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第二話
いざレオーネへ
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「みんな、自己紹介して。」
「あー、やっぱりいーわ、めんどくさい。選べないよぉ、、これ、全部ってわけにはいかないんですか?」
それを聞いた案内役(仮)は、ぽかんと口を開けて、しばらく硬直した後、あきれたように言った。
「あのねぇ、できない事は無いんだけど、あんたみたいな庶民みたいな人には関係のない事よ。一応教えてあげるけど、“貴族級”と呼ばれる階級の人しかできないのよ。まぁ、あんたみたいな、、、あれ、あんた、≪地球≫では何してたの?」
「えぇと、何って言われましても、私は父が国の王なもので、その補佐のようなことをしてましたね。」
「えぇ!??あんたが?そんなドジっ子みたいなキャラのくせに?うそ、、あんたちょっと待ちなさい、ステータスプレート作ってあげるわ。このナイフ使って、このプレートにあんたの血、垂らしてみて。」
深底驚いた様子で、ステータスプレートなるものを作ろうと促す案内役。いきなり自分の体を斬れと言われても、ナイフを扱ったこともない王女にそんなことできるわけがない。下手したら自殺してしまいそうだ。
ナイフを受け取って目をぐるんぐるん回しているリリィを見て、案内役ははぁ、とため息をついた後、
「めんどくさい子ね。本当はこんなことやりたくないのだけど。」
パチン。と指を鳴らすと、どこからかガっシャン、ガッシャンと機械?が動く音がする。リリィがあたりを見回して
いると、視界が真っ暗になり、何者かに捕まれた。
「あ、あひぁんっ、ちょっと、こちょがしいですよっやめてください!あっ//ちょっ///どこ触っ//待って、まだ心の準備がっイヤアァーー、、、」
何ともいかがわしい声にも聞こえるが、血液採取しているだけである。あくまで血液採取。
「騒がしい子ね。まぁ、血は取れたんだし。どれどれ、ステータスプレートは━━━━━━」
━━━━━━━━
Status Plate
名前:リリアーナ・ヴィーネ
レベル:1
職業:王女
職業ランク:1
得意武器:杖、弓
習得魔法:
装備品:頭 ー
胸 白いワンピース
腰 (白いワンピース)
足 裸足
武器 素手
各種ステータス
攻撃力 10
守備力 20
魔法攻撃力 1000
魔法防御力 1000
俊敏性 27
連携力 500
運 2
━━━━━━━━
「王女!?レベル1で魔法特化!?しかも1000て、、連携力もなかなか、、」
ちなみに、連携力とは魔物や妖精を使役している時の魔物、妖精との連携のしやすさのようなものだ。もちろん、高レベルの魔物、妖精になるほど、高い連携力が求められる。
「あーあ、運2かぁ、、」
そっち!?きにするとこそっち!?確かに低いけど!?と聞こえた気がするが、リリィは無視することにした。
「もういいわ。きっとあんたならもう≪レオーネ≫に送っても難なく暮らせるわ。きっと他の妖精使いとも仲良くできるわね。はやくどっかいって。」
さっきまでの余裕のある喋り方から一転。ものすごく悪い口調になった。
「えっあの、もっと聞きたいことg」
「いくわよ、《貴を飛ばさんとす》【テレポート】!」
━━━━━━━━━━━━━━
≪レオーネ≫
<始まりの町~ゼシア~>
周りの草原には初歩的なモンスターしか出現しないため、低レベル妖精使いの狩りの場となっている。また、≪レオーネ≫の中心にあるため、行商人も良く訪れる。中央を走る大通りには、商店街が立ち並び、昼夜問わず人通りの多い、賑やかな所である。そんな<ゼシア>の大通りのど真ん中に、今、静かに寝ている少女が降ってきている真っ最中なのだった。
「お、おい、あれ見ろ。何かが落ちてくるぞ!」
「ん?隕石か?何だ?・・・・!?あれ、人間じゃねぇか?しかもまだ小さな女の子だ!」
「何だって!?」
ズドーン!!と随分と大きな音を立てて地面に落ちたにもかかわらず、その少女はびくともせず、目を閉じていた。
「おーい、嬢ちゃん?大丈夫か?寝てんのか?お?」
「馬鹿か、あれだけ高いとこから落ちたんだ。無事なわけないだろ。とりあえず、ギルドに運ぼう。」
「お、おう。すまねぇ。そうしよう。」
男二人に運ばれ、ギルドのベットで寝かされている当のリリィはというと、スヤァ、スヤァ、とちいさな寝息をたてて寝ているのだった。
あくる朝。窓から差し込んだ朝日がまぶたをつつく。爽やかな風が耳元で朝を告げる。
「う、う~ん。。ここは?」
「あ、起きましたか!?大丈夫ですか??ここは、<ゼシア>の町。妖精使いさんが集まる賑やかな町です。 あ
の、失礼ながら、ステータスプレートを拝見させていただきました。まさか、王女だったなんて。。。」
「レベルを見る限り、この世界に生まれてすぐの様でしたので、ギルド手続きを済ませておきました。ここでは、妖精使いさんがあつまり、宴会をしたり、談笑したり。あるいは、クエストをしてくれる人を募集したり、そのクエストを引き受けたり。<ゼシア>には心の広い人が多いので、ほとんど何を頼んでも引き受けてくれますよ。あ、申し遅れました。私、当ギルド長の、セナっていいます。以後お見知りおきを~」
淡々と喋るセナ。テンポが速すぎるので、とても寝起きの人間に接するタイプの人ではない。しかしリリィは、割と聞き取れたようだ。
「今後ここで暮らすことになるの?」
「リリアーナ様のような方でしたら、ここから100キロメトロ先にある、“貴族級”の妖精使いが集う町、<クロン>がオススメですけど。」
「めんどうだからここでいい。」
「そうですか!そうでしたら、まだ住居が無い間はここで暮らしていただいても構いませんよ!少々狭いと感じるかもしれませんが、機能は揃えてありますので、ご自由にお使いいただいて構いませんよ。」
「そう、じゃ、お言葉に甘えて。」
「わかりました。では、失礼します。」
ここはいったいどこなんだろう。あの案内役が言うことが本当だとすれば、ここは≪レオーネ≫と呼ばれる世界の<ゼシア>という町なのだろう。とにかく、あのセナとかいう娘の話を聞く限り、最近よく見る異世界転生みたいなものだろう、とリリィは思った。この先、どう生きていこうかな・・・
そこまで頭を巡らせて、リリィは深い眠りについた。
━━━━━━━━━━━━━━
見に来てくださった人がいれば嬉しいです。
ありがとうございます。
次回作も是非見てください。
新用語解説
妖精使い・・・基本的にはそのままの意ではあるが、一般にこの世界に住んでいる人はみんなフェアリアである。つまり、妖精使い=この世界の人と考えてくださって結構です。例外もありますが、それはそのときにでも。
≪レオーネ≫・・・リリィが転生したこの世界のこと。数多くの町から成る。
メトロ・・・この世界内での長さの単位。地球で言うメートルと同じ長さ。
「あー、やっぱりいーわ、めんどくさい。選べないよぉ、、これ、全部ってわけにはいかないんですか?」
それを聞いた案内役(仮)は、ぽかんと口を開けて、しばらく硬直した後、あきれたように言った。
「あのねぇ、できない事は無いんだけど、あんたみたいな庶民みたいな人には関係のない事よ。一応教えてあげるけど、“貴族級”と呼ばれる階級の人しかできないのよ。まぁ、あんたみたいな、、、あれ、あんた、≪地球≫では何してたの?」
「えぇと、何って言われましても、私は父が国の王なもので、その補佐のようなことをしてましたね。」
「えぇ!??あんたが?そんなドジっ子みたいなキャラのくせに?うそ、、あんたちょっと待ちなさい、ステータスプレート作ってあげるわ。このナイフ使って、このプレートにあんたの血、垂らしてみて。」
深底驚いた様子で、ステータスプレートなるものを作ろうと促す案内役。いきなり自分の体を斬れと言われても、ナイフを扱ったこともない王女にそんなことできるわけがない。下手したら自殺してしまいそうだ。
ナイフを受け取って目をぐるんぐるん回しているリリィを見て、案内役ははぁ、とため息をついた後、
「めんどくさい子ね。本当はこんなことやりたくないのだけど。」
パチン。と指を鳴らすと、どこからかガっシャン、ガッシャンと機械?が動く音がする。リリィがあたりを見回して
いると、視界が真っ暗になり、何者かに捕まれた。
「あ、あひぁんっ、ちょっと、こちょがしいですよっやめてください!あっ//ちょっ///どこ触っ//待って、まだ心の準備がっイヤアァーー、、、」
何ともいかがわしい声にも聞こえるが、血液採取しているだけである。あくまで血液採取。
「騒がしい子ね。まぁ、血は取れたんだし。どれどれ、ステータスプレートは━━━━━━」
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Status Plate
名前:リリアーナ・ヴィーネ
レベル:1
職業:王女
職業ランク:1
得意武器:杖、弓
習得魔法:
装備品:頭 ー
胸 白いワンピース
腰 (白いワンピース)
足 裸足
武器 素手
各種ステータス
攻撃力 10
守備力 20
魔法攻撃力 1000
魔法防御力 1000
俊敏性 27
連携力 500
運 2
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「王女!?レベル1で魔法特化!?しかも1000て、、連携力もなかなか、、」
ちなみに、連携力とは魔物や妖精を使役している時の魔物、妖精との連携のしやすさのようなものだ。もちろん、高レベルの魔物、妖精になるほど、高い連携力が求められる。
「あーあ、運2かぁ、、」
そっち!?きにするとこそっち!?確かに低いけど!?と聞こえた気がするが、リリィは無視することにした。
「もういいわ。きっとあんたならもう≪レオーネ≫に送っても難なく暮らせるわ。きっと他の妖精使いとも仲良くできるわね。はやくどっかいって。」
さっきまでの余裕のある喋り方から一転。ものすごく悪い口調になった。
「えっあの、もっと聞きたいことg」
「いくわよ、《貴を飛ばさんとす》【テレポート】!」
━━━━━━━━━━━━━━
≪レオーネ≫
<始まりの町~ゼシア~>
周りの草原には初歩的なモンスターしか出現しないため、低レベル妖精使いの狩りの場となっている。また、≪レオーネ≫の中心にあるため、行商人も良く訪れる。中央を走る大通りには、商店街が立ち並び、昼夜問わず人通りの多い、賑やかな所である。そんな<ゼシア>の大通りのど真ん中に、今、静かに寝ている少女が降ってきている真っ最中なのだった。
「お、おい、あれ見ろ。何かが落ちてくるぞ!」
「ん?隕石か?何だ?・・・・!?あれ、人間じゃねぇか?しかもまだ小さな女の子だ!」
「何だって!?」
ズドーン!!と随分と大きな音を立てて地面に落ちたにもかかわらず、その少女はびくともせず、目を閉じていた。
「おーい、嬢ちゃん?大丈夫か?寝てんのか?お?」
「馬鹿か、あれだけ高いとこから落ちたんだ。無事なわけないだろ。とりあえず、ギルドに運ぼう。」
「お、おう。すまねぇ。そうしよう。」
男二人に運ばれ、ギルドのベットで寝かされている当のリリィはというと、スヤァ、スヤァ、とちいさな寝息をたてて寝ているのだった。
あくる朝。窓から差し込んだ朝日がまぶたをつつく。爽やかな風が耳元で朝を告げる。
「う、う~ん。。ここは?」
「あ、起きましたか!?大丈夫ですか??ここは、<ゼシア>の町。妖精使いさんが集まる賑やかな町です。 あ
の、失礼ながら、ステータスプレートを拝見させていただきました。まさか、王女だったなんて。。。」
「レベルを見る限り、この世界に生まれてすぐの様でしたので、ギルド手続きを済ませておきました。ここでは、妖精使いさんがあつまり、宴会をしたり、談笑したり。あるいは、クエストをしてくれる人を募集したり、そのクエストを引き受けたり。<ゼシア>には心の広い人が多いので、ほとんど何を頼んでも引き受けてくれますよ。あ、申し遅れました。私、当ギルド長の、セナっていいます。以後お見知りおきを~」
淡々と喋るセナ。テンポが速すぎるので、とても寝起きの人間に接するタイプの人ではない。しかしリリィは、割と聞き取れたようだ。
「今後ここで暮らすことになるの?」
「リリアーナ様のような方でしたら、ここから100キロメトロ先にある、“貴族級”の妖精使いが集う町、<クロン>がオススメですけど。」
「めんどうだからここでいい。」
「そうですか!そうでしたら、まだ住居が無い間はここで暮らしていただいても構いませんよ!少々狭いと感じるかもしれませんが、機能は揃えてありますので、ご自由にお使いいただいて構いませんよ。」
「そう、じゃ、お言葉に甘えて。」
「わかりました。では、失礼します。」
ここはいったいどこなんだろう。あの案内役が言うことが本当だとすれば、ここは≪レオーネ≫と呼ばれる世界の<ゼシア>という町なのだろう。とにかく、あのセナとかいう娘の話を聞く限り、最近よく見る異世界転生みたいなものだろう、とリリィは思った。この先、どう生きていこうかな・・・
そこまで頭を巡らせて、リリィは深い眠りについた。
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見に来てくださった人がいれば嬉しいです。
ありがとうございます。
次回作も是非見てください。
新用語解説
妖精使い・・・基本的にはそのままの意ではあるが、一般にこの世界に住んでいる人はみんなフェアリアである。つまり、妖精使い=この世界の人と考えてくださって結構です。例外もありますが、それはそのときにでも。
≪レオーネ≫・・・リリィが転生したこの世界のこと。数多くの町から成る。
メトロ・・・この世界内での長さの単位。地球で言うメートルと同じ長さ。
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