嫉妬が憧憬に変わる時

ジャメヴ

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チキン

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  黒髪パーマの男と3時間は長いんだよな~。何か話し掛けてきてくれたら良いんだけど……。

  すると、俺の願いが通じたのか、黒髪パーマの男が近付いて来て話し掛ける。
「ごめん、ちょっと監視任せて良いかな?  腹が痛くて……」
「あっ、分かりました。任せてください 」
黒髪パーマの男は急いでトイレへ向かう。脅迫状とか、環境の違いとかのストレスで寝られなかったのかも知れない。

  徹夜をすると腸が休めないから下痢になる事よくあるんだよな。食あたりとかじゃなければ良いけど……。あっ!  確か下痢止めの薬を持ってきていた筈だ。

  俺は急いで自分の部屋に戻る。
ガチャ……バタン
  自分の鞄を漁ると透明のジップ付き袋を見つけた。

  あったあった、これだ。持ってきといて良かったよ。

ガチャ……バタン
  俺は自分の監視場所へ戻った。1人で監視を続け、10分程すると黒髪パーマはトイレから出てきた。
「ごめんごめん。ありがとう」
「いえいえ、全然オッケーです。大丈夫ですか?  下痢止めの薬もありますけど……」
「多分大丈夫。胃腸が弱くてね」
「俺もあんまり強い方じゃないです。あ、そう言えば、西大の空手部って強いんですか?」
「いやいや、所詮国立だからね。でも、そこの部屋の奴は多少強いぞ」
「色黒の人ですか?」
「そうそう。あとは、あんたが代わりになった、坂井ってのもソコソコやる。まあ、全体的には弱めだな」
「そうなんですか。でも、頭も良くて空手も強かったらやってられないですからね」
「ははは、でも、今の1年生は当たり年で、1人は全国ベスト8まで行ったんだ」
「凄いですね」
俺は刹那の事かなと思いながらも、その事には触れずに話を聞く。
「ただ、その影響か分からないけど、1年全体が調子にのってるんだ」
「まあ、そういうものかも知れないですね」
「だから、その1年を……」
ガチャ……バタン
「押忍」
「押忍」「おはようございます」
背の低い男が起きたようだ。背の低い男は俺を視界に入れずに黒髪パーマの男に話し掛ける。
「どうだ、何か起きたか?」
「何も起きないな」
「面白くないな。悪党をボコボコにするチャンスなのにな」
「まあ、何もないのが1番だろう」
「まあな」
そう言うと、背の低い男はトイレに入った。その様子を見て俺は考える。

  もしかして、こいつもビビって寝られなかったパターンじゃ無いだろうな?  まだ6時半だぞ?  3時過ぎに寝たとしても、3時間ちょっとしか寝られてないじゃないか。口だけのチキン野郎め。

  恐らく、俺以外の全員がスパイダーマンにボコボコにされている。今更、何を言ったところで強いとは思ってもらえない。しかも、先程の黒髪パーマの男との話で、色黒の男の話は挙がったけど背の低い男の話は挙がっていない。と言う事は弱いという事なのだろう。
  背の低い男はトイレから出て来て話す。
「じゃあ、もう少し休ませてもらうよ。監視宜しく」
背の低い男は部屋に入った。
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