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第十八話 朝の決意
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第十八話 朝の決意
翌朝の空気は、昨夜よりもさらに冷えていた。
東棟で暴れた痕跡は、表向きにはきれいに消されている。割れた花瓶の欠片は片づけられ、廊下の絨毯は整えられ、扉も窓も何事もなかったように閉ざされていた。
けれど、見えないものまでは消せない。
使用人たちの目の動き。
囁きが途切れる間。
東棟の前を通る時だけ、ほんの少し早まる足取り。
あの夜の騒ぎが、この屋敷のどこへどう染み込んだかは、もう誰の目にも明らかだった。
セレナは朝の支度を終えると、しばらく机の前に座っていた。
引き出しの中には、昨夜しまったアルベルトへの返書がある。封はした。だがまだ出していない。今なら、やはり何でもないと誤魔化すこともできる。
できる。
けれど、そうしようとは思わなかった。
昨日一日で、あまりに多くのことが起きた。
婚約が正式に消えた。
ミレイユは新しい席を得られず、癇癪を起こした。
父はようやく鍵を使う程度のことしかできず、継母はそれすら受け入れられなかった。
そして自分は、その全部から少しずつ距離を取ろうとしている。
それは逃げではないのか。
何度もそう考えた。
けれど、考えるほどに、違うという思いも強くなった。
今までの自分は、何かを守るために踏みとどまっていたのではない。
壊れたものの前に立たされ、そのたびに“長女だから”と後始末を押しつけられていただけなのだ。
そこから離れることは、責任放棄ではない。
少なくとも今は、そう思いたかった。
ノックの音がして、グレアムが入ってきた。
「おはようございます、お嬢様」
「おはようございます」
老執事は一礼したあと、目だけで机の引き出しを見た。返書のことを察しているのだろう。
「東棟は?」
セレナが先に問うと、グレアムは少しだけ顔を曇らせた。
「今朝は静かでございます。ですが……」
「ですが?」
「ミレイユ様は、かなりお怒りのご様子です。朝の給仕を二度突き返され、伯爵夫人にもお会いになっておりません」
らしいと思う。
昨夜の鍵に続いて、今朝は食事まで思い通りにいかない。彼女にとっては屈辱だろう。しかも、その屈辱が“自分のほうが選ばれたはずなのに”という思い込みの上にあるのだから、なおさら始末が悪い。
「お父様は」
「書斎でございます」
疲れているだろう。
たぶん今日も、家の体裁と娘の癇癪の狭間で揺れている。
だがもう、セレナにはそれを救う義務を感じられなかった。
彼女は引き出しを開け、返書を取り出した。
「これを、レーヴェン公爵家へ」
グレアムの目がわずかに揺れる。驚きというより、静かな安堵に近かった。
「よろしいのですか」
「ええ」
セレナは封を指先でなぞりながら言った。
「正式なお返事ではないわ。ただ……考える時間をいただくための返事よ」
「それでも十分でございます」
グレアムは両手で丁寧にそれを受け取った。
「使いには、私が信頼できる者を出します」
「お願い」
老執事が返書を胸元へしまう。その動きを見て、セレナはようやく、自分が本当に一歩を踏み出したのだと実感した。
まだ何も決まっていない。
けれど、決めるために動き始めた。
それだけで胸の奥の空気が少し変わる。
そこへ、今度は珍しく父付きの従僕が顔を出した。
「お嬢様、旦那様がお呼びでございます」
セレナは少しだけ眉を上げた。
こんなに早い時間に呼ぶのは珍しい。昨日の続きだろうか。あるいは、昨夜の鍵の件でまた自分に取りなしてほしいのかもしれない。
「今すぐ?」
「はい」
グレアムが従僕の背を見送るように一歩引いた。
「どうなさいますか」
セレナは少し考えた。
昨日なら断っただろう。だが今朝は違う。もう自分の中で答えが動き始めている今、この家が何を求めてくるのかを最後に見ておく必要がある気がした。
「参ります」
そう答えると、グレアムは静かに頷いた。
書斎へ向かう道すがら、セレナは東棟の前を通った。扉の外には昨夜と同じ年嵩の使用人が立っている。目が合うと、彼女は深く一礼した。その礼は、どこか申し訳なさそうでもあった。
まるで“こんなことになってしまって”とでも言いたげに。
セレナはほんの少しだけ首を振った。
謝るべきは、あなたではない。
そう言いたかったが、口にはしない。
書斎へ入ると、父ローレンス伯爵は窓辺ではなく、机に向かって座っていた。昨日よりさらに疲れた顔をしている。前夜よく眠れなかったのだろう。あるいは眠れても、少しも休めなかったのかもしれない。
「座りなさい」
言われるままに腰を下ろすと、父は数秒黙ってから口を開いた。
「昨夜の件だが」
やはりそれだ。
「ミレイユはしばらく外へ出さぬ」
セレナは表情を変えずに聞いた。
「そうですか」
「それから、使用人への接し方も改めさせる。少なくとも、今のまま放っておくわけにはいかん」
もっと早く、とは思った。だが口にはしない。
今さら責めても何も変わらない。父もそれを分かったうえで、ようやくここまで口にしているのだろう。
「ただ」
父はそこで言い淀む。
「伯爵家の内側だけでは、もう抑えきれん」
その言葉に、セレナは目を細めた。
ようやく認めたのか、と。
ミレイユの暴虐も、婚約の崩壊も、すべてを“家の中の問題”として押し込めてきた結果が今だ。それをようやく父自身が口にした。
「それで?」
促すと、父は苦い顔で続けた。
「レーヴェン公爵家から、正式な招待状が来ている」
セレナの指先がぴくりと動いた。
「正式な?」
「公爵夫人名義でだ。数日の滞在と、慈善事業に関する意見交換を名目に、お前をお招きしたいと」
やはり、と思う。
アルベルトの言った通り、体裁は整えられたのだ。
父は机の上の封書を見ながら言った。
「お前が……その、しばらく向こうへ身を寄せるのは、社交上も悪くないかもしれん」
悪くない。
父らしい言い方だった。
娘の心身を案じているというより、伯爵家の空気が悪化している今、長女を一時的に外へ出すことが体裁の上でも都合がよい、という計算がまずあるのだろう。
それでも、以前なら絶対に言わなかったはずだ。
セレナを外へ出すなど、伯爵家の内実を支える手を自ら失うようなものなのだから。
それを口にしたということは、父も相当追い詰められている。
「お父様は、それでよろしいのですか」
静かに問うと、父は視線を落とした。
「よいかどうかではない」
低い声。
「今のお前に、この家が休める場所だとは……言えない」
その言葉に、セレナは少しだけ息を止めた。
遅い。
あまりにも遅い。
だが、それでも初めてだった。父が、家よりも先に“今のお前”を主語にしたのは。
「……そうですか」
それしか返せなかった。
父は続ける。
「戻ってくるかどうかは、お前が決めていい」
その一言で、セレナはようやくこの話の本当の重さを理解した。
数日身を寄せるだけではないのだ。
父は今、戻るかどうかすら自分で決めろと言った。
つまり、この家はもう以前の形には戻らないと、父自身が認めている。
机の上の封書が、やけに白く見えた。
差し出された椅子は、もう空想ではない。正式な席として、この家の机の上に置かれている。
セレナはゆっくりと瞬きをした。
その時だった。
書斎の扉が勢いよく開いた。
「お父様!」
ミレイユだった。
顔色は悪い。目は吊り上がり、髪も少し乱れている。今朝も手がつけられないのだろうと、一目で分かった。
彼女はセレナの姿を見るなり、一瞬だけ目を見開いた。次に机の上の封書へ目が行く。その封蝋に刻まれた紋章を見た瞬間、顔がさっと歪んだ。
「……何、それ」
父が苛立った声を出す。
「勝手に入るなと言ったはずだ!」
「それ、何ですの!」
ミレイユは父の怒声も無視して机へ詰め寄る。
「レーヴェン公爵家……どうしてお姉様に、そんなものが来るの?」
その問いに、父はさすがに答えづらそうだった。
だがセレナは違う。
「お招きよ」
静かに答える。
ミレイユの瞳が見開かれる。
「招き……?」
「ええ」
セレナは立ち上がった。
「レーヴェン公爵夫人が、私をお招きくださっているの」
その言葉は、思いのほかよく響いた。
ミレイユの顔から血の気が引く。彼女にとってこれは、思いもよらない反撃だったのだろう。婚約を壊され、みじめに家へ残る姉を期待していたのに、別の高位貴族家が手を差し伸べてくる。
しかもそれは、同情ではなく正式な招待状の形で。
「どうして……」
またその言葉だ。
けれど今度の“どうして”には、昨夜までの勝者の余裕は微塵もなかった。
セレナはその顔を見つめながら、妙に静かな気持ちになっていた。
これが決意なのだと、ようやく分かる。
選ぶのだ。
ここに留まり続けるか。
差し出された椅子へ座るか。
もう答えは、ほとんど出ている。
翌朝の空気は、昨夜よりもさらに冷えていた。
東棟で暴れた痕跡は、表向きにはきれいに消されている。割れた花瓶の欠片は片づけられ、廊下の絨毯は整えられ、扉も窓も何事もなかったように閉ざされていた。
けれど、見えないものまでは消せない。
使用人たちの目の動き。
囁きが途切れる間。
東棟の前を通る時だけ、ほんの少し早まる足取り。
あの夜の騒ぎが、この屋敷のどこへどう染み込んだかは、もう誰の目にも明らかだった。
セレナは朝の支度を終えると、しばらく机の前に座っていた。
引き出しの中には、昨夜しまったアルベルトへの返書がある。封はした。だがまだ出していない。今なら、やはり何でもないと誤魔化すこともできる。
できる。
けれど、そうしようとは思わなかった。
昨日一日で、あまりに多くのことが起きた。
婚約が正式に消えた。
ミレイユは新しい席を得られず、癇癪を起こした。
父はようやく鍵を使う程度のことしかできず、継母はそれすら受け入れられなかった。
そして自分は、その全部から少しずつ距離を取ろうとしている。
それは逃げではないのか。
何度もそう考えた。
けれど、考えるほどに、違うという思いも強くなった。
今までの自分は、何かを守るために踏みとどまっていたのではない。
壊れたものの前に立たされ、そのたびに“長女だから”と後始末を押しつけられていただけなのだ。
そこから離れることは、責任放棄ではない。
少なくとも今は、そう思いたかった。
ノックの音がして、グレアムが入ってきた。
「おはようございます、お嬢様」
「おはようございます」
老執事は一礼したあと、目だけで机の引き出しを見た。返書のことを察しているのだろう。
「東棟は?」
セレナが先に問うと、グレアムは少しだけ顔を曇らせた。
「今朝は静かでございます。ですが……」
「ですが?」
「ミレイユ様は、かなりお怒りのご様子です。朝の給仕を二度突き返され、伯爵夫人にもお会いになっておりません」
らしいと思う。
昨夜の鍵に続いて、今朝は食事まで思い通りにいかない。彼女にとっては屈辱だろう。しかも、その屈辱が“自分のほうが選ばれたはずなのに”という思い込みの上にあるのだから、なおさら始末が悪い。
「お父様は」
「書斎でございます」
疲れているだろう。
たぶん今日も、家の体裁と娘の癇癪の狭間で揺れている。
だがもう、セレナにはそれを救う義務を感じられなかった。
彼女は引き出しを開け、返書を取り出した。
「これを、レーヴェン公爵家へ」
グレアムの目がわずかに揺れる。驚きというより、静かな安堵に近かった。
「よろしいのですか」
「ええ」
セレナは封を指先でなぞりながら言った。
「正式なお返事ではないわ。ただ……考える時間をいただくための返事よ」
「それでも十分でございます」
グレアムは両手で丁寧にそれを受け取った。
「使いには、私が信頼できる者を出します」
「お願い」
老執事が返書を胸元へしまう。その動きを見て、セレナはようやく、自分が本当に一歩を踏み出したのだと実感した。
まだ何も決まっていない。
けれど、決めるために動き始めた。
それだけで胸の奥の空気が少し変わる。
そこへ、今度は珍しく父付きの従僕が顔を出した。
「お嬢様、旦那様がお呼びでございます」
セレナは少しだけ眉を上げた。
こんなに早い時間に呼ぶのは珍しい。昨日の続きだろうか。あるいは、昨夜の鍵の件でまた自分に取りなしてほしいのかもしれない。
「今すぐ?」
「はい」
グレアムが従僕の背を見送るように一歩引いた。
「どうなさいますか」
セレナは少し考えた。
昨日なら断っただろう。だが今朝は違う。もう自分の中で答えが動き始めている今、この家が何を求めてくるのかを最後に見ておく必要がある気がした。
「参ります」
そう答えると、グレアムは静かに頷いた。
書斎へ向かう道すがら、セレナは東棟の前を通った。扉の外には昨夜と同じ年嵩の使用人が立っている。目が合うと、彼女は深く一礼した。その礼は、どこか申し訳なさそうでもあった。
まるで“こんなことになってしまって”とでも言いたげに。
セレナはほんの少しだけ首を振った。
謝るべきは、あなたではない。
そう言いたかったが、口にはしない。
書斎へ入ると、父ローレンス伯爵は窓辺ではなく、机に向かって座っていた。昨日よりさらに疲れた顔をしている。前夜よく眠れなかったのだろう。あるいは眠れても、少しも休めなかったのかもしれない。
「座りなさい」
言われるままに腰を下ろすと、父は数秒黙ってから口を開いた。
「昨夜の件だが」
やはりそれだ。
「ミレイユはしばらく外へ出さぬ」
セレナは表情を変えずに聞いた。
「そうですか」
「それから、使用人への接し方も改めさせる。少なくとも、今のまま放っておくわけにはいかん」
もっと早く、とは思った。だが口にはしない。
今さら責めても何も変わらない。父もそれを分かったうえで、ようやくここまで口にしているのだろう。
「ただ」
父はそこで言い淀む。
「伯爵家の内側だけでは、もう抑えきれん」
その言葉に、セレナは目を細めた。
ようやく認めたのか、と。
ミレイユの暴虐も、婚約の崩壊も、すべてを“家の中の問題”として押し込めてきた結果が今だ。それをようやく父自身が口にした。
「それで?」
促すと、父は苦い顔で続けた。
「レーヴェン公爵家から、正式な招待状が来ている」
セレナの指先がぴくりと動いた。
「正式な?」
「公爵夫人名義でだ。数日の滞在と、慈善事業に関する意見交換を名目に、お前をお招きしたいと」
やはり、と思う。
アルベルトの言った通り、体裁は整えられたのだ。
父は机の上の封書を見ながら言った。
「お前が……その、しばらく向こうへ身を寄せるのは、社交上も悪くないかもしれん」
悪くない。
父らしい言い方だった。
娘の心身を案じているというより、伯爵家の空気が悪化している今、長女を一時的に外へ出すことが体裁の上でも都合がよい、という計算がまずあるのだろう。
それでも、以前なら絶対に言わなかったはずだ。
セレナを外へ出すなど、伯爵家の内実を支える手を自ら失うようなものなのだから。
それを口にしたということは、父も相当追い詰められている。
「お父様は、それでよろしいのですか」
静かに問うと、父は視線を落とした。
「よいかどうかではない」
低い声。
「今のお前に、この家が休める場所だとは……言えない」
その言葉に、セレナは少しだけ息を止めた。
遅い。
あまりにも遅い。
だが、それでも初めてだった。父が、家よりも先に“今のお前”を主語にしたのは。
「……そうですか」
それしか返せなかった。
父は続ける。
「戻ってくるかどうかは、お前が決めていい」
その一言で、セレナはようやくこの話の本当の重さを理解した。
数日身を寄せるだけではないのだ。
父は今、戻るかどうかすら自分で決めろと言った。
つまり、この家はもう以前の形には戻らないと、父自身が認めている。
机の上の封書が、やけに白く見えた。
差し出された椅子は、もう空想ではない。正式な席として、この家の机の上に置かれている。
セレナはゆっくりと瞬きをした。
その時だった。
書斎の扉が勢いよく開いた。
「お父様!」
ミレイユだった。
顔色は悪い。目は吊り上がり、髪も少し乱れている。今朝も手がつけられないのだろうと、一目で分かった。
彼女はセレナの姿を見るなり、一瞬だけ目を見開いた。次に机の上の封書へ目が行く。その封蝋に刻まれた紋章を見た瞬間、顔がさっと歪んだ。
「……何、それ」
父が苛立った声を出す。
「勝手に入るなと言ったはずだ!」
「それ、何ですの!」
ミレイユは父の怒声も無視して机へ詰め寄る。
「レーヴェン公爵家……どうしてお姉様に、そんなものが来るの?」
その問いに、父はさすがに答えづらそうだった。
だがセレナは違う。
「お招きよ」
静かに答える。
ミレイユの瞳が見開かれる。
「招き……?」
「ええ」
セレナは立ち上がった。
「レーヴェン公爵夫人が、私をお招きくださっているの」
その言葉は、思いのほかよく響いた。
ミレイユの顔から血の気が引く。彼女にとってこれは、思いもよらない反撃だったのだろう。婚約を壊され、みじめに家へ残る姉を期待していたのに、別の高位貴族家が手を差し伸べてくる。
しかもそれは、同情ではなく正式な招待状の形で。
「どうして……」
またその言葉だ。
けれど今度の“どうして”には、昨夜までの勝者の余裕は微塵もなかった。
セレナはその顔を見つめながら、妙に静かな気持ちになっていた。
これが決意なのだと、ようやく分かる。
選ぶのだ。
ここに留まり続けるか。
差し出された椅子へ座るか。
もう答えは、ほとんど出ている。
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