元アサシンだった私は転生先で宰相様を護衛する

星川夜十

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第1章_出会い

01:元アサシンは異世界で天使に会う

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[…て、お…きて、…ぇ、おきて。…]


何か聞こえる。…でも、あと5分…

すると声をかけてきた何かが焦る気配がした。
次いで風の塊のようなものが髪を撫でる感触があり、ゆっくり目を開けた。

………うん、さっきと同じ大きな樹が見える。
白昼夢か幻、もしくは自分の頭が狂った可能性も考えていたが。

先程と全く同じ景色が眼前に広がっている。
変わったのは自分の熱が悪化したぐらいか。

でも、まぁ、これが幻だとしても、暗くドブ臭い路地よりはよっぽどましだ。
なんならこの幻の中で死ねるなら、いくらかまともな最後だろう。なんか死にぞこなっている感じがするけども。
……


朦朧とした思考の中、再度目を閉じようとした時、また髪を何かが掠める。
目だけでその感覚をたどると、緑の光が目の端を横切ったように見えた。

何かがいるようだが、
…害意を感じないので、ポワポワとした緑の光をただ見るだけにとどめていると、それが瞬きの一瞬で消え、今度は目の前に形あるものとして姿を現した。
それは、手のひらサイズの小さな女の子。

咄嗟の事にどう反応すれば良いのか分からず、固まってしまった。
しばらくただじーっと見ていたら、小さな女の子が頭をコテンと傾げた。

……キュンっ…

その瞬間、私の胸中は萌えまくった。(表情も目線も全く変わらないが)

“…やばい、あざとかわいい。
天使、ここに緑色の天使がいる!
新緑を思わせるライトグリーンのふわふわロングヘアに、エメラルドのようなクリッとした瞳。
そして薄絹を重ねたようなシンプルな深緑のドレスが風を纏うようにヒラヒラと揺れて浮いてる。
、、浮いてる?飛んでる?
、、まぁいっか、可愛いから。
これが幻像でも、私の狂った想像でもいい!
いやむしろ想像なら良く産み出した、私の脳!”

そんなことをつらつらと考えていたら、熱がまた上がったのか、意識を保つのが辛くなってきて、自然と目が閉じそうになる。
というか閉じた。もう思い残すことはない!

[まって、めをあけて!おきてー!!]

幼子のような声に応えようと重い瞼を持ち上げる。
目線を女の子に戻すと女の子はそわそわと落ち着かない表情をしていた。

ッカワ!流石に無視するのはやめるか。…
「何か用でもあるのかな?」

[うん、そうよ!]
話しかけると、女の子はニッコリ笑いながら返事をしてくれた。

…かわいい、マジ天使。
「そっか。…何の話があるの?」

問いかけると、女の子は慌てて話しだした。
[っあ、そう、そうだよ!あのね、コワイのがくるから、木のうえに逃げたほうがいいよ!だってね、コワイのはくろくてでっかくてね、でっかいの!]

あ、でかい2回言った。
「…それは、、早く木の上に逃げないといけないね。」

女の子は、早く早くと急かすように目の前を行ったり来たりしている。

しかし、どうしたものか。
多少動けはするだろうが、熱でだるく、まだ治りきっていないこの傷で大木を登れるだろうか…。
傷が開くのを覚悟すればなんとかなるか?…


どうやって登ろうか、考えているときだった。
森の奥から、草木が倒させる音が響いてきた。
その音は段々と大きくなり、こちらに近づいてくるのがわかる。
そして、視界の奥にある若木を倒す音が、その禍々しい気配の到来を告げた。







____
主人公、実は可愛いもの好きです。
訓練のおかげ、というか訓練のせいで表情に出ませんが、脳内では感情がフィーバーしてます。

そして、話短くすいません。自分でも短いなーと思ってますが、一先ず話進めます。どこかで編集し直すかもしれないです。

※次の話は少しグロ表現入れるつもりなので、苦手な方は飛ばしてください。
※宰相さまとの出会いはもう少し先ですので、しばしお待ちください。
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