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第10章 恋の波乱を巻き起こすデビュタント

幕間 アデルの結婚披露パーティーで

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 ルマンドとのひと騒動後、リーラは結婚披露パーティーに戻ると花嫁のエミリーに手招きされ、女子の集まりへと加わって行く。
 時間を空けて、ルディやラディリアスなど第六番隊の面々が会場に戻って来た。
アデルは戻って来たルディに気づき、
「おい、ルディ。何かあったのか?」

「ごめん、主賓の君に気づかれないように出たつもりだったんだけど…」

「ルマンドか…」

「そんなところ…」
アデルの横の席に腰掛けると、ルディは残っている料理に手をつけ始めた。

「あいつ行動に移したのか?」

「撃沈したけどね」

「嘘だろう?!リーラはルマンドのこと好きだったのに、振ったんだ…」

「いつの話してるのさ」

「2年経ったのか…ルマンドも馬鹿だよな、領に戻らす帝都に残っていたら二人の関係も違っただろうに…」

「そうかもね……卒業式にサザリーがリーラを傷つけたことや婚約についても対処していたら違う未来があったかな…」

「そうかもな」

「で、お前はいいのか?」
アデルはルディを探るかのようにじっと見つけるとルディは顔色も変えず、
「何を言ってるだよ」
と戯けた様に笑う。

「まぁ、いいさ。おまえが後悔しなければ」

「……」

ーー後悔なんてするわけない
  アデル、君は知らないけれど
  彼女は僕達とは違んだ

  彼女は主となるべき人、
  そう…
  僕には手が届かない…

ルディは友人として心配してくれたアデルに感謝をしつつ、決して開くことのない自身の想いにしっかりと鍵を閉めた。


「ところで、結構飲まされたみたいだけど、この後大丈夫なの?」
いつも通りに戯けながらアデルを茶化すルディ。
「そうなんだよ~いや、マジ、やばい。実はかなり眠い」

「大丈夫なの?初夜どうするの」

「うーん、だよな~全くあのクソパウロとエドモンドのやろうが~~」

「酒豪の上司がいる隊も大変だね」

「そうなんだ!仕事が終われば必ず飲みに付き合わされるし、あーー違う隊に行きたいーー」
とアデルは泣き叫んでいたところを偶然、後ろにいたパウロに聞かれてしまう。

「おい、聞き捨てなれねぇこと聞こえたぞ」
とアデルの後ろからパウロが現れた。
「うわっ、小隊長…」

「アデル、おまえには教育が必要だな、さぁ、来い」

「勘弁して下さいよーーーー」
とアデルはパウロ小隊長に襟ぐりを掴まれ、ズルズルと3番隊の群がりへと連れさられた。

ルディは手をヒラヒラと振りながら、アデルを見送ると、
「3番隊じゃなくて良かった」
とホッと胸を撫で下ろした。

こうしてアデルの結婚祝いは夜遅くまで続き、皆、思い思いに楽しんだのだ。



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