10番目の同級生

ジャメヴ

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犯人はあなたです

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「じゃあ、六角信雄は一ノ瀬君を轢き殺したつもりが実は五木君を轢き殺しちゃったって事?」
「そういう事」
俺達は店員が近づいてきた事に気付き、話をやめる。
「ココアとモーニングセットお持ちしました」

  店員が去るのを見て俺は再び話し始める。
「それで、九十九さんにはあまり関係無いけど、六角信忠首吊り事件の推理も教えておくよ」
俺は自分の推理を伝える。九十九さんはホットエッグトーストを少し齧った後、ココアを飲みながら俺の話を真剣に聞く。

「じゃあ、五木君はアリバイ作りの為だけに殺されたって言うの?!」
「そう言う事になる」
九十九さんは目を瞑り、震えながら荒くなる呼吸を抑えている。目からは涙が零れ出した。
「次に目隠し殺人事件の推理を話すよ」
先程まで声を噛み殺しながら泣いていた九十九さんの震えがピタッと止まった。下を向いたまま話を聞いている。
「まず、二岡と六角が共犯なんだ」
九十九さんは顔を上げた。目から頬にかけて涙の跡が付いているものの真剣な表情になっている。
「十文字君や外部犯説は?」
「警察官の日吉さんから聞いたんだけど、検死の結果、二岡の頭に金属バットで殴られた痕が無かったんだ。これで、ほぼ二岡が最初の犯人の1人だという事が分かる。殴られたのは嘘だし、睡眠薬も入れられるしね。で、共犯者は六角。二岡単独で犯行する事は出来るんだけど、1人より2人の方が楽しめるという理由で六角に協力を求めたんだろう。二岡は殺人なんてする気は無かったんだと思う。目隠しと手錠が足りてないという事から、自分達も被害者面して紛れ込む何て事はせず、素人には過激なドッキリにするつもりだったんだろう。ところが、二岡は六角に金槌で殴り殺される。六角の動機についてハッキリとは分からないけど、二岡の過剰な言動に嫌気がさしたのと、兄貴を殺して殺人に対する罪の意識が緩くなったんじゃないだろうかと考えている。そして、六角は皆に紛れ込むために、目隠しと手錠をしてから鍵を渡す……」
俺は九十九さんの目を見て告げる。
「九十九さん……君にね」
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