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第二話
<ゼシア>にて
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地平線から出てきた太陽がレオーネを照らす。
<ゼシア>はまわりの町よりも標高が低い所に位置し、山に囲まれているため、比較的風が弱い地域である。
地球で言うところの盆地のような場所だ。
しかし、そんな<ゼシア>でも一日に一度だけ強い風が吹く。
朝である。何故朝に風が起こるのかは証明されていないが、毎日太陽が地平線から出てきたとほぼ同時に風が吹く。
人呼んで目覚めの風。その名の通り、多くの人々はこの風を受けて目を覚ます。そのため、窓を開けたまま寝るのが<ゼシア>では一般的とされている。
リリィもこの風の心地よさに目を覚ました。
実に気持ちの良い朝である。━━━━━
ビィイィイイイイッッ
「緊急集合命令発令、緊急集合命令発令。<ゼシア>内の妖精使いは今すぐギルド内、2階ロビーへお越しください。繰り返します。緊急集合━━━━」
「ほゎぅえ!?え?何?なんて言った?きんきゅうしゅうごうめいれい?とりあえず、2階ロビーへ行けばいいのかな。・・・2階ロビーってどこだろ・・・?」
突然の緊急集合命令。これは、平和な<ゼシア>ではとても稀な命令で、一生に聞くか聞かないかというほどだという。そんな命令が今発令されて、人々は大パニックである。とりあえず、部屋を出て周りの人と一緒に行くことにする。部屋の外は、それはもう人の波だった。いや、人の洪水と言ったほうが良いのだろうか。老若男女問わず、慌てふためいて2階ロビーがあるのだと思われる所へ向かう。
「えっと、私も、妖精使いだよね?付いてけばいいのかな?どうやってこの人ごみに入ろう、、」
「君も来なよ!」
「え!?ムギュゥッ」
何者かに手を引かれ、人ごみのなかに引きづり込まれるリリィ。圧力がすごい。満員電車なんてくらべものにならないかもしれない。まだレベルが低いリリィなら軽く骨を折りそうだ。
そんなこんなで、二階ロビーについた。
「セナです。えー、みなさん。今日みなさんを呼んだのは、他でもありません。千年に一度目覚めるといわれている千年亀が目を覚ましました。この亀は、防御力がアホみたいに高いです!さらに亀のくせに移動も早いんです!もう私も自分で言ってて意味が分かりません!」
焦っているのだろう。いつもは落ち着いてしゃべっている彼女とは一変、ものすごい形相で早口で説明をしている。早口であるにも関わらず、噛まないのはさすがギルド員といったところだろう。
「とにかく、この町に攻めてくるのも時間の問題です。あと3日といったところでしょう。それまでに、鍛えるなり、体を休めるなり、自由ですが、3日後にはこの町を守るために戦うようご協力よろしくお願いします。以上です。解散してください。」
「あ!!さっきの! いやぁ、災難だよな。どーするよ。嬢ちゃん。」
ギルド員のいうことを聞き逃さないようにと必死にメモをとるリリィに、一人の男性が後ろから抱きつくような勢いで迫り、声をかけてきた。
「ほえ?!私?あ!さっき私の手を引いてここまで連れてきてくれた人だ!あの、さっきはどうも」
「あぁ、いいってことよ。あれ、嬢ちゃんの顔、どこかで━━━?」
恥ずかしい。よりにもよって自分に優しくしてくれて、かつ少しかっこいいって思ってしまった男性に自分が空から降ってきたなんて言われたらたまったもんじゃない。
「あ!あれだ、君、隣町のサキュバス店の看板娘だn」
「きゃぁああああああ」
バシーンッと良い音を立てて宙を舞い、5,6回転した後、地面に倒れ伏した。
「心配して損した」
━━━━━━━━━━━━
見ていただきありがとうございます!
1500文字を目安にしているので、毎回これぐらいの短さでやっていきます。
投稿も不定期なので、見ている方がおられたら申し訳ありませんが、たまにのぞいて、新作がでていたら読んでやる、ぐらいの考えで大丈夫です(笑)
新用語解説
千年亀・・・千年に一度目を覚ますといわれている体長50メトラはある巨亀。甲羅はダイヤモンドのように硬く、並大抵の攻撃じゃびくともしない。顔、手、足など、露出している部分に攻撃をするとダメージは与えられるが、そもそも体力が桁違いに多いので、妖精使いには嫌われている。
<ゼシア>はまわりの町よりも標高が低い所に位置し、山に囲まれているため、比較的風が弱い地域である。
地球で言うところの盆地のような場所だ。
しかし、そんな<ゼシア>でも一日に一度だけ強い風が吹く。
朝である。何故朝に風が起こるのかは証明されていないが、毎日太陽が地平線から出てきたとほぼ同時に風が吹く。
人呼んで目覚めの風。その名の通り、多くの人々はこの風を受けて目を覚ます。そのため、窓を開けたまま寝るのが<ゼシア>では一般的とされている。
リリィもこの風の心地よさに目を覚ました。
実に気持ちの良い朝である。━━━━━
ビィイィイイイイッッ
「緊急集合命令発令、緊急集合命令発令。<ゼシア>内の妖精使いは今すぐギルド内、2階ロビーへお越しください。繰り返します。緊急集合━━━━」
「ほゎぅえ!?え?何?なんて言った?きんきゅうしゅうごうめいれい?とりあえず、2階ロビーへ行けばいいのかな。・・・2階ロビーってどこだろ・・・?」
突然の緊急集合命令。これは、平和な<ゼシア>ではとても稀な命令で、一生に聞くか聞かないかというほどだという。そんな命令が今発令されて、人々は大パニックである。とりあえず、部屋を出て周りの人と一緒に行くことにする。部屋の外は、それはもう人の波だった。いや、人の洪水と言ったほうが良いのだろうか。老若男女問わず、慌てふためいて2階ロビーがあるのだと思われる所へ向かう。
「えっと、私も、妖精使いだよね?付いてけばいいのかな?どうやってこの人ごみに入ろう、、」
「君も来なよ!」
「え!?ムギュゥッ」
何者かに手を引かれ、人ごみのなかに引きづり込まれるリリィ。圧力がすごい。満員電車なんてくらべものにならないかもしれない。まだレベルが低いリリィなら軽く骨を折りそうだ。
そんなこんなで、二階ロビーについた。
「セナです。えー、みなさん。今日みなさんを呼んだのは、他でもありません。千年に一度目覚めるといわれている千年亀が目を覚ましました。この亀は、防御力がアホみたいに高いです!さらに亀のくせに移動も早いんです!もう私も自分で言ってて意味が分かりません!」
焦っているのだろう。いつもは落ち着いてしゃべっている彼女とは一変、ものすごい形相で早口で説明をしている。早口であるにも関わらず、噛まないのはさすがギルド員といったところだろう。
「とにかく、この町に攻めてくるのも時間の問題です。あと3日といったところでしょう。それまでに、鍛えるなり、体を休めるなり、自由ですが、3日後にはこの町を守るために戦うようご協力よろしくお願いします。以上です。解散してください。」
「あ!!さっきの! いやぁ、災難だよな。どーするよ。嬢ちゃん。」
ギルド員のいうことを聞き逃さないようにと必死にメモをとるリリィに、一人の男性が後ろから抱きつくような勢いで迫り、声をかけてきた。
「ほえ?!私?あ!さっき私の手を引いてここまで連れてきてくれた人だ!あの、さっきはどうも」
「あぁ、いいってことよ。あれ、嬢ちゃんの顔、どこかで━━━?」
恥ずかしい。よりにもよって自分に優しくしてくれて、かつ少しかっこいいって思ってしまった男性に自分が空から降ってきたなんて言われたらたまったもんじゃない。
「あ!あれだ、君、隣町のサキュバス店の看板娘だn」
「きゃぁああああああ」
バシーンッと良い音を立てて宙を舞い、5,6回転した後、地面に倒れ伏した。
「心配して損した」
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見ていただきありがとうございます!
1500文字を目安にしているので、毎回これぐらいの短さでやっていきます。
投稿も不定期なので、見ている方がおられたら申し訳ありませんが、たまにのぞいて、新作がでていたら読んでやる、ぐらいの考えで大丈夫です(笑)
新用語解説
千年亀・・・千年に一度目を覚ますといわれている体長50メトラはある巨亀。甲羅はダイヤモンドのように硬く、並大抵の攻撃じゃびくともしない。顔、手、足など、露出している部分に攻撃をするとダメージは与えられるが、そもそも体力が桁違いに多いので、妖精使いには嫌われている。
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