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第2章 旅立ち
9 すれちがい -3-
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ザザー、ザブーン
船は帆を広げ、早朝の静かな海を進んでいた。セレース王国から抜け出すようにひっそりと出航すると陸地から離れていく。太陽がゆっくり登り、空が徐々に明るくなると遠くの町や城の姿が見えて来た。乗船した男達は甲板に立ち、離れていく祖国の姿を何とも言えない思いで見つめ、哀愁漂わせていた。男達は家族や愛する人に思いを馳せながら、セレース王国の姿を見つめているのだろう。
その男達の中にがっしりとした身体つきで旅装束に身を包んだ男2人が離れていくセレース王国をじっと眺めている。
「リラジ、」
「おい、リラジじゃないだろうが…」
「あ、あ、親父…思い切ったことを考えたな」
「仕方ないだろ」
「別れが辛くてリリー、いや母さんチュッ、チュッてキスしてたから今、すごく寂しいだろう~」
「おまえ?!見てたのか??」
「よく言うよ、お構いもせずにいつだって俺の目のまえでしてたじゃないか!!」
「そうだったか??夫婦仲良しなのはいいことだ」
リラジは腕を組みながらドヤ顔でガルダナを見る。
リラジは王に報告を入れるや、北の国への偵察を申し出たのだ。翌朝出航する北の国への船があることを知ると2人は傭兵希望として潜伏するのに成功したのだ。
「おまえこそ、よかったのか…」
「もちろんだ、さっさと俺が片を付けたら絶対、ナディアは俺のこと惚れ直し、仲直りできる!!」
「バカっ!!おまえ、声でかい」
リラジは慌てて、ガルダナの口を塞ぐと、「わかってるって」とガルダナはリラジの手を引き離した。
「だから、早く解決して帰ろな、親父!」
「そうだな、息子よ」
2人は笑い合うと再び遠くに去っていくセレース王国の姿を目に焼き付けるように眺め続けたのだ。
船は帆を広げ、早朝の静かな海を進んでいた。セレース王国から抜け出すようにひっそりと出航すると陸地から離れていく。太陽がゆっくり登り、空が徐々に明るくなると遠くの町や城の姿が見えて来た。乗船した男達は甲板に立ち、離れていく祖国の姿を何とも言えない思いで見つめ、哀愁漂わせていた。男達は家族や愛する人に思いを馳せながら、セレース王国の姿を見つめているのだろう。
その男達の中にがっしりとした身体つきで旅装束に身を包んだ男2人が離れていくセレース王国をじっと眺めている。
「リラジ、」
「おい、リラジじゃないだろうが…」
「あ、あ、親父…思い切ったことを考えたな」
「仕方ないだろ」
「別れが辛くてリリー、いや母さんチュッ、チュッてキスしてたから今、すごく寂しいだろう~」
「おまえ?!見てたのか??」
「よく言うよ、お構いもせずにいつだって俺の目のまえでしてたじゃないか!!」
「そうだったか??夫婦仲良しなのはいいことだ」
リラジは腕を組みながらドヤ顔でガルダナを見る。
リラジは王に報告を入れるや、北の国への偵察を申し出たのだ。翌朝出航する北の国への船があることを知ると2人は傭兵希望として潜伏するのに成功したのだ。
「おまえこそ、よかったのか…」
「もちろんだ、さっさと俺が片を付けたら絶対、ナディアは俺のこと惚れ直し、仲直りできる!!」
「バカっ!!おまえ、声でかい」
リラジは慌てて、ガルダナの口を塞ぐと、「わかってるって」とガルダナはリラジの手を引き離した。
「だから、早く解決して帰ろな、親父!」
「そうだな、息子よ」
2人は笑い合うと再び遠くに去っていくセレース王国の姿を目に焼き付けるように眺め続けたのだ。
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