雌化した僕らは。

永矢めぎ

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フィーはヴァルトの専用の雌

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「ヴァルトさん専用」という言葉に、フィーは赤くなったり青くなったりを繰り返していた。
専用の雌というのは聞いたことはないし、どうすればいいかもわからない。
なれるのかもわからない。自信もない。
ただ、嬉しかったのは事実だ。
じわじわとくるその言葉に、ニマニマしてしまい、ヴァルトに「気持ち悪りぃ」とも言われた。
「だって、ヴァルトさん専用の雌って、いやらしさ全開じゃないですかぁ」
デコピンを食らった。


妊娠中はお腹が空いて異常に精液が飲みたくなる。咥えるだけであれば、食事だと思って我慢はできる。ただ、雄は身体に触れてくるし、キスもしてくるし、ペニスを舐められたりもする。
(専用になったらヴァルトさんだけのを飲んでればいいんですかね?いや、あの人忙しいから無理ですね)
雄に身体中を弄られて疲れてしまったので休むことにした。
このあたりはすぐどうこうできるものではなく、衝動的に飲みたくなるし、誰でもいいから飲ませて欲しくなる。
無駄に触られるのが嫌だけで、フェラ自体は嫌いではなかった。

「フィー、少しずつ身体を慣らしていくからね」
飼育員にはそう言われた。
慣らすというのは他の雄と距離をおくよう慣らすということらしい。
いきなりだと中毒症状がでるので徐々にだ。
とくにいまは妊娠中なので、負担をかけないようにはしている。
他の雄との回数を減らし、飼育員がくれるミルクを1回増やした。
たまにヴァルトのをもらっていれば満足するようにはどうにかなってきた。

他の雄に媚を売らなくて良いと言われたのでずっと部屋の中でゴロゴロしている。そもそも注目されるのは好きではないのでこれはラッキーだ。



3ヶ月ぶりの出産で、今回もそれほど苦労はしなかった。
だが、産んだ直後に体調を崩した。
双子ということもあり、負荷はかかっていたようで、産み落とす快感に比例して疲労もした。
疲れはしたが、様子を見に来たヴァルトに、開口一番に「いますぐ孕みたいです」と強請り呆れさせるくらいには快かった。
相変わらず交尾はしたいが、交尾をしなければならない、というものではなくなったので気楽ではあった。
しばらくは他の雄とも交尾してはみたが、その回数を減らしていく。
交尾よりもヴァルトを思いながら自慰をする回数が増えてきたあたりで、以前より性欲が強くなっていることに気づいた。
「僕、専用になってからの方が我慢できてない気がするんですよねぇ」
「………気がするじゃねぇ、できてねぇよ」
「あはは、やっぱりぃ」
そう、全然我慢が出来なかった。
毎日ヴァルトのことだけを考えて生きてるので、目の前にすると飛びついてがっついてしまう。
「他の、雄との交尾は我慢できるようになったんですよ。……玩具遊びは許してください。頭の中大半がヴァルトさんなんで、いない時の慰め方がそれしかなくて」
「好きにしろ」
腰を押し付けられて、入ってくる。
すごく締め付けてしまってるのはわかった。はやく奥にほしい。
「どうですかぁ?ヴァルトさん専用の穴は」
「………お前、それ言いたいだけだろ」
「ばれ、ました?」
気持ち良すぎて、すぐトびそうになるのを必死で繋ぎ止める。
「まぁ悪くはねぇな」
「ほめ、られた、うれ、しい」
「わーったから、まだ、動くな」
軽いキスを何度もしていると、口を弄られて濃いやつをしてもらえる。
乳首も触ってもらえるので嬉しくて中をぎゅっぎゅとしてしまう。
全身が気持ちいい。
馴染めば奥をトントンしてくれて、良い子にしていれば激しくピストンしてくれた。
なんどもメスイキする。身体の悦びようがすごい。
「…フィー、トんでまた記憶がないって泣くなよ」
「…?あ、すみません」
脚をさらにぐいっと広げて奥をめくってもらい、射精される。
「っっふ、ぁああっ」
こうなるともう腰を擦り付けるのが止まらなくなる。もっと射精してと強請るだけの雌になる。
この雄専用なのだから、なりふり構わず必死だった。
「ぜっっ、たい、僕、いま、ひどい」
「あぁ、酷いな」
ヴァルトが珍しく楽しそうにしているのが気になるが、フィーはヴァルトを離せず、どうすればいいかわからない。
「専用は、専用で、たいへんですね」
「いやか?」
「まさか。ただ、ヴァルトさんがいないと僕死んじゃうなとは思うので、気をつけてくださいね」
「善処する」


出産率は増えた。
何回か繰り返していれば、安定して孕んで、特に体調も崩さず、元気な子を産むことができるようになったので、フィーの不妊は相性の問題だったことはほぼ確実だ。
精神的な原因ももちろんある。
ヴァルト以外の雄断ちをしてからは、ヴァルト恋しさに枕を涙で濡らす日々もなくはないが、大体は安定していた。胎に子がいれば性欲で苦しむことも少なくなっては来たのでのんびり好きなことをして過ごせるようにもなっている。
「なんか、僕ばかり楽になってしまって良いんですかね」
他の雌と比べて言ってはいるが、飼育員は苦笑いで、ヴァルトは頑なに口を開かない。
首輪は番号のついたものから紋章のついたものに変わる。
つけているのを忘れるほど軽いので、良い代物には違いない。
これだけはヴァルトから直接与えられたものなので大事にしている。
…たまに、新人の飼育員が首輪を見てぎょっとするので「ヴァルトさんって何モンなんです?」と聞いたが「お前は知らなくて良い」と言うのでフィーは頭の外に追いやった。
自分はこの雄のための雌であり、この雄の子を孕んで産むことが全てだ。それ以外は考えなくて良い。
だから今日もヴァルトのことを思いながら、お腹の子を大事にして、穏やかに過ごすことにした。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

無糸
2021.07.01 無糸
ネタバレ含む
2021.07.01 永矢めぎ

感想ありがとうございます!!
可愛いと言っていただけで、嬉しいです……!
色々な雌ちゃんたちの話を繋げて書いているのですが、フィーは大分気に入っているところもあり、また登場させようかなと思っています。(コメントいただけると俄然やる気がでます…!)
少し更新は空いてしまうのですが、今後もよければお付き合いください!

解除

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