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俺はなんとかして女の子で童貞を捨てたくって、生まれて今までダウンロードすらしたことの無かったマッチングアプリに登録した。
運良くそこで知り合った女の子となんとか出かけるまでに至ったのだか、結果は惨敗だった。
まず待ち合わせに来た女の子がプロフとなんか顔が違う。(俺に見る目がないだけ?)それからカフェに行ったんだけど、気を遣うとこがいまいち分からずうまくいかないエスコート(俺の力不足)、弾まない会話(俺のコミュ力の低さ)。だって一生懸命なんとか搾り出して話題を振っても「うん」とか「ふーん」とかしか帰ってこず、向こうが話すことといえば、どこどこのブランドの服やコスメが好きだとか、おしゃれタウンのあそこのご飯屋に行ってみたいとか、そんなことばっか。
そんでそのあとお腹減ったって言うから、チェーン店の居酒屋連れて行けば、妙に実物と顔とスタイルが違う自撮りを永遠に見せられる謎タイム。
緊張もしていたし、手持ち無沙汰でついつい飲み過ぎていた俺がつい何十枚目かわからん写真を見て「いっつも空間歪んでんね」ってぽろりとこぼすと、女の子は不機嫌になって帰ってしまった。なんかもうすっげえめんどくさい。やめたい。
もちろん一回失敗したくらいでめげてるようじゃだめなんだと思う。わかってる、わかっているが俺の精神力はすでにゼロだ。
くやしいけどはっきり言って、練習でした唯継とのデートのほうが何倍も楽しかった。しかも女の子とデート中も唯継からメッセージが何度かきてて、その度に俺は目の前の女の子と話すより唯継と絡んでいたい気持ちになった。
女の子と別れた後に唯継から来てたメールをみてたら、なんか無性に会いたくなってきて、酔っ払ったノリで『今ひま?』ってメッセージを俺は送ってしまった。
そしたら送信後、直ちに俺のスマホが震え、画面を見れば着信が。
「もしもし‥」
勢いでメッセージを送ったけど着信があるとは思ってなかったから、なんとなく気恥ずかしい。おずおずと電話にでると唯継がびっくりするくらい甘くって、それですっげえ嬉しそうな声で俺の名を呼んできた。
「もも」
それだけで、さっきまで一緒にいた女の子とのやり取りでもやもやしてた気分なんか一気に飛んで、俺の頭は唯継でいっぱいになってしまった。
だってそんな嬉しそう声、予想してなかった。
「もも、今ひまなの?」
スマホ越しから、唯継の優しいくすくすが笑いが想像できる。それが妙に色気があってなんか俺も内心どきどきしてきてしまう。
「‥うん。外にいる」
「そっち、迎えに行ってもいい?」
俺は再びうなずいた。たとえ美形の気まぐれだとしても、すぐに連絡を返してくれて、そんで向こうがわざわざこっちに来てくれるってことに俺の胸はじんわりと熱くなった。なんか頬も熱い。たぶんこれは酔ってるせい。‥多分。
しばらくして、駅近くの広場の浅い形のベンチに腰掛けて唯継を待っていると、目の前の大通りに黒塗りの高級外車が止まった。ピカピカに磨かれた車体につい目を奪われていると、後部座席から降りてきたのは外車より目を引く唯継だった。
夜の繁華街のきらきらした明かりを背にこっちにやってくるスーツ姿ははっきし言ってすんげえかっこいい。次の次の人生は藻とかでいいから死んだら唯継みたいな人間に生まれ変わらせてって土下座しながら神様の足舐めてもいいくらいかっこいい。
「ひさしぶり」
「うん。なんか車すごいね」
「会社からそのまま来たんだ」
って言ったあと熱のこもった感じで「会いたかった」って続けるから俺は酔いに任せてちょっとだけすねる。
「じゃあ会いに来いよ」
ずっとメッセージしか送ってこなかったじゃん。
それには応えず、ふふって笑うと唯継は俺の短くなって気合いを入れてセットした髪にさらりと触れた。
「ずいぶん可愛くなったね」
「かわいくじゃなくてかっこよくなったの」
なんでみんな俺に対して可愛いしか言わねーんだよ。不服な俺は軽く唯継の手を振り払う。
「服装もいいね、似合ってる」
褒めてる割には声のトーンが低い。広場のベンチに腰掛けたままの俺は不思議そうに唯継を見上げた。目が笑ってない。
なんでだよ?電話で話した時はすげえ嬉しそうだったのに。
「髪も服もブラッシュアップして誰と会ってたの?お酒も飲んでるでしょ」
「‥‥誰って、べつにいいだろ」
唯継には関係ないじゃん。
「全然、良くない。すごい気になる」
見上げる俺の両頬をさらりとした男らしい手が包み込む。俺はまたそれを振り解こうと軽くその手を払うが、唯継は今度は離そうとしなかった。俺は振り払うのを諦めてされるがままになる。
「‥‥‥なんでそんなこと気にすんだよ」
「もものこと好きだから」
あっさり言う。だけど会いに来なかったじゃん。ちょっと職場で迫ってきたから断ったくらいで、会いにきてくれなくなったじゃん。
「それで、ももも僕のこと好きだから」
きちんとした態度ではっきり唯継は言い切った。
「‥は、はぁ?」
自分の心を見透かされ、さらに宣言までされて心臓がどくりと鳴ったけど、動揺を悟られるのがいやで、俺はお前何言ってんだよの空気を全面に出すことに集中した。
だって俺は女の子とやりたいはず。だからこうやって一生懸命、似合わない服装して、慣れない会話たくさんして、それなのに女の子に振られても、でもがっかりなんて全然しなくって、そんでなぜか唯継に会いたくなって。
「僕のこと好きなのに、こんなにおしゃれして誰と会ってたのか、すごく気になるよ」
誰が誰を好きだよ。
「勝手に決めつけんな‥」
「やましいことが無いなら、どこで誰と会ってたか言えるよね」
やましいってなんだよ!やましいって!俺は唯継の恋人でもなんでも無いんだから、どこで誰と何しようが自由だろうが!なんで後ろめたさなんて感じなきゃなんねえんだよ。あと、その僕のものです口調もやめろ!
俺はまんまと唯継の誘導に乗ってしまい、口をとんがらせて強めに返す。
「別にちょっと女の子と遊んでただけ。んで向こうに用事が出来て先帰っちゃったからひまになって唯継に声掛けただけだし」
俺は「女の子」ってところに力を入れて、今まで女子といましたよアピールする。そんで本当は用事が出来たんじゃなくて怒って帰っちゃったんだけど、そこはかっこ悪いから適当な事言って、唯継に声掛けたのは好きとかじゃなく、単なる気まぐれだからアピールもちゃんとしとく。
「振られちゃったの?」
唯継はなぜか俺が振られたことに気づいて、くすくす笑いしながら、両手で包んでいた俺の頬をふにふにと優しくつねった。
「僕なら絶対手放さないのに」
不覚にも俺の胸はきゅぅん‥、と高鳴った。だって生まれて24年、誰かにこんなこと言われたことなんてなかったし、しかも初めて言われた相手がこんな美形だなんて反則だろ。
俺はついつい目の前の、何度見てもびっくりするぐらい美しい唯継に見惚れてしまう。目も鼻も口も輪郭もどこもかしこも完璧だ。
神の作りたもうた名作がなんで俺なんかにそんなこと言うんだろう。
「うそくせ」
「嘘かどうか試してみればいいよ」
それって付き合えってこと?俺がちらっと唯継を見れば自信満々って顔でこっちを見てる。なんだよ、どっからくんだよその自信。いや、顔からか。俺は自信に満ち溢れた唯継の顔になんか一言言ってやりたくなった。
「どや顔」
それを聞いた唯継はこんなタイミングでそんなこと言われたことないのか、ちょっと目を見開いた後、いつもより少しあどけない顔でくすくす笑った。
「僕たち絶対に相性いいよ」
その言葉がすとん、って俺の胸に落ちてきてしまった。たしかになあ、今日マッチングした女の子とは今みたいな軽口、少しも出来なかった。ただただ気を遣う、めんどくさくって疲れる時が流れて行くだけのつまんない時間。
それに唯継は男だけど俺は不覚にもときめいちゃったわけだし、それになにより一緒にいて笑える。
ぶっちゃけ唯継は男らしいタイプだけどはちゃめちゃ美形だし、こんな美形に迫られるチャンスめったにあるもんじゃない。この際、性別は目をつぶって俺の童貞を唯継に捧げるか‥?
そう考えた時、俺は唯継に聞いてみたくなった。唯継が他の男と経験があるのかどうか。こないだ男同士のセックスを調べた時、唯継に負担をかけないか不安だったけど、いざ可能性が出てくると俺が上手くできるか、他の奴と比べられないかも気になってくる。童貞ゆえの器の小ささだ。笑ってくれ。
「‥唯継は、その、こういうの慣れてんの?」
「こういうのって?」
「同性と付き合ったり‥」
俺が小声で聞くと、少し照れたように唯継は微笑んだ。
「正直、僕は女性としか付き合ったことが無いんだ。ももだけなんだ。こんな気持ちになったの」
ずどん。って俺の胸に雷が落ちた。
唯継はこんなにも美形で多分相手に不自由なんてしたことないであろうに、なのに!!男でさらに平凡な俺を選ぼうとしている!!!
そういう趣味でもないのに、男同士のハードルを超えて俺に抱かれたがってるなんて、男、百介、もうこれは答えないわけにはいかないだろう!?!?それぐらい唯継の返事は俺の心を打った。
俺が童貞だなんて唯継の初めてに比べればなんてことないよな!?
俺は短い人生で一番であろう真剣な眼差しを唯継に向けると小さくうなずいた。
「わかった。俺たち付き合おう」
唯継はベンチに腰掛けたままの俺をぎゅうって抱きしめてきた。
「うれしい」
俺もしっかり唯継の背中を握り締める。
「唯継、優しくするからな‥!」
運良くそこで知り合った女の子となんとか出かけるまでに至ったのだか、結果は惨敗だった。
まず待ち合わせに来た女の子がプロフとなんか顔が違う。(俺に見る目がないだけ?)それからカフェに行ったんだけど、気を遣うとこがいまいち分からずうまくいかないエスコート(俺の力不足)、弾まない会話(俺のコミュ力の低さ)。だって一生懸命なんとか搾り出して話題を振っても「うん」とか「ふーん」とかしか帰ってこず、向こうが話すことといえば、どこどこのブランドの服やコスメが好きだとか、おしゃれタウンのあそこのご飯屋に行ってみたいとか、そんなことばっか。
そんでそのあとお腹減ったって言うから、チェーン店の居酒屋連れて行けば、妙に実物と顔とスタイルが違う自撮りを永遠に見せられる謎タイム。
緊張もしていたし、手持ち無沙汰でついつい飲み過ぎていた俺がつい何十枚目かわからん写真を見て「いっつも空間歪んでんね」ってぽろりとこぼすと、女の子は不機嫌になって帰ってしまった。なんかもうすっげえめんどくさい。やめたい。
もちろん一回失敗したくらいでめげてるようじゃだめなんだと思う。わかってる、わかっているが俺の精神力はすでにゼロだ。
くやしいけどはっきり言って、練習でした唯継とのデートのほうが何倍も楽しかった。しかも女の子とデート中も唯継からメッセージが何度かきてて、その度に俺は目の前の女の子と話すより唯継と絡んでいたい気持ちになった。
女の子と別れた後に唯継から来てたメールをみてたら、なんか無性に会いたくなってきて、酔っ払ったノリで『今ひま?』ってメッセージを俺は送ってしまった。
そしたら送信後、直ちに俺のスマホが震え、画面を見れば着信が。
「もしもし‥」
勢いでメッセージを送ったけど着信があるとは思ってなかったから、なんとなく気恥ずかしい。おずおずと電話にでると唯継がびっくりするくらい甘くって、それですっげえ嬉しそうな声で俺の名を呼んできた。
「もも」
それだけで、さっきまで一緒にいた女の子とのやり取りでもやもやしてた気分なんか一気に飛んで、俺の頭は唯継でいっぱいになってしまった。
だってそんな嬉しそう声、予想してなかった。
「もも、今ひまなの?」
スマホ越しから、唯継の優しいくすくすが笑いが想像できる。それが妙に色気があってなんか俺も内心どきどきしてきてしまう。
「‥うん。外にいる」
「そっち、迎えに行ってもいい?」
俺は再びうなずいた。たとえ美形の気まぐれだとしても、すぐに連絡を返してくれて、そんで向こうがわざわざこっちに来てくれるってことに俺の胸はじんわりと熱くなった。なんか頬も熱い。たぶんこれは酔ってるせい。‥多分。
しばらくして、駅近くの広場の浅い形のベンチに腰掛けて唯継を待っていると、目の前の大通りに黒塗りの高級外車が止まった。ピカピカに磨かれた車体につい目を奪われていると、後部座席から降りてきたのは外車より目を引く唯継だった。
夜の繁華街のきらきらした明かりを背にこっちにやってくるスーツ姿ははっきし言ってすんげえかっこいい。次の次の人生は藻とかでいいから死んだら唯継みたいな人間に生まれ変わらせてって土下座しながら神様の足舐めてもいいくらいかっこいい。
「ひさしぶり」
「うん。なんか車すごいね」
「会社からそのまま来たんだ」
って言ったあと熱のこもった感じで「会いたかった」って続けるから俺は酔いに任せてちょっとだけすねる。
「じゃあ会いに来いよ」
ずっとメッセージしか送ってこなかったじゃん。
それには応えず、ふふって笑うと唯継は俺の短くなって気合いを入れてセットした髪にさらりと触れた。
「ずいぶん可愛くなったね」
「かわいくじゃなくてかっこよくなったの」
なんでみんな俺に対して可愛いしか言わねーんだよ。不服な俺は軽く唯継の手を振り払う。
「服装もいいね、似合ってる」
褒めてる割には声のトーンが低い。広場のベンチに腰掛けたままの俺は不思議そうに唯継を見上げた。目が笑ってない。
なんでだよ?電話で話した時はすげえ嬉しそうだったのに。
「髪も服もブラッシュアップして誰と会ってたの?お酒も飲んでるでしょ」
「‥‥誰って、べつにいいだろ」
唯継には関係ないじゃん。
「全然、良くない。すごい気になる」
見上げる俺の両頬をさらりとした男らしい手が包み込む。俺はまたそれを振り解こうと軽くその手を払うが、唯継は今度は離そうとしなかった。俺は振り払うのを諦めてされるがままになる。
「‥‥‥なんでそんなこと気にすんだよ」
「もものこと好きだから」
あっさり言う。だけど会いに来なかったじゃん。ちょっと職場で迫ってきたから断ったくらいで、会いにきてくれなくなったじゃん。
「それで、ももも僕のこと好きだから」
きちんとした態度ではっきり唯継は言い切った。
「‥は、はぁ?」
自分の心を見透かされ、さらに宣言までされて心臓がどくりと鳴ったけど、動揺を悟られるのがいやで、俺はお前何言ってんだよの空気を全面に出すことに集中した。
だって俺は女の子とやりたいはず。だからこうやって一生懸命、似合わない服装して、慣れない会話たくさんして、それなのに女の子に振られても、でもがっかりなんて全然しなくって、そんでなぜか唯継に会いたくなって。
「僕のこと好きなのに、こんなにおしゃれして誰と会ってたのか、すごく気になるよ」
誰が誰を好きだよ。
「勝手に決めつけんな‥」
「やましいことが無いなら、どこで誰と会ってたか言えるよね」
やましいってなんだよ!やましいって!俺は唯継の恋人でもなんでも無いんだから、どこで誰と何しようが自由だろうが!なんで後ろめたさなんて感じなきゃなんねえんだよ。あと、その僕のものです口調もやめろ!
俺はまんまと唯継の誘導に乗ってしまい、口をとんがらせて強めに返す。
「別にちょっと女の子と遊んでただけ。んで向こうに用事が出来て先帰っちゃったからひまになって唯継に声掛けただけだし」
俺は「女の子」ってところに力を入れて、今まで女子といましたよアピールする。そんで本当は用事が出来たんじゃなくて怒って帰っちゃったんだけど、そこはかっこ悪いから適当な事言って、唯継に声掛けたのは好きとかじゃなく、単なる気まぐれだからアピールもちゃんとしとく。
「振られちゃったの?」
唯継はなぜか俺が振られたことに気づいて、くすくす笑いしながら、両手で包んでいた俺の頬をふにふにと優しくつねった。
「僕なら絶対手放さないのに」
不覚にも俺の胸はきゅぅん‥、と高鳴った。だって生まれて24年、誰かにこんなこと言われたことなんてなかったし、しかも初めて言われた相手がこんな美形だなんて反則だろ。
俺はついつい目の前の、何度見てもびっくりするぐらい美しい唯継に見惚れてしまう。目も鼻も口も輪郭もどこもかしこも完璧だ。
神の作りたもうた名作がなんで俺なんかにそんなこと言うんだろう。
「うそくせ」
「嘘かどうか試してみればいいよ」
それって付き合えってこと?俺がちらっと唯継を見れば自信満々って顔でこっちを見てる。なんだよ、どっからくんだよその自信。いや、顔からか。俺は自信に満ち溢れた唯継の顔になんか一言言ってやりたくなった。
「どや顔」
それを聞いた唯継はこんなタイミングでそんなこと言われたことないのか、ちょっと目を見開いた後、いつもより少しあどけない顔でくすくす笑った。
「僕たち絶対に相性いいよ」
その言葉がすとん、って俺の胸に落ちてきてしまった。たしかになあ、今日マッチングした女の子とは今みたいな軽口、少しも出来なかった。ただただ気を遣う、めんどくさくって疲れる時が流れて行くだけのつまんない時間。
それに唯継は男だけど俺は不覚にもときめいちゃったわけだし、それになにより一緒にいて笑える。
ぶっちゃけ唯継は男らしいタイプだけどはちゃめちゃ美形だし、こんな美形に迫られるチャンスめったにあるもんじゃない。この際、性別は目をつぶって俺の童貞を唯継に捧げるか‥?
そう考えた時、俺は唯継に聞いてみたくなった。唯継が他の男と経験があるのかどうか。こないだ男同士のセックスを調べた時、唯継に負担をかけないか不安だったけど、いざ可能性が出てくると俺が上手くできるか、他の奴と比べられないかも気になってくる。童貞ゆえの器の小ささだ。笑ってくれ。
「‥唯継は、その、こういうの慣れてんの?」
「こういうのって?」
「同性と付き合ったり‥」
俺が小声で聞くと、少し照れたように唯継は微笑んだ。
「正直、僕は女性としか付き合ったことが無いんだ。ももだけなんだ。こんな気持ちになったの」
ずどん。って俺の胸に雷が落ちた。
唯継はこんなにも美形で多分相手に不自由なんてしたことないであろうに、なのに!!男でさらに平凡な俺を選ぼうとしている!!!
そういう趣味でもないのに、男同士のハードルを超えて俺に抱かれたがってるなんて、男、百介、もうこれは答えないわけにはいかないだろう!?!?それぐらい唯継の返事は俺の心を打った。
俺が童貞だなんて唯継の初めてに比べればなんてことないよな!?
俺は短い人生で一番であろう真剣な眼差しを唯継に向けると小さくうなずいた。
「わかった。俺たち付き合おう」
唯継はベンチに腰掛けたままの俺をぎゅうって抱きしめてきた。
「うれしい」
俺もしっかり唯継の背中を握り締める。
「唯継、優しくするからな‥!」
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