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睡眠薬
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秀英は社長時代、世界一働いていたと言っても過言では無いくらい働いていた。睡眠時間をとれない日もあった。その影響なのか、休む時間があっても寝れない事があり疲労が蓄積していった。知り合いの医者に見てもらうと軽い睡眠障害だと言う。その時、2種類の睡眠薬を処方してもらった。睡眠導入剤と睡眠薬だ。睡眠導入剤とは睡眠薬の一部の薬の事で、睡眠効果が早く現れ、薬の血中濃度が早く低下するので副作用も少なく、寝つきが悪い人によく処方される。基本的には睡眠導入剤を使用しなさい、との事だった。その効果は覿面で短時間しか休みがとれない日でもスッと眠りにつけてスッキリ起きれた。
ある日、秀英は丸1日の休みが取れた。急いで寝る必要も無いので、睡眠導入剤は不必要だなと思ったが、ふと、睡眠薬が気になった。起床時にふらつきなどの副作用が出るかも知れないと先生が言っていたので、影響の無いその日、試しに飲んでみた。すると、想像以上の眠気が来て15時間も眠ってしまった。秀英は、この薬は強すぎるとして、その後、1度も使用しなかった。
だが、遂に使う時が来たのかも知れない。使用期限はとっくに過ぎていたが、全く効果が無くなると言う事も無いだろう。秀英はジップ付きの小袋に睡眠薬を2粒入れて粉々にした。
(後は……青い飲み物……いや、確かワインセラーにマルベックがあった筈だ。あれを持っていこう)
秀英の屋敷の地下にはワインセラーがあり、最高級のワインが100本以上ある。マルベックとは、かなり濃い赤ワインだ。世界一ポリフェノールが多い品種と言われている。何故、秀英がマルベックを選択したかと言うと、睡眠薬には犯罪防止の為に青い着色料が入っていて、多少、色付きの飲み物でも睡眠薬が入れば青く分かる様になっている。それをごまかすには、青い飲み物か、濃い色がついている飲み物がベストだ。マルベックは赤ワインながら、見た目はほぼ黒色、青い着色料が入っても分からない。
(後はロープがいるな。いざと言う時は、睡眠薬で眠らせてロープで縛り付けよう。しかし、どうして脅迫文なんて手の込んだ事を……。日曜の0時に殺す……。まさか……脅迫文を送り付けて来た人物が俺を殺したように見せかけようってのか?! これは、兄貴が考えれるような計画じゃない! 恐らく唐沢か他の奴の計画を兄貴にさせようって魂胆だ! いや、まだ分からない……。犯行予告時刻まではたっぷり時間がある)
秀英は執事に細めのロープを20メートル分購入してくるよう告げた。執事と言っても博文の事では無い。秀英の屋敷には、博文以外に斎藤と言う20代の執事がもう1人いて、洗濯や掃除担当の者が2人、料理人が1人いた。博文以外の者同士は交流があるが、博文は、年齢的に離れているせいか、他のお手伝いさんや斎藤との交流は、あまり無く、挨拶をする程度。
(どうする……。危険過ぎる……。俺が行かないと言えば済む話だが……。ただ、今回の件を先送りしたところで恐怖の時間が伸びるだけだ。こっちには犯行予告時間も分かってるんだ。そう簡単に殺されてたまるか!)
秀英は博文に電話を掛けた。
「もしもし、王、お疲れ様です」
「兄貴、別荘に行く事にしたよ」
「ありがとうございます。準備致します。時間は明日の昼食後で宜しいですか?」
「ああ、任せた」
金曜日午後1時
「王、それでは出掛けましょう」
「ああ」
執事斎藤が、後部座席のドアを開け、秀英は助手席に乗り込んだ。チラッと秀英が博文を見ると何か大きめの荷物をトランクに積んでいる。秀英は取り敢えず気付かないフリをした。博文は運転席に乗り込み車を発進させた。
別荘に着くと博文が荷物を運ぶのだが、秀英も自分の荷物は運ぶ。特に大事なのは睡眠薬とワインとロープだ。秀英はワインを自分の部屋の冷蔵庫に入れると、お気に入りのエアチェアーでくつろぎ、いつものように、スマホから伸びたイヤホンを耳につけ、博文の盗聴録音をチェックする。
5分後
コンコンコン
「はい」
ガチャ
「失礼します。少し外で作業をして参ります」
「分かった」
「では、ごゆっくり」
バタン
秀英は盗聴確認の続きをしようと思ったが、もっと大切な事に気がついた。
(兄貴が外に出るなら荷物の確認が出来る。本当に俺を殺そうと考えているなら、睡眠薬とか持ってきているかも知れない)
ガチャ……バタン
秀英は博文が玄関から出たのを確認し、博文の部屋に入った。秀英は博文のカバンを漁って、全ての荷物を調べるつもりだったが、いきなり核となる物を見つけてしまった!
(何だって?! これは……ピアノ線……)
ある日、秀英は丸1日の休みが取れた。急いで寝る必要も無いので、睡眠導入剤は不必要だなと思ったが、ふと、睡眠薬が気になった。起床時にふらつきなどの副作用が出るかも知れないと先生が言っていたので、影響の無いその日、試しに飲んでみた。すると、想像以上の眠気が来て15時間も眠ってしまった。秀英は、この薬は強すぎるとして、その後、1度も使用しなかった。
だが、遂に使う時が来たのかも知れない。使用期限はとっくに過ぎていたが、全く効果が無くなると言う事も無いだろう。秀英はジップ付きの小袋に睡眠薬を2粒入れて粉々にした。
(後は……青い飲み物……いや、確かワインセラーにマルベックがあった筈だ。あれを持っていこう)
秀英の屋敷の地下にはワインセラーがあり、最高級のワインが100本以上ある。マルベックとは、かなり濃い赤ワインだ。世界一ポリフェノールが多い品種と言われている。何故、秀英がマルベックを選択したかと言うと、睡眠薬には犯罪防止の為に青い着色料が入っていて、多少、色付きの飲み物でも睡眠薬が入れば青く分かる様になっている。それをごまかすには、青い飲み物か、濃い色がついている飲み物がベストだ。マルベックは赤ワインながら、見た目はほぼ黒色、青い着色料が入っても分からない。
(後はロープがいるな。いざと言う時は、睡眠薬で眠らせてロープで縛り付けよう。しかし、どうして脅迫文なんて手の込んだ事を……。日曜の0時に殺す……。まさか……脅迫文を送り付けて来た人物が俺を殺したように見せかけようってのか?! これは、兄貴が考えれるような計画じゃない! 恐らく唐沢か他の奴の計画を兄貴にさせようって魂胆だ! いや、まだ分からない……。犯行予告時刻まではたっぷり時間がある)
秀英は執事に細めのロープを20メートル分購入してくるよう告げた。執事と言っても博文の事では無い。秀英の屋敷には、博文以外に斎藤と言う20代の執事がもう1人いて、洗濯や掃除担当の者が2人、料理人が1人いた。博文以外の者同士は交流があるが、博文は、年齢的に離れているせいか、他のお手伝いさんや斎藤との交流は、あまり無く、挨拶をする程度。
(どうする……。危険過ぎる……。俺が行かないと言えば済む話だが……。ただ、今回の件を先送りしたところで恐怖の時間が伸びるだけだ。こっちには犯行予告時間も分かってるんだ。そう簡単に殺されてたまるか!)
秀英は博文に電話を掛けた。
「もしもし、王、お疲れ様です」
「兄貴、別荘に行く事にしたよ」
「ありがとうございます。準備致します。時間は明日の昼食後で宜しいですか?」
「ああ、任せた」
金曜日午後1時
「王、それでは出掛けましょう」
「ああ」
執事斎藤が、後部座席のドアを開け、秀英は助手席に乗り込んだ。チラッと秀英が博文を見ると何か大きめの荷物をトランクに積んでいる。秀英は取り敢えず気付かないフリをした。博文は運転席に乗り込み車を発進させた。
別荘に着くと博文が荷物を運ぶのだが、秀英も自分の荷物は運ぶ。特に大事なのは睡眠薬とワインとロープだ。秀英はワインを自分の部屋の冷蔵庫に入れると、お気に入りのエアチェアーでくつろぎ、いつものように、スマホから伸びたイヤホンを耳につけ、博文の盗聴録音をチェックする。
5分後
コンコンコン
「はい」
ガチャ
「失礼します。少し外で作業をして参ります」
「分かった」
「では、ごゆっくり」
バタン
秀英は盗聴確認の続きをしようと思ったが、もっと大切な事に気がついた。
(兄貴が外に出るなら荷物の確認が出来る。本当に俺を殺そうと考えているなら、睡眠薬とか持ってきているかも知れない)
ガチャ……バタン
秀英は博文が玄関から出たのを確認し、博文の部屋に入った。秀英は博文のカバンを漁って、全ての荷物を調べるつもりだったが、いきなり核となる物を見つけてしまった!
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