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スパイダーマンの正体
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午前6時頃、黒髪パーマの男がトイレに行ってる間、監視は俺1人だ。もちろん、あれだけの犯行をそんな短時間で行なえないけど、疑われるのは避けられない。
あっ! そうだ、俺が部屋に入っていた、空白の1分間がある。あの時に誰かが王の部屋に入って……。いや、あんな短時間で犯行が行なえる訳が無い。
あああ、しまった! あの時、俺は自分の部屋に入って出てきている。黒髪パーマの男はトイレの中で、2度、気圧差による音を聞いているのだから、俺が王の部屋に入って出て来たのだと勘違いしてもおかしくない! だけど、いくら腕力があるからといって、10分で犯行を終えるのは無理と考えてくれないだろうか? 最短ルートでスパイダーマンのように壁を登っても……。
ん?! 待てよ……そう言えば、スパイダーマンってどこへ行ったんだ? 雪の降る中、歩いて山を下る事は出来ないだろう。こんな大事なことに気づかないなんて……。と言う事はこの中の誰かがスパイダーマンだという事だ! いや、実はスパイダーマンが2階の真ん中の部屋に居て、王秀英を殺し、しれ~っと、このメンバーに紛れ込んでいるのか? いや、でも、この部屋に入った時には全員居たしな……。
ん? 本当に全員居たか? いや、全員居た、間違い無い。とりあえず、見た目で1番近いのは丸刈りの男だ! スパイダーマンは180センチ強だった。1番可能性が高いのは丸刈りの男だな。……いや、もっと怪しい奴がいる。
それは……俺じゃないか!
180センチ強の身長で、1人だけボコボコに殴られていない。どう考えたって、スパイダーマンは俺だと思うだろう。もしかして、皆、最初から俺がスパイダーマンだと疑っていたんじゃないのか?! だから俺に対して警戒心があって、あまり話してくれなかったのか?! 何だこの状況は……。俺に不利な事ばっかりじゃないか!
その時、俺の頭を塩見の言葉が過った。
『死神のカードが出ているからな。これから不吉な事が起こるぞ』
ガチャ
2階のドアが開いた音がした。俺が2階を見上げると丸刈りの男が自分の部屋に入ったのが見えた。その直後、背後に気配を感じた。
「!!」
俺の身体を羽交い締めにする奴がいる!
まさか、犯人?!
俺は前屈みになり、膝を曲げ、足を宙に浮かす。すると、俺の全体重を持てなくなった後ろの人物も前屈みになる。その反動を利用しての背負い投げ。
全国チャンプ舐めんなよ!
ドサッ!
俺は、そのまま袈裟固めで抑え込みながらその人物の顔を見た。
黒髪パーマの男?!
俺は何故、黒髪パーマの男が?! と思ったけど、そんな隙も与えず、仲間の3人がヤル気満々で向かってくる。柔道の試合なら、背負い投げ1本、ついでに抑え込み1本で完全に勝負ありだけど、多対1なら、そうはいかない。俺は仕方なく抑え込みを外した。そして、倒れたままガードポジションを取る。3人に囲まれた。背の低い男が構わず下段蹴りを放つ!
バシッ!
「っっ!」
左足でガードしたけど、蹴られ慣れていないので、中々痛い。背の低い男は弱いって話だったのに……。たまらず俺は両手を開いて降参のポーズを見せ、大声で助けを乞う。
「待ってくれ! 急にどうした!?」
「お前だろ! 犯人は!」
背の低い男が戦闘態勢のまま言った。
「いや、違う!」
「アリバイが無いのはお前だけなんだよ! 大曲がトイレに行っている間に、お前が王の部屋に入って出てきた音を聞いているんだ! それに、スパイダーマンもお前だろ! 分かってるんだ!」
「いや、違う!」
俺は否定する事しか出来ない。反論が出来ないんだ。それもその筈、少し前に、自分でも自分が1番怪しいと考えていたのだから……。
また、塩見の言葉が過る。
『ダメだ……。対処法は無い……』
背の低い男は俺に向かって叫ぶ。
「じゃあ、他に誰がスパイダーマンだって言うんだよ!」
その時、2階から何か赤い物が投げつけられ、背の低い男の頭に当たった。それは、スパイダーマンの覆面のように見える。
「スパイダーマンは俺だよ!」
2階から誰かが叫んだ。俺の位置からはその姿が見えなかったけど、声に聞き覚えがある。
刹那?!
あっ! そうだ、俺が部屋に入っていた、空白の1分間がある。あの時に誰かが王の部屋に入って……。いや、あんな短時間で犯行が行なえる訳が無い。
あああ、しまった! あの時、俺は自分の部屋に入って出てきている。黒髪パーマの男はトイレの中で、2度、気圧差による音を聞いているのだから、俺が王の部屋に入って出て来たのだと勘違いしてもおかしくない! だけど、いくら腕力があるからといって、10分で犯行を終えるのは無理と考えてくれないだろうか? 最短ルートでスパイダーマンのように壁を登っても……。
ん?! 待てよ……そう言えば、スパイダーマンってどこへ行ったんだ? 雪の降る中、歩いて山を下る事は出来ないだろう。こんな大事なことに気づかないなんて……。と言う事はこの中の誰かがスパイダーマンだという事だ! いや、実はスパイダーマンが2階の真ん中の部屋に居て、王秀英を殺し、しれ~っと、このメンバーに紛れ込んでいるのか? いや、でも、この部屋に入った時には全員居たしな……。
ん? 本当に全員居たか? いや、全員居た、間違い無い。とりあえず、見た目で1番近いのは丸刈りの男だ! スパイダーマンは180センチ強だった。1番可能性が高いのは丸刈りの男だな。……いや、もっと怪しい奴がいる。
それは……俺じゃないか!
180センチ強の身長で、1人だけボコボコに殴られていない。どう考えたって、スパイダーマンは俺だと思うだろう。もしかして、皆、最初から俺がスパイダーマンだと疑っていたんじゃないのか?! だから俺に対して警戒心があって、あまり話してくれなかったのか?! 何だこの状況は……。俺に不利な事ばっかりじゃないか!
その時、俺の頭を塩見の言葉が過った。
『死神のカードが出ているからな。これから不吉な事が起こるぞ』
ガチャ
2階のドアが開いた音がした。俺が2階を見上げると丸刈りの男が自分の部屋に入ったのが見えた。その直後、背後に気配を感じた。
「!!」
俺の身体を羽交い締めにする奴がいる!
まさか、犯人?!
俺は前屈みになり、膝を曲げ、足を宙に浮かす。すると、俺の全体重を持てなくなった後ろの人物も前屈みになる。その反動を利用しての背負い投げ。
全国チャンプ舐めんなよ!
ドサッ!
俺は、そのまま袈裟固めで抑え込みながらその人物の顔を見た。
黒髪パーマの男?!
俺は何故、黒髪パーマの男が?! と思ったけど、そんな隙も与えず、仲間の3人がヤル気満々で向かってくる。柔道の試合なら、背負い投げ1本、ついでに抑え込み1本で完全に勝負ありだけど、多対1なら、そうはいかない。俺は仕方なく抑え込みを外した。そして、倒れたままガードポジションを取る。3人に囲まれた。背の低い男が構わず下段蹴りを放つ!
バシッ!
「っっ!」
左足でガードしたけど、蹴られ慣れていないので、中々痛い。背の低い男は弱いって話だったのに……。たまらず俺は両手を開いて降参のポーズを見せ、大声で助けを乞う。
「待ってくれ! 急にどうした!?」
「お前だろ! 犯人は!」
背の低い男が戦闘態勢のまま言った。
「いや、違う!」
「アリバイが無いのはお前だけなんだよ! 大曲がトイレに行っている間に、お前が王の部屋に入って出てきた音を聞いているんだ! それに、スパイダーマンもお前だろ! 分かってるんだ!」
「いや、違う!」
俺は否定する事しか出来ない。反論が出来ないんだ。それもその筈、少し前に、自分でも自分が1番怪しいと考えていたのだから……。
また、塩見の言葉が過る。
『ダメだ……。対処法は無い……』
背の低い男は俺に向かって叫ぶ。
「じゃあ、他に誰がスパイダーマンだって言うんだよ!」
その時、2階から何か赤い物が投げつけられ、背の低い男の頭に当たった。それは、スパイダーマンの覆面のように見える。
「スパイダーマンは俺だよ!」
2階から誰かが叫んだ。俺の位置からはその姿が見えなかったけど、声に聞き覚えがある。
刹那?!
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