追放される前に、迷宮を支配しました ~聖女は王国を見限る~

鍛高譚

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6話:ダンジョンの探索と能力の覚醒

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6話:ダンジョンの探索と能力の覚醒


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 奈落の迷宮の第五層へと足を踏み入れたサラとケルベロス。

 天井は高く、壁には古びた魔法陣が刻まれている。燭台に灯る紫の炎が揺らめき、不吉な影を作り出していた。

 サラはそんな光景を見渡しながら、ふと口元に笑みを浮かべる。

 「ここには、どんな魔物がいるのかしら?」

 彼女の問いに、ケルベロスはゆっくりと頭をもたげた。

 「主よ、ここには"影の番人"と呼ばれる存在がいる。かつて我が力にも屈さなかった魔物たち……」

 「へえ……それは楽しみね」

 サラは意気揚々とした様子で歩みを進める。

 ケルベロスが"屈しなかった"ということは、それなりに強力な存在なのだろう。

 彼女の手に入れた新しい力を試すには、ちょうどいい相手だ。


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影の番人との対峙

 しばらく進むと、広々とした空間に出た。

 そこには、まるで戦場跡のように無数の剣が地面に突き立てられていた。

 サラは足元の剣をひとつ拾い上げる。

 「これは……ただの武器じゃないわね」

 剣には黒い瘴気がまとわりついており、不気味な魔力を発していた。

 「これは、かつての戦士たちの亡霊が宿る剣……」

 ケルベロスが低く唸る。

 その言葉と同時に、辺りの剣がひとりでに浮かび上がり、闇の中から鎧を纏った影の騎士たちが姿を現した。

 彼らの瞳は赤く光り、静かにサラを見つめる。

 「我らの領域へ、何者が踏み入る……?」

 低く響く声が、広間全体に轟く。

 サラは悠然と微笑みながら、杖を軽く振るった。

 「私はこの迷宮の新しい主。あなたたちは、私に従うべき存在よ」

 影の騎士たちはしばらく沈黙していたが、やがて嘲笑するようにかすかに肩を揺らした。

 「何を……寝言を……!」

 次の瞬間、影の騎士の一人が巨大な剣を振り下ろしてきた。

 ——ガキィンッ!!

 しかし、その刃はサラの目前で弾かれた。

 「……!?」

 騎士たちが驚愕する。

 サラの周囲には、薄い光の膜が広がっていた。

 「ふふ……そんな攻撃じゃ、私には届かないわよ?」

 サラが軽く指を弾くと、その衝撃だけで影の騎士は数メートル吹き飛ばされた。

 「……馬鹿な!」

 騎士たちは驚愕するが、サラは何の気負いもなく杖を軽く回す。

 「じゃあ、少しお仕置きしましょうか?」

 彼女が静かに呪文を唱えると、地面から光の鎖が飛び出し、影の騎士たちの動きを封じた。

 「ぐ、ぐああ……っ!」

 影の騎士たちはもがくが、鎖はびくともしない。

 サラはゆっくりと彼らの前に歩み寄り、静かに微笑む。

 「さあ、私のものになりなさい」

 その言葉に、影の騎士たちの瞳が一瞬揺れる。

 「くっ……」

 彼らはしばらく葛藤していたが、やがて一人が剣を地面に突き立て、静かに膝をついた。

 「……我らは、新たなる主に仕える……」

 その言葉に続き、他の騎士たちも次々と跪いた。

 「よしよし。これで、あなたたちは私のものね」

 サラは満足げに微笑み、ケルベロスを振り返る。

 「どう? あなたが屈服させられなかった相手も、私には簡単に手なずけられたわ」

 ケルベロスは少し不機嫌そうに唸った。

 「……主よ、貴様は魔族か何かではないのか?」

 「ふふ、それはどうかしら?」

 サラはただ、楽しそうに笑った。


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迷宮の完全支配

 影の騎士団を従えたことで、サラの力はさらに増した。

 もはや、彼女を止めるものは何もない。

 「さて、そろそろ準備を始めるとしましょうか」

 サラは杖を掲げ、迷宮全体に自らの魔力を流し込んだ。

 すると、壁や床に刻まれていた古代文字が青白く輝き始める。

 「ふふ……もう、この迷宮は私のものよ」

 彼女の声が響くと、迷宮全体が静かに震えた。

 ケルベロスや影の騎士たちも、その圧倒的な支配力にただ息を呑んでいた。

 「……主よ」

 ケルベロスが静かに呟く。

 「次は、どうするつもりだ?」

 サラはゆっくりと彼を見つめ、優雅に微笑んだ。

 「決まっているでしょう?」

 彼女の目が、冷たく輝く。

 「復讐よ」

 その言葉とともに、迷宮の魔物たちが一斉に吠えた。

 ——ここから、彼女の逆襲が始まる。
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