10番目の同級生

ジャメヴ

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炎のティアラ窃盗犯

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◆野々村が話す。
「じゃあ、行こうか。日吉はどうする?」
「私は他の応援者へお礼に行ってきます」
「分かった。じゃあお疲れ。今日はゆっくり休んでくれ」
「日吉さん、お疲れ様でした」
「応援ありがとう」

  野々村、小牧、一ノ瀬、三橋が控え室を出ると、既に次の試合が始まっていた。日吉の試合が終わり、4人の興奮は冷めつつあったが、当然のように会場は依然として熱気に包まれている。
  歓声が上がる中、会場出口へ向かっている時、20メートルぐらい前に歩いていた女性がハンカチを落としたのが見えた。全員が拾いに動こうとしたが一ノ瀬の1歩目が明らかに速いので、他の3人は拾いに行くのを諦めた。一ノ瀬は軽くダッシュしてハンカチを拾い、落とした女性に声を掛ける。
「落としましたよ」
「あ、ありがとうございます」

  その時の一ノ瀬の仕草を見て野々村は衝撃を受け、小牧は野々村が何か気付いたような表情を見せたのを見逃さなかった。
  一ノ瀬は女性へハンカチを渡すと、皆が歩いて来るのを待ち、全員で会場を出た。

「じゃあ、また」
「今日はありがとうございました」
それぞれ会釈をし、野々村、小牧と一ノ瀬、三橋は別れた。

「野々村さん、何かありました?」
野々村は小牧の洞察力に感心した後、小牧に近付き小声で話す
「小牧、『炎のティアラ』の窃盗犯が分かったよ」
「えっ!?  今ですか?  殺された六角信孝では無いという事ですね?」
「一ノ瀬だよ」
「一ノ瀬?!  ……まあ、確かに防犯カメラの映像の体型と似ていますね」
「さっきハンカチを拾いに行った時に走る後ろ姿を見てピンときたよ」
「なるほど!  そう言えばそうですね。確かにそっくりでした」
「と言う事は、『炎のティアラ』窃盗は一ノ瀬と五木の共犯だったという事だ」
「一ノ瀬を捕まえますか?」
「いや、あの事件はもう不起訴になっている。捕まえる事は出来なくも無いが、ちょっと無理がある」
「そうですね……」
「一ノ瀬が『炎のティアラ』の真窃盗犯なら、信雄、信孝兄弟は一ノ瀬を殺そうとして誤って五木を殺してしまったんじゃないか?」
「帽子にマスクだったらそっくりですもんね。なるほど……。と言う事は、信雄が一ノ瀬の生存を知れば、一ノ瀬を狙う可能性がありますね」
「信雄は早めに押さえた方が良いのかも知れないな」
「今から信雄を尾行します!」
小牧はそう言うと急いで自分の車に乗り込み帰っていった。◆
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