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大学内のオープンカフェで昼を食べ終わった後も、次の授業の時間が空いている瀧は同じように授業待ちの女の子二人に声をかけられて話していた。

ランチの時間帯には昼休みのヒューからもメッセージがあり、返していると女の子たちから彼女出来た?と、聞かれたりする。

曖昧に返しながらも「最近瀧くん付き合いわるい。彼女でしょー」などと揶揄い半分、探り半分みたいな会話をやり取りしていると、そのうち二人の会話はデートに行きたいから場所の話になった。瀧はふとヒューがスイーツ好きなのを思い出し、彼女たちにおすすめのショップはないか聞き出したりした。

何軒か教えてもらったが、瀧が気になったのはネットの口コミも評判が良く佇まいも男二人で行っても浮きにくい和風のカフェだ。緑茶も好きなヒューを誘って連れて行こうと思ったが、舌の肥えている彼に自分も味の知らない店を紹介してハズすのは避けたかった。

その店のあんみつがもう一度食べたいと一人が言い出したので話に乗り、瀧は下見にその子とその和風カフェに行くことに決めた。


大学が終わり、スマホを見るとヒューからメッセージがあり、彼も仕事が早く終わりそうだから一緒に晩ご飯をどこかで食べないか、と誘われた。

瀧もヒューも自炊がほとんど出来ない。ヒューは実家にいた頃はそれこそ家に専属の料理人がいたくらいだし、日本に来てからはほとんどが外食だ。

瀧もずっと実家暮らしだったから母親に頼りっきりで家事をほとんどしてこなかった。

ヒューのマンションに越してから自分でも作ってみようとスマホを見ながら料理に挑んでみたのだが焦げたハンバーグとダマになってしまったカルボナーラと続けて失敗してしまった。

ヒューは瀧が頑張って手作りをしてくれたことにとても喜んだが、瀧はヒューに一度ならず二度までも出来ないところを見せてしまったことで心が折れ、それからはヒューと一緒の時は外食かケータリング、ヒューの帰りが遅く彼が一人で食事を取ってくる時は、友達と手近な店へ外食に行ったり、近くのコンビニかレトルトで済ませるようになっていた。

進んで料理をすることを辞めた瀧をヒューは食事を作るのが苦手なのだと思い、二人で食事を取れる時は気遣って外食に行こうといつも誘ってくれる。

ちなみにヒューのマンションには週3回ハウスクリーニングが入り、キッチンには食洗機、今でこそ瀧が説明書をダウンロードして使い方を覚えた乾燥機付き洗濯機で下着とバスタオルは洗っているが、瀧が来るまではそれこそ下着まで宅配のクリーニングの業者に頼んでいた。

瀧もクリーニングサービスを勧められたのだが、どうしても下着をクリーニングに出すことに抵抗感があり、洗濯機の使い方を覚えた次第だ。

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