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喫茶『小鹿』
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4月5日午前7時
ヴーヴーヴー……
俺はスマホのバイブ音で目を覚ました。半目でスマホを覗くと、既に電話は切れていた。充電器のコードを抜いて着信履歴を確認すると三橋さんの名前が表示されていた。こんなに朝早い着信なので、何かあったのかと思いながらも、一先ず洗面台へ向かい、顔を洗って歯を磨いた後、テレビを点けながら三橋さんへ電話を掛ける。
「もしもし、一ノ瀬君? ニュース見た?」
「ニュース?」
俺は欠伸をしながらテレビのリモコンを操作した。
「六角信雄が死んだの!」
「何だって?!」
テレビではハッピーモーニング司会の三浦アナがコスモグループの新社長六角信雄の死亡を伝えていた。
練炭自殺?
「それでね、3日の金曜日のお昼に七瀬さんから連絡があって、六角信雄社長の接待に来てくれないって言われてたところなの」
「それで?」
「一ノ瀬君から信雄に近づかない方が良いって言われてたんで行かなかったんだけど……」
三橋さんの話を遮るように俺は質問した。
「九十九さんはどうした?」
「九十九さんには五木君を轢いたのは信雄かも知れないって伝えて、危険だから行かないように言ったの」
「えっ?! その話を九十九さんにしたのか?」
「うん、一応、軽くだけど……。ダメだった?」
「いや、分かった。ちょっと九十九さんに連絡するよ。三橋さん、また後で」
「うん……」
俺は急いで電話を切った。直ぐに九十九さんへ電話する。
「もしもし?」
「もしもし、九十九さん?」
「一ノ瀬君? どうしたの?」
「九十九さん、今から会えるかな?」
「大丈夫だよ。ちょっと待ってくれれば、今から準備するから」
「じゃあ、九十九さんの家まで行くよ」
「良いよ良いよ。私、車だしそっちへ行くよ。どこに行けば良い?」
「ありがとう、じゃあ、『小鹿』って喫茶店分かる?」
「ああ、焼肉店の前の喫茶店ね。分かるよ。1時間後ぐらいに着くと思う」
「ごめんね、ありがとう」
俺は五木が亡くなってから、六角信雄に殺される不安の為、カプセルホテル暮らしを続けていた。そこから自転車で5分ぐらいのところに、喫茶店『小鹿』がある。田舎小屋風の佇まいで、築20年ぐらいだろうか? 飲み物の料金に200円をプラスすれば、ホットエッグトースト、サラダ、ソーセージ、フルーツヨーグルト、バナナがモーニングセットとして付く。店内は、カウンター10席にテーブル席3つ、個室1つでゆったりとした空間が出来ている。俺は昨日もここでモーニングを食べた。美味しいし安い。今日は日曜8時という書き入れ時の時間帯の為か、カウンターは6席が埋まり、個室、テーブル席2つに客がいた。
ヴーヴーヴー……
俺はスマホのバイブ音で目を覚ました。半目でスマホを覗くと、既に電話は切れていた。充電器のコードを抜いて着信履歴を確認すると三橋さんの名前が表示されていた。こんなに朝早い着信なので、何かあったのかと思いながらも、一先ず洗面台へ向かい、顔を洗って歯を磨いた後、テレビを点けながら三橋さんへ電話を掛ける。
「もしもし、一ノ瀬君? ニュース見た?」
「ニュース?」
俺は欠伸をしながらテレビのリモコンを操作した。
「六角信雄が死んだの!」
「何だって?!」
テレビではハッピーモーニング司会の三浦アナがコスモグループの新社長六角信雄の死亡を伝えていた。
練炭自殺?
「それでね、3日の金曜日のお昼に七瀬さんから連絡があって、六角信雄社長の接待に来てくれないって言われてたところなの」
「それで?」
「一ノ瀬君から信雄に近づかない方が良いって言われてたんで行かなかったんだけど……」
三橋さんの話を遮るように俺は質問した。
「九十九さんはどうした?」
「九十九さんには五木君を轢いたのは信雄かも知れないって伝えて、危険だから行かないように言ったの」
「えっ?! その話を九十九さんにしたのか?」
「うん、一応、軽くだけど……。ダメだった?」
「いや、分かった。ちょっと九十九さんに連絡するよ。三橋さん、また後で」
「うん……」
俺は急いで電話を切った。直ぐに九十九さんへ電話する。
「もしもし?」
「もしもし、九十九さん?」
「一ノ瀬君? どうしたの?」
「九十九さん、今から会えるかな?」
「大丈夫だよ。ちょっと待ってくれれば、今から準備するから」
「じゃあ、九十九さんの家まで行くよ」
「良いよ良いよ。私、車だしそっちへ行くよ。どこに行けば良い?」
「ありがとう、じゃあ、『小鹿』って喫茶店分かる?」
「ああ、焼肉店の前の喫茶店ね。分かるよ。1時間後ぐらいに着くと思う」
「ごめんね、ありがとう」
俺は五木が亡くなってから、六角信雄に殺される不安の為、カプセルホテル暮らしを続けていた。そこから自転車で5分ぐらいのところに、喫茶店『小鹿』がある。田舎小屋風の佇まいで、築20年ぐらいだろうか? 飲み物の料金に200円をプラスすれば、ホットエッグトースト、サラダ、ソーセージ、フルーツヨーグルト、バナナがモーニングセットとして付く。店内は、カウンター10席にテーブル席3つ、個室1つでゆったりとした空間が出来ている。俺は昨日もここでモーニングを食べた。美味しいし安い。今日は日曜8時という書き入れ時の時間帯の為か、カウンターは6席が埋まり、個室、テーブル席2つに客がいた。
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