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15話
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リディアの焦りと、ざまあの予感
ジル様との会話を終え、伯爵家に戻った私。静かな部屋で一人になると、疲労がどっと押し寄せ、ベッドに倒れ込みたい衝動に駆られた。
しかし、そこに侍女頭のリコが駆け込んできて言う。
「お嬢様、外にリディア・シュヴァルツ様がお見えになっています。ご訪問の目的は……まだお知らせいただけませんが、どうやらお話があるようで……」
「リディア様が、私を……? 珍しいわね」
嫌な予感しかしない。リディアがわざわざ伯爵家まで押しかけてくるなど、ただ事ではないだろう。何か私に言いたいことがあるのか、それとももう一度恥をかかせる策でも持ち込んだのか――。
落ち着きのない気持ちを抑えながら、私は応接室へ向かった。扉を開けると、リディアは濃い緋色のドレス姿で椅子に腰掛け、居丈高な態度を崩さない。
私が礼を述べても、さも退屈そうに鼻を鳴らすだけだ。
「ふん、ずいぶんと遅かったのね。私がわざわざ訪問して差し上げたのに」
「お待たせして申し訳ございません。……それで、本日はどのようなご用件でしょうか?」
私が椅子に座り、リディアを正面から見る。彼女は口角を上げ、まるで挑発するかのように笑った。
「大した用件なんてないわよ。ただ……あなたとジル様の“白い結婚”が、どうやら揺らぎ始めていると耳にしたものだから、様子を見に来ただけ」
「……揺らぎ、ですか?」
「そうよ。ジル様はあなたに心惹かれ始めているのではないかしら? まあ、私に言わせれば、今さら滑稽な話だけれど」
リディアは嘲笑を含んだ口調で続ける。
「あなたも気づいているでしょ? ジル様は“形だけ”の結婚にするつもりが、あなたの存在に少しずつ興味を持ち始めた。……私には、それが我慢ならないの」
「私こそ、困っているのです。リディア様に恨まれるようなことをするつもりはありません」
「あら、じゃああなた、ジル様を引き留める気はないのね? 彼は今、『リディアを切り捨てることはできないけれど、レラともっと深い仲になりたい』などと言い始めているのよ。……私からすれば最低最悪よ。あなたのせいでジル様が……」
リディアの瞳は嫉妬と怒りに燃えている。彼女からすれば、私が“中途半端に距離を取りながらもジル様に好意を抱かせている”と映っているのだろう。
私は小さくため息をつき、きっぱりと告げる。
「勘違いしないでください。私はジル様と深い仲になりたいなどと思っておりません。むしろ困惑しているのですわ。ですから、ジル様の気持ちがどこへ向かおうと、私には関係ありません。私は白い結婚のままで構わないと思っております」
「本当に? ならばはっきりと言いなさいよ。あなたこそジル様を振り払えばいいじゃない。婚約者だからって縛られる必要なんてないでしょう?」
「……私には家の事情があります。婚約をなかったことにする権限などないのです」
リディアが私を睨む。
――そう、私はジル様を追い払う気はないし、婚約を放棄するわけにもいかない。でも、彼に近づく気もない。中途半端な状態を望んでいるわけではないが、結果的にそうなってしまう。
するとリディアが苦々しく口を開く。
「……やっぱり嫌ね。あなたみたいに煮え切らない態度を取られると、余計にジル様の気持ちが揺れるじゃない。私ならまだしも、あなたは愛人がいるわけでもなく、ただの地味な女なんだから、黙ってそこにいればいいのに」
「ですから、私は黙っているつもりです。それを妨げているのはリディア様のほうでは……?」
「っ……!」
リディアの顔が怒りに染まる。その勢いのまま、彼女は立ち上がり、私の方へと詰め寄ってきた。
「あなた――私を馬鹿にしているのね? なるほど、最近はディオン殿下まであなたに興味を示しているそうじゃないの。男たちを翻弄して、勝手に“白い結婚を続けるかどうか”なんて、悠長なことを言っているのね」
「ディオン殿下のことまで……。本当に、私にとっては迷惑なほどの誤解ばかりですわ」
「ああ、そう。ならば教えてあげる。いずれジル様は私を正式に選ぶ。あなたみたいな地味女がどんなに不本意でもね。だって、私は本気でジル様を支えてきたのよ。あなた程度が割り込む余地などないの!」
声を荒らげるリディア。私はその迫力に圧倒されそうになるが、ここで怯んで引き下がるわけにはいかない。
「……どうぞご勝手に。ジル様の心の問題ですし、私にはどうすることもできません。リディア様が本当に大切な方なら、彼を説得なさればよろしいのでは?」
「あなた……!」
リディアは青筋を立てそうな勢いで息を荒くする。けれど、私は気づいてしまった。この人は私を追い落とす算段を立てながら、その実、どこか焦っているのだ。
――つまり、ジル様の気持ちが微妙に変わり始めていることを、リディアも強く感じている。だからこそ、私に罵声を浴びせ、追い詰めようとしているのだ。
そして、私は冷静になって心の奥で微かな“ざまあ”を感じる。リディアにとって、私が揺るぎない脅威になっているという事実。
ここでさらに私が動じず、きっぱりと「あなたにはもう居場所はない」と態度を示してしまえば、リディアの焦りは一層高まるはずだ――。
最後に私は、口調こそ荒げず、あくまで冷ややかな眼差しでリディアを見据え、静かに告げる。
「……リディア様、もう遅いのですわ。あなたがジル様の近くに居場所を確保したいなら、最初から私など眼中にないほどの信頼を築いていればよかった。今になって私を追い落とそうと焦っても、あなたが得られるものは何もございませんよ」
「……っ!」
「私は余計な波風を立てたくありませんし、あなたからジル様を奪う気もありません。ただ、私が正妻としての立場を放棄するつもりもない――。どうしてもお嫌なら、ジル様を諦めるか、もっと堂々と奪い取るか、どちらかにしてくださいませ」
リディアは唇を震わせる。もう何かしら言い返す言葉があるかと思いきや、結局のところ何も出てこないらしい。
目の前の彼女の顔は、嫉妬や怒りや焦りがごちゃまぜになった複雑な色で染まっている。
やがてリディアは、「やってられないわ!」とでも言うようにハンドバッグを掴み上げ、足早に部屋を出て行った。私は見送りもせず、その背に向かって深く頭を下げることもしない。
扉がバタンと閉じ、応接室に重い沈黙が落ちた。私はリコを振り返り、小さく息をつく。
「……やっぱり、余計に面倒になるかしら」
「お嬢様、すごい迫力でしたね……。でも、あのリディア様にあそこまで言い切れたのは、正直、痛快でしたわ」
「痛快、ね。あとでどんな仕返しをされるかわからないけれど……」
私は薄い笑みをこぼしつつ、胸の奥にチクリとした痛みを覚えた。なぜなら、これ以上ジル様に深入りされたくないと思っての言葉だったとはいえ、“もう遅いのですわ”というフレーズは、まるで私がすでにジル様を手中に収めていると言わんばかりの宣言にも聞こえるからだ。
――結果的に、リディアのプライドを徹底的に傷つけたのは間違いない。もはや彼女は、あからさまに敵意を剥き出しにしてくるだろう。
それでも、私は後悔していない。どの道、これ以上リディアに翻弄され続けるのは勘弁だし、同時にジル様の変心に振り回されるのももう真っ平。
私には、私の意志でこの婚約を全うする道がある。誰に文句を言われようが、私はただ“干渉の少ない穏やかな日々”を守りたいだけ。
そして――もし王族のディオン殿下が、この先また何かちょっかいをかけてくるようなら、そのときはどうするか。今はまだ、先のことを考える余裕もない。
部屋を出るとき、私は微かに笑みを浮かべる。頭の隅には「ざまあ」という言葉がちらついて消えない。
リディアがいくら喚こうと、あの人にもはや逃げ場はないだろう。ジル様の心がどうであれ、“正妻は私”と公にも宣言されているのだから。
――こうして私は、第三章の終わりに“もう遅いのですわ。あなたの居場所はございません”という決定的な一言をリディアに突きつけ、少しだけ肩の荷を下ろした。
だがその実、この後に続くさらなる波乱を、私はまだ知らない。ディオン殿下の思惑と、ジル様の葛藤が絡み合う先に、いかなる結末が待ち受けるのか――それは次の章で、否応なく明らかとなる。
ジル様との会話を終え、伯爵家に戻った私。静かな部屋で一人になると、疲労がどっと押し寄せ、ベッドに倒れ込みたい衝動に駆られた。
しかし、そこに侍女頭のリコが駆け込んできて言う。
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「リディア様が、私を……? 珍しいわね」
嫌な予感しかしない。リディアがわざわざ伯爵家まで押しかけてくるなど、ただ事ではないだろう。何か私に言いたいことがあるのか、それとももう一度恥をかかせる策でも持ち込んだのか――。
落ち着きのない気持ちを抑えながら、私は応接室へ向かった。扉を開けると、リディアは濃い緋色のドレス姿で椅子に腰掛け、居丈高な態度を崩さない。
私が礼を述べても、さも退屈そうに鼻を鳴らすだけだ。
「ふん、ずいぶんと遅かったのね。私がわざわざ訪問して差し上げたのに」
「お待たせして申し訳ございません。……それで、本日はどのようなご用件でしょうか?」
私が椅子に座り、リディアを正面から見る。彼女は口角を上げ、まるで挑発するかのように笑った。
「大した用件なんてないわよ。ただ……あなたとジル様の“白い結婚”が、どうやら揺らぎ始めていると耳にしたものだから、様子を見に来ただけ」
「……揺らぎ、ですか?」
「そうよ。ジル様はあなたに心惹かれ始めているのではないかしら? まあ、私に言わせれば、今さら滑稽な話だけれど」
リディアは嘲笑を含んだ口調で続ける。
「あなたも気づいているでしょ? ジル様は“形だけ”の結婚にするつもりが、あなたの存在に少しずつ興味を持ち始めた。……私には、それが我慢ならないの」
「私こそ、困っているのです。リディア様に恨まれるようなことをするつもりはありません」
「あら、じゃああなた、ジル様を引き留める気はないのね? 彼は今、『リディアを切り捨てることはできないけれど、レラともっと深い仲になりたい』などと言い始めているのよ。……私からすれば最低最悪よ。あなたのせいでジル様が……」
リディアの瞳は嫉妬と怒りに燃えている。彼女からすれば、私が“中途半端に距離を取りながらもジル様に好意を抱かせている”と映っているのだろう。
私は小さくため息をつき、きっぱりと告げる。
「勘違いしないでください。私はジル様と深い仲になりたいなどと思っておりません。むしろ困惑しているのですわ。ですから、ジル様の気持ちがどこへ向かおうと、私には関係ありません。私は白い結婚のままで構わないと思っております」
「本当に? ならばはっきりと言いなさいよ。あなたこそジル様を振り払えばいいじゃない。婚約者だからって縛られる必要なんてないでしょう?」
「……私には家の事情があります。婚約をなかったことにする権限などないのです」
リディアが私を睨む。
――そう、私はジル様を追い払う気はないし、婚約を放棄するわけにもいかない。でも、彼に近づく気もない。中途半端な状態を望んでいるわけではないが、結果的にそうなってしまう。
するとリディアが苦々しく口を開く。
「……やっぱり嫌ね。あなたみたいに煮え切らない態度を取られると、余計にジル様の気持ちが揺れるじゃない。私ならまだしも、あなたは愛人がいるわけでもなく、ただの地味な女なんだから、黙ってそこにいればいいのに」
「ですから、私は黙っているつもりです。それを妨げているのはリディア様のほうでは……?」
「っ……!」
リディアの顔が怒りに染まる。その勢いのまま、彼女は立ち上がり、私の方へと詰め寄ってきた。
「あなた――私を馬鹿にしているのね? なるほど、最近はディオン殿下まであなたに興味を示しているそうじゃないの。男たちを翻弄して、勝手に“白い結婚を続けるかどうか”なんて、悠長なことを言っているのね」
「ディオン殿下のことまで……。本当に、私にとっては迷惑なほどの誤解ばかりですわ」
「ああ、そう。ならば教えてあげる。いずれジル様は私を正式に選ぶ。あなたみたいな地味女がどんなに不本意でもね。だって、私は本気でジル様を支えてきたのよ。あなた程度が割り込む余地などないの!」
声を荒らげるリディア。私はその迫力に圧倒されそうになるが、ここで怯んで引き下がるわけにはいかない。
「……どうぞご勝手に。ジル様の心の問題ですし、私にはどうすることもできません。リディア様が本当に大切な方なら、彼を説得なさればよろしいのでは?」
「あなた……!」
リディアは青筋を立てそうな勢いで息を荒くする。けれど、私は気づいてしまった。この人は私を追い落とす算段を立てながら、その実、どこか焦っているのだ。
――つまり、ジル様の気持ちが微妙に変わり始めていることを、リディアも強く感じている。だからこそ、私に罵声を浴びせ、追い詰めようとしているのだ。
そして、私は冷静になって心の奥で微かな“ざまあ”を感じる。リディアにとって、私が揺るぎない脅威になっているという事実。
ここでさらに私が動じず、きっぱりと「あなたにはもう居場所はない」と態度を示してしまえば、リディアの焦りは一層高まるはずだ――。
最後に私は、口調こそ荒げず、あくまで冷ややかな眼差しでリディアを見据え、静かに告げる。
「……リディア様、もう遅いのですわ。あなたがジル様の近くに居場所を確保したいなら、最初から私など眼中にないほどの信頼を築いていればよかった。今になって私を追い落とそうと焦っても、あなたが得られるものは何もございませんよ」
「……っ!」
「私は余計な波風を立てたくありませんし、あなたからジル様を奪う気もありません。ただ、私が正妻としての立場を放棄するつもりもない――。どうしてもお嫌なら、ジル様を諦めるか、もっと堂々と奪い取るか、どちらかにしてくださいませ」
リディアは唇を震わせる。もう何かしら言い返す言葉があるかと思いきや、結局のところ何も出てこないらしい。
目の前の彼女の顔は、嫉妬や怒りや焦りがごちゃまぜになった複雑な色で染まっている。
やがてリディアは、「やってられないわ!」とでも言うようにハンドバッグを掴み上げ、足早に部屋を出て行った。私は見送りもせず、その背に向かって深く頭を下げることもしない。
扉がバタンと閉じ、応接室に重い沈黙が落ちた。私はリコを振り返り、小さく息をつく。
「……やっぱり、余計に面倒になるかしら」
「お嬢様、すごい迫力でしたね……。でも、あのリディア様にあそこまで言い切れたのは、正直、痛快でしたわ」
「痛快、ね。あとでどんな仕返しをされるかわからないけれど……」
私は薄い笑みをこぼしつつ、胸の奥にチクリとした痛みを覚えた。なぜなら、これ以上ジル様に深入りされたくないと思っての言葉だったとはいえ、“もう遅いのですわ”というフレーズは、まるで私がすでにジル様を手中に収めていると言わんばかりの宣言にも聞こえるからだ。
――結果的に、リディアのプライドを徹底的に傷つけたのは間違いない。もはや彼女は、あからさまに敵意を剥き出しにしてくるだろう。
それでも、私は後悔していない。どの道、これ以上リディアに翻弄され続けるのは勘弁だし、同時にジル様の変心に振り回されるのももう真っ平。
私には、私の意志でこの婚約を全うする道がある。誰に文句を言われようが、私はただ“干渉の少ない穏やかな日々”を守りたいだけ。
そして――もし王族のディオン殿下が、この先また何かちょっかいをかけてくるようなら、そのときはどうするか。今はまだ、先のことを考える余裕もない。
部屋を出るとき、私は微かに笑みを浮かべる。頭の隅には「ざまあ」という言葉がちらついて消えない。
リディアがいくら喚こうと、あの人にもはや逃げ場はないだろう。ジル様の心がどうであれ、“正妻は私”と公にも宣言されているのだから。
――こうして私は、第三章の終わりに“もう遅いのですわ。あなたの居場所はございません”という決定的な一言をリディアに突きつけ、少しだけ肩の荷を下ろした。
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