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66th 分析と休息
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襲ってきた生命体をよく観察するミシーハ博士。
少し焦げているが、エレットの目には虫のように映っている。
「これ、地上のとは違う生命体だわ。明らかに構造が違うもの」
「虫だからとかじゃなくて?」
「虫と呼ぶにも少し違うわね……虫というのは昆虫以外も指すのよ。
定義が異なるわね」
「どの辺が違うのか俺にはよくわからないな」
「一見すると硬い甲殻に覆われているように見えるけど、これは甲殻じゃないわ。
土などが固まってできたものみたい。マテリアラーズ上層部がなぜこの地を探索場所と選んだのか
少しわかったかもしれないわね……」
下唇に指をあて考える仕草をとるミシーハ博士。
細かい研究内容などに興味が無いエレットは、素材としてどうなのかが気になっていた。
「セイソー、素材としてはどうだ?」
「照合データ無しデス。上位素材となる可能性もありマス」
「フラー。もし上位素材だったら提供してもいいか?」
「いいわよ別に。少しはあたしのこと、先輩として尊敬したでしょ?」
「フラー先輩、恰好良かったです。それに綺麗な肌でした!」
「フラーは綺麗。傷一つない体は羨ましい」
「だからどこ見て言ってるのよー!」
真っ赤になるフラー。どうやら素材としてちゃんと提供してもらえるようだ。
「地上へはどうやって出ればいいんだろ。いつまでもこの場所にいられないだろ?」
「マスター。他にも素材が見つかるかもしれまセン。もう少しマッピングを続けさせて
くだサイ」
「わかった。それじゃここで少し休憩にしよう」
開けた場所に、最新式のコテージを作成してもらうと、中には湯を沸かす装置まであり
くつろぐには十分だった。
「シャワー使えるの? やったわ! あたしが一番先に使うから! 戦って汗でベトベトだったのよ」
「エレットの家にあったやつ。私も使いたい」
「えー? それじゃ一緒に入りましょうよぉ。私も汗でベタベトなんですぅ」
「俺は外で見張りしてるよ。ここじゃアラートシステムとか機能しない可能性もあるし」
「それじゃしっかり守ってねエレット。女の子四人もいて大変ねぇ」
「シロッコもいるから平気さ。な? シロッコ」
「ばう!」
シロッコと一緒にコテージの外を見渡す。
川で流された場所から少し歩いた場所なので、水の流れる音などはしない。
コテージの中は防音が施されているせいか、特に何も聞こえなかった。
「ばうー……」
「眠いのか? ごめんな、いきなりこんな過酷な任務で」
「ばう!」
「ははは。お前は元気がいいな。シロッコとはまだあまり話してないが……
シェラノールがいないとよくわからないんだよな」
シェラハ、シェラリル、シェラノールはそれぞれコテージの上部でコテージ維持に
必要なようで、現在は機能していない。
「それにしても、素材が無事集まってくれればいいが……ここで休んでもまだ時間はある。
慌てず全員分手に入れよう!」
「ばうっ!」
そうシロッコと話をしていた時、ピシリという音が聞こえた気がした。
慌てて辺りを警戒すると、岩壁部分にわずかな亀裂が入っていた。
「おいおい、崩れたりはしないよな……」
少し焦げているが、エレットの目には虫のように映っている。
「これ、地上のとは違う生命体だわ。明らかに構造が違うもの」
「虫だからとかじゃなくて?」
「虫と呼ぶにも少し違うわね……虫というのは昆虫以外も指すのよ。
定義が異なるわね」
「どの辺が違うのか俺にはよくわからないな」
「一見すると硬い甲殻に覆われているように見えるけど、これは甲殻じゃないわ。
土などが固まってできたものみたい。マテリアラーズ上層部がなぜこの地を探索場所と選んだのか
少しわかったかもしれないわね……」
下唇に指をあて考える仕草をとるミシーハ博士。
細かい研究内容などに興味が無いエレットは、素材としてどうなのかが気になっていた。
「セイソー、素材としてはどうだ?」
「照合データ無しデス。上位素材となる可能性もありマス」
「フラー。もし上位素材だったら提供してもいいか?」
「いいわよ別に。少しはあたしのこと、先輩として尊敬したでしょ?」
「フラー先輩、恰好良かったです。それに綺麗な肌でした!」
「フラーは綺麗。傷一つない体は羨ましい」
「だからどこ見て言ってるのよー!」
真っ赤になるフラー。どうやら素材としてちゃんと提供してもらえるようだ。
「地上へはどうやって出ればいいんだろ。いつまでもこの場所にいられないだろ?」
「マスター。他にも素材が見つかるかもしれまセン。もう少しマッピングを続けさせて
くだサイ」
「わかった。それじゃここで少し休憩にしよう」
開けた場所に、最新式のコテージを作成してもらうと、中には湯を沸かす装置まであり
くつろぐには十分だった。
「シャワー使えるの? やったわ! あたしが一番先に使うから! 戦って汗でベトベトだったのよ」
「エレットの家にあったやつ。私も使いたい」
「えー? それじゃ一緒に入りましょうよぉ。私も汗でベタベトなんですぅ」
「俺は外で見張りしてるよ。ここじゃアラートシステムとか機能しない可能性もあるし」
「それじゃしっかり守ってねエレット。女の子四人もいて大変ねぇ」
「シロッコもいるから平気さ。な? シロッコ」
「ばう!」
シロッコと一緒にコテージの外を見渡す。
川で流された場所から少し歩いた場所なので、水の流れる音などはしない。
コテージの中は防音が施されているせいか、特に何も聞こえなかった。
「ばうー……」
「眠いのか? ごめんな、いきなりこんな過酷な任務で」
「ばう!」
「ははは。お前は元気がいいな。シロッコとはまだあまり話してないが……
シェラノールがいないとよくわからないんだよな」
シェラハ、シェラリル、シェラノールはそれぞれコテージの上部でコテージ維持に
必要なようで、現在は機能していない。
「それにしても、素材が無事集まってくれればいいが……ここで休んでもまだ時間はある。
慌てず全員分手に入れよう!」
「ばうっ!」
そうシロッコと話をしていた時、ピシリという音が聞こえた気がした。
慌てて辺りを警戒すると、岩壁部分にわずかな亀裂が入っていた。
「おいおい、崩れたりはしないよな……」
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