたに鍵を渡しますか? 上位3人を伺いたいです」
「面白い質問ですね……」
一ノ瀬は変な事を聞く刑事だなと思いながらも非常に興味があった。
「そうですね、俺なら……三橋さん、八重樫、四天王寺の順ですかね」
「それは、どのような理由がありますか?」
「まあ、三橋さんは仲が良いんで、俺が何か困るような事をするとは思えないからですね。性格的にも、元委員長だけあって、責任感も強く、悪事を働くとは思えない。次の八重樫ですが、実際、犯人が八重樫に渡している様に、八重樫がその後に何かしようとは、考えないだろうというところですね。殺人を犯さないというよりは、何も考えないだろうって感じです。まあ、ああ見えて良い奴ですしね。四天王寺については、ただ単に正義感が強いからって感じかな。正義感が強すぎて二岡を殺すってのはありそうですけどね」
「ありがとうございます。皆さんの性格を知る上で、参考になりました」
「いつでも協力します。あと、教えられる範囲で構わないのですが、二岡に殴られた痕があったのかと、十文字が生きているかが知りたいのですが……」
野々村と小牧が顔を見合わせた後、小牧が話す。
「二岡さんに殴られた痕は、有りませんでした。それと、十文字さんは生きていました」
「えっ! そうですか、生きていて良かったです。教えて頂きありがとうございました」
野々村の依頼で聞き込み調査をする事になり、日吉は先ず一ノ瀬に電話した。
「もしもし、一ノ瀬です」
「もしもし、警察官の日吉と申します。先日は、御協力頂きありがとうございました」
「いえいえ、とんでもない」
「今日も、引き続いて御協力お願いしたいのですが、今からお時間宜しいでしょうか?」
「大丈夫ですよ。ただ、少し場所が離れていますがどうしましょう?」
「そちらまでお伺いさせていただきます」
日吉が電話を切った直後、小牧に電話が掛かってきた。
「もしもし、お疲れ様です。ええ……ええ……あ、そうですか、調査ありがとうございました。失礼します」
小牧は電話を切り、野々村に報告する。
「野々村さん、二岡が病院で強めの睡眠薬を多くもらっていた履歴があったと連絡が入りました」
「そうか。となると、二岡と六角の共犯説が最有力になった訳だ」
日吉、小牧、野々村はパトカーに乗り込み、一ノ瀬に会いに向かった。その道中、野々村は目隠し殺人事件の音声を聴いていた。野々村は疑問点を話す。
「なあ、小牧?」
「はい、何でしょう?」
「日吉の凡ミスで、六角が『炎のティアラ』窃盗犯だと言っただろう?」
「はい」
「その時、一ノ瀬はその事を知らなかった様な感じだが実際どうだったんだ?」
「一ノ瀬と三橋は知らなかった様でした。他のメンバーはどっちともとれるリアクションでしたけど……。それって重大なポイントですか?」
「ああ、大いに重要だ。もし、一ノ瀬が目隠し殺人の犯行に関わっていたとして、六角が五木を殺したと知っていれば、六角を殺す動機は充分だからな」
「なるほど! そうですね……私には一ノ瀬が演技しているようには見えませんでしたが……」
日吉が話に割って入る。
「私もミスを指摘されたのでハッキリ覚えてますが、その後一ノ瀬は、ジュエリー西川の窃盗犯かと聞いてきました」
日吉は、野々村へ当日の事を忠実に話した。だが、その部分は録音されているので、残念ながら野々村も知っている。
一ノ瀬が待ち合わせの場所で待っている事に気付いた日吉はパトカーを停めて降りると、一ノ瀬の場所まで小走りで駆け寄り話す。
「パトカーの中でお話すると、御迷惑ですか?」
「いえいえ、特にこの辺に知り合いもいないんで大丈夫です」
日吉と一ノ瀬はパトカーまで歩き、乗り込んだ。早速、小牧が話す。
「先日も状況を伺わせていただいたのに申し訳ありません。早速ですが、一ノ瀬さんは六角さんとの仲は良かったですか?」
「普通ですね。野球部で一緒でしたが、良くも無く悪くも無く。卒業してから1度連絡がありましたが、会わないぐらいの関係です」
「そうですか。五木さんとはどうでしたか?」
「五木とは親友です。卒業してから一緒に暮らしてました」
「一緒に? シェアハウスみたいな感じですか?」
「まあ、そうですね。シェアハウスって言うと大人数のイメージですが、2人暮らしです。4年間居候させてもらっていました」
「そうなんですか」
「すみません、私、野々村と申しますが、同級生の性格を知るために質問宜しいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
「不躾《ぶしつけ》な質問で申し訳ないんですが、今回の事件で、犯人の1人は八重樫さんに鍵を渡しましたが、もし、一ノ瀬さんが今回の犯人の1人だったなら、どなたに鍵を渡しますか? 上位3人を伺いたいです」
「面白い質問ですね……」
一ノ瀬は変な事を聞く刑事だなと思いながらも非常に興味があった。
「そうですね、俺なら……三橋さん、八重樫、四天王寺の順ですかね」
「それは、どのような理由がありますか?」
「まあ、三橋さんは仲が良いんで、俺が何か困るような事をするとは思えないからですね。性格的にも、元委員長だけあって、責任感も強く、悪事を働くとは思えない。次の八重樫ですが、実際、犯人が八重樫に渡している様に、八重樫がその後に何かしようとは、考えないだろうというところですね。殺人を犯さないというよりは、何も考えないだろうって感じです。まあ、ああ見えて良い奴ですしね。四天王寺については、ただ単に正義感が強いからって感じかな。正義感が強すぎて二岡を殺すってのはありそうですけどね」
「ありがとうございます。皆さんの性格を知る上で、参考になりました」
「いつでも協力します。あと、教えられる範囲で構わないのですが、二岡に殴られた痕があったのかと、十文字が生きているかが知りたいのですが……」
野々村と小牧が顔を見合わせた後、小牧が話す。
「二岡さんに殴られた痕は、有りませんでした。それと、十文字さんは生きていました」
「えっ! そうですか、生きていて良かったです。教えて頂きありがとうございました」
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