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第2章 旅立ち
8 すれちがい-2-
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「ピッ、ピッ(服はどこだ)」
孤児院の近くの森の中に入り、木の枝に止まると脱ぎ捨てた服を探す。木影から服らしき物を見つけ飛んで行くとその場所にはリラジが服を持って立っていた。
「ガルダナ、こっちだ!」
俺はリラジの元へ飛び降りと、鳥から人の姿に戻る。
「リラジどうしてここに?」
「おまえを追いかけたら海へ飛んで行ったり、待っていたら港町を戻ってきただろう、ようやく追いついたと思えば孤児院に飛んで行くからさぁ~、心配したんだぞ!」
「心配?」
「大好きな姫さんにキツイ一言で傷ついたんだろ」
「ムッ!!」
「しかし、ガルダナのおかげでこんな光景を拝めるとはな、夕刻から子供に剣を持たすなんて正気の沙汰じゃない」
「俺が敵の城で見た男達は皆、銀髪で翠色の瞳を持っていた…」
俺が話すとリラジはそうかと頷く。
「海へ出た時に北からの船を見つけたんだ、船員の銀髪の男達が黒に髪を染め上げ、入国していた」
「なんだと?!わざわざ髪を染め上げてるんだ?まさか敵国の者が潜伏するために身を隠しているのか…」
俺が前世で城に舞い戻った時、この国の騎士達は殺され、銀髪の兵士が占領していたことを思い出す。
「どうしてわざわざ黒髪に染めるんだ?銀髪のままじゃ駄目なのか?」
リラジは自分の髪を眺めながら考えこんでいた。
「この国では銀髪は目立つんだろう。もしかすると相当な数の北の奴等がいるかもしれないぜ、リラジ」
「あり得るな、ガルダナ、我々を油断させ水面下で計画しているのか…」
リラジは顎髭に手をやりながら深刻な表情で考え込む。
「酒場で若い男が金目当てで傭兵になる為に北の国へ行くと話していたぞ」
「なんだと?!国民は我が国から出ることは許されてないぞ?!」
リラジは頭を抱えながら、
「戦力の若者を外部に出す作戦なのか……
敵からの襲撃は時期を覚えているか?」
「確か後4、5回冬の季節が巡っていたような」
「4、5年後に占領されるかもしれないのか、クソッ」
リラジは人間の姿に戻った俺に服を着せると家に帰るように言った。
「なんでだよ、この話をナディアにしなければ?!」
「孤児院での騒動で周りがうるさいんだ、なにせ子供に手をあげようとしたんだぞ」
「あれは!!」
「落ちつけ!自身の家臣を制することも出来ないとなるとナディア様の威厳に関わる」
「ウッッ!」
「隊長からはナディア様の側使えの任を外すよう命じらた。ガルダナ、おまえも少し頭を冷やせ」
「どうしてだよ!!俺じゃないとナディアを守れない!!」
「おまえが暴れてもおまえの存在を敵に知らせるだけだ、俺達は敵の存在すらしらないんだぞ、まずは敵について知ることが重要だ」
「敵を知る…」
リラジは少し考えこむと顔を上げた。
「ガルダナ……リリーに旅支度をするように伝えてくれ、俺は城に戻り、このことを説明しに行く」
「わかったよ…」
俺はリラジが何か考えがあるのだと悟ると渋々、リリーがいる家に戻ることにした。
孤児院の近くの森の中に入り、木の枝に止まると脱ぎ捨てた服を探す。木影から服らしき物を見つけ飛んで行くとその場所にはリラジが服を持って立っていた。
「ガルダナ、こっちだ!」
俺はリラジの元へ飛び降りと、鳥から人の姿に戻る。
「リラジどうしてここに?」
「おまえを追いかけたら海へ飛んで行ったり、待っていたら港町を戻ってきただろう、ようやく追いついたと思えば孤児院に飛んで行くからさぁ~、心配したんだぞ!」
「心配?」
「大好きな姫さんにキツイ一言で傷ついたんだろ」
「ムッ!!」
「しかし、ガルダナのおかげでこんな光景を拝めるとはな、夕刻から子供に剣を持たすなんて正気の沙汰じゃない」
「俺が敵の城で見た男達は皆、銀髪で翠色の瞳を持っていた…」
俺が話すとリラジはそうかと頷く。
「海へ出た時に北からの船を見つけたんだ、船員の銀髪の男達が黒に髪を染め上げ、入国していた」
「なんだと?!わざわざ髪を染め上げてるんだ?まさか敵国の者が潜伏するために身を隠しているのか…」
俺が前世で城に舞い戻った時、この国の騎士達は殺され、銀髪の兵士が占領していたことを思い出す。
「どうしてわざわざ黒髪に染めるんだ?銀髪のままじゃ駄目なのか?」
リラジは自分の髪を眺めながら考えこんでいた。
「この国では銀髪は目立つんだろう。もしかすると相当な数の北の奴等がいるかもしれないぜ、リラジ」
「あり得るな、ガルダナ、我々を油断させ水面下で計画しているのか…」
リラジは顎髭に手をやりながら深刻な表情で考え込む。
「酒場で若い男が金目当てで傭兵になる為に北の国へ行くと話していたぞ」
「なんだと?!国民は我が国から出ることは許されてないぞ?!」
リラジは頭を抱えながら、
「戦力の若者を外部に出す作戦なのか……
敵からの襲撃は時期を覚えているか?」
「確か後4、5回冬の季節が巡っていたような」
「4、5年後に占領されるかもしれないのか、クソッ」
リラジは人間の姿に戻った俺に服を着せると家に帰るように言った。
「なんでだよ、この話をナディアにしなければ?!」
「孤児院での騒動で周りがうるさいんだ、なにせ子供に手をあげようとしたんだぞ」
「あれは!!」
「落ちつけ!自身の家臣を制することも出来ないとなるとナディア様の威厳に関わる」
「ウッッ!」
「隊長からはナディア様の側使えの任を外すよう命じらた。ガルダナ、おまえも少し頭を冷やせ」
「どうしてだよ!!俺じゃないとナディアを守れない!!」
「おまえが暴れてもおまえの存在を敵に知らせるだけだ、俺達は敵の存在すらしらないんだぞ、まずは敵について知ることが重要だ」
「敵を知る…」
リラジは少し考えこむと顔を上げた。
「ガルダナ……リリーに旅支度をするように伝えてくれ、俺は城に戻り、このことを説明しに行く」
「わかったよ…」
俺はリラジが何か考えがあるのだと悟ると渋々、リリーがいる家に戻ることにした。
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