叔父と双子の兄二人に溺愛飼育

ミネ

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クローゼットを開け、褪せたデニムのシャツに白のパンツを着た。それからグレー地にブルーと細い赤のラインの入ったチェックのダッフルコートを羽織ると俺はキナリのコンバースを履いて家を出る。

この時間ならまだ学校も授業中だし、誰とも会わない。

地下鉄に乗って繁華街へと向かう。
ショップはどこもクリスマスで観てて楽しい。

昼を少し回った時刻の平日。一階や二階らへんはそれでも賑わっているけど、階数が上がるごとに人は少なくなる。俺は後ろからついてくる一人の男がいることに気が付かなかった。


今年は何を贈ろっかな。誕生日もあるしいいかげん贈るものも尽きてくる。去年は二人とも格闘技をはじめたからオープンフィンガーグローブをプレゼントした。あとお菓子。俺いつも考えてるうちに飽きてきて、二個目のプレゼントはお菓子にしちゃう。あとで俺も食べれるし。

二人とも就活中だから、なにかその関連のものがいいかな?ネクタイとか?凱にいちゃんはなんだろ、翻訳家って就活なにすんの?

俺はスマホを出して調べようとする。となりに人の気配を感じて少し場所をずれた。


‥‥。


隣の人がまた俺に近づいてくる。なんか鼻息が荒い。この人。

ん?

‥に、匂い嗅がれてる??

俺の首筋と頭の後ろあたりですんすんと激しい呼吸音が聞こえる。


え、どうしよう。気持ち悪い。

俺は知らんぷりして遠くの方へ移動する。ちらりと横目で見ると小柄な男の人だ。安そうな紺のコートに真っ直ぐなパンツ、厚ぼったいスニーカー。ちょっと野暮ったい普通の人に見える。


わざと距離を取ったのに、男は知らん顔しながらゆっくりこちらへ向かってくる。スマホを持つ手が少し汗ばんだ。

ちょ、ちょっとこわい。俺は持ってるスマホでにいちゃん達にすぐ電話する。着信履歴は嶺にいちゃんが一番上にあった。出ない。次に凱にいちゃん、出ない。しょうがないから五色叔父さんに電話した。

「───京?珍しいね、電話なんて‥」
「ご、五色!どうしよう、どうしよう」
俺は焦りながらも小さな声で話す。

わけを手短に話すと叔父さんの職場はここから近くにあるらしく、すぐに迎えに行くから人の多いカフェで待ってなさいと言ってくれた。俺は電話を切るとモールの一階のスタバに向かおうと来た道を振り返った。

男はすでにすぐ横に居て話しかけてきた。

「き、きみ、すごく綺麗だね?モデルとか、興味ある?」

「な、ないです」

「話だけでもどうかな?今、カフェに行くって行ってたろ?奢ってあげるから一緒にお茶でもどうだろ。俺、モデル関連の仕事をしてて」

うさんくさい!!
「い、いえ、結構です」


俺は足早に去ろうとしたが手を掴まれた。生暖かい温度が手首に広がる。

「俺、わかるんだよ。きみ、すごくエッチな匂いがする」

え、どうしよう。きもちわるい。

「───ゲイだろ?そういう子ってわかるんだよ。目がトロンとしてさ、いやらしい顔してる。お尻の穴に男の人の挿れたことあるよね?きみならたくさんお金稼げるよ。それとももうお小遣い貰ってるのかな?」

「は、離してください」

以外と力強い。こいつ。腹立つなあ、きもちわるいことばっかり言いやがって。こんなやつの腕ひとつ振り解けない自分が少し情けない。


「写真だけでもいいよ、人気出る。俺のうちにおいでよ。ネット配信とかしたことある?最初は緊張するかもしれないけど、きみならすぐ人気になるからすぐ楽しくなるよ‥!」

やや興奮気味に、にたにたと男はしゃべる。

「離せってば」

俺が強く出ると男も語気を荒くした。
「きみ、こんな時間にふらふらして、学校はどうしたの?いや、責めてるわけじゃないよ。俺は個人の自由を尊重するほうだから、いや、俺もね、昔、学校には通ってなくて、ずっと家でネットしてたんだよ。だから知識もあるし、きみみたいな子にすごく理解があるんだよ!お、大人の男に興味はある?俺、ツテがあるから色々紹介もできるよ。金持ってる奴から、絶倫の奴まで‥」

どうしよう。このままこいつに連れてかれて俺やられちゃったら‥。


嫌がる俺を変態たちが無理やり犯すの。
いやだって言っても聞いてくれなくて、口もお尻もちんこで塞がれちゃう‥。


‥‥。


スマホが自由なほうの手の中で鳴る。五色叔父さんだ。

「‥‥電話、出ていい?その、‥友達。そいつ、俺より美人だし、えっちだから今の話、乗ってくるかも‥」
とっさに嘘をつく俺。たいして間違ってない気もする。


「い、いいよ」
男は腕さえ離さなければ大丈夫かと油断しているのか、話を本当だと思っているのか電話を許す。

五色叔父さんに今いる場所を伝えると電話を切った。

「今から来るって。ここで待っててもいい?」

「いいよ‥!お、俺の方も、お、男呼んじゃおうかな?それとも最初は撮るだけにしようか?友達の写真とかないの?見せてよ」

男は空いている手で気安くお尻をさわってきた。俺は思わず屈み込んだ。うずくまった拍子に気が抜けて目頭が熱くなる。泣きそうだ。


「───京!」

コートも着てないセーターとパンツ姿の五色叔父さんが駆け足でこちらにやって来た。
長身で抜群のスタイルとその美貌。少し息を乱してて、その姿がさらに周りを魅了する。

叔父さんは男に近寄って見下ろすように圧倒した。男は完全に叔父さんの雰囲気に気圧されている。だってさっきまでにやけていた顔が一瞬にして完璧に青ざめてる。


「すいませんがうちの甥に何か?」

「い、いえ‥その‥」
男は口の中で聞こえないくらい小さい声でごにょごにょ言いながら去っていった。

「京」
五色叔父さんが俺を立ち上がらせて抱きしめる。

俺はぽろぽろと泣いた。叔父さんのせいだ。

「これでも急いで来たんだよ」

全部、全部、叔父さんのせい。

五色叔父さんに強く抱かれて俺の身体は密着する。下半身も叔父さんのちょうど太腿に当たる。俺の身体の変化に叔父さんは気づいた。

「‥京?‥‥‥‥‥京、勃ってる?」


俺はさっき、知らない男たちに輪姦される自分を想像して勃起していた。

「五色のせいで、お、おれ、ほんとに変態になっちゃった」

俺は五色叔父さんの胸で泣いた。

「ばか、ばか、きらい、‥きらい!」

「わかった、わかった。悪かったよ。責任取るから」

俺はすすり上げて顔を叔父さんの方へ向ける。
「責任‥」


「そういう趣向も好きとは知らなかった。ちゃんと京の身体、最後まで責任を持って開発してあげるよ」


五色叔父さん、本当に嫌い。
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