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24話
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告発と戦犯
そんなある日、突然アリオン・サリヴァンが帝国軍の仮設司令部を訪れたという知らせがコーラルの耳に入る。彼がガーレン将軍を伴い、ハウザー准将に面会を求めているというのだ。
コーラルは不穏な胸騒ぎを覚えた。アリオンが今になって何を企んでいるのか。想像するだに嫌な予感しかない。
実際、アリオンの目的は“降伏後の王国支配”において優位に立つことだった。王国の反乱分子の情報提供や、スムーズな降伏手続きの取りまとめを申し出る代わりに、自分たちの地位を保証するよう帝国軍に要求してきたのだ。
だが、ハウザーはそれを冷淡な表情で受け止める。形式的には話を聞くが、あまり良い感触は示さない。軍の中で力を求めて蠢く者の匂いは、帝国側にも多く存在する。ハウザーはそうした“利己的な裏切り者”を快く思わないのだ。
しかし、アリオンは自信たっぷりに語る。
「帝国としても、秩序ある統治を望んでいるはずです。であれば、この国の内部事情に通じた我々の存在は大きい。……何なら、王家を排除して新たな統治体制を敷くこともできましょう。帝国が手を焼く必要はありません」
あまりに堂々と“裏切り”を公言するアリオンの態度に、ハウザーの部下たちも顔をしかめる。だが、当のアリオンは意に介さない。背後では、ガーレン将軍やレイナーが薄笑いを浮かべている。
コーラルは遠巻きにその場の様子を見守っていたが、アリオンのあまりの傲慢さに怒りを覚え、思わず唇を噛んだ。かつての彼とはまるで別人のように、自己保身と野心だけを胸に秘めている姿が痛々しい。
そのとき、ハウザーの部下が一枚の文書を携えて入室してくる。それは帝国本国からの密書であり、その内容を読み下すと、一同が驚愕する事実が記されていた。
なんと、アリオンとガーレン将軍一派が、戦時中に“物資横領”や“民衆への不当圧政”を行っていた証拠書類が、帝国側に既に提出されているというのだ。さらに、後方支援を担当していた時期に相当な不正があった疑惑までもが示唆されていた。
その場は一気に緊迫し、アリオンの顔から血の気が引く。ハウザーは冷ややかな眼差しを向け、低い声で問いただした。
「……これは本国から届いた正式な告発文だ。アリオン・サリヴァン卿、そしてガーレン将軍――あなた方が行った行為は、帝国にとっても看過できぬ。民衆を虐げ、私腹を肥やすような輩が、どの面で我々に協力すると?」
どよめきが走り、アリオンは必死に反論しようとするが、舌が回らない。まさかこのタイミングで自分が告発されるとは予想外だったのだろう。レイナーも憤りの表情を浮かべるが、帝国兵たちに囲まれた状況では、強く出ることができない。
コーラルは成り行きを見つめながら、これがある種の“因果応報”なのだと感じた。自分や王国を裏切り、自分の安全と権勢だけを追い求めてきた報いが、ここで降りかかってきたのだ。
このとき、アリオンはまだ必死に帝国軍と取り引きできる余地を探そうとしていたが、ハウザーは容赦しない。
「……貴方たちには、本国の裁量において厳正なる処罰が下ることになるでしょう。私には、ここでの逮捕権がある。抵抗すれば、その場で軍法会議にかけることもやむを得ません」
部屋の空気が凍りつく。そう、今やアリオンたちは“戦犯”として扱われる立場に陥ってしまったのだ。
そんなある日、突然アリオン・サリヴァンが帝国軍の仮設司令部を訪れたという知らせがコーラルの耳に入る。彼がガーレン将軍を伴い、ハウザー准将に面会を求めているというのだ。
コーラルは不穏な胸騒ぎを覚えた。アリオンが今になって何を企んでいるのか。想像するだに嫌な予感しかない。
実際、アリオンの目的は“降伏後の王国支配”において優位に立つことだった。王国の反乱分子の情報提供や、スムーズな降伏手続きの取りまとめを申し出る代わりに、自分たちの地位を保証するよう帝国軍に要求してきたのだ。
だが、ハウザーはそれを冷淡な表情で受け止める。形式的には話を聞くが、あまり良い感触は示さない。軍の中で力を求めて蠢く者の匂いは、帝国側にも多く存在する。ハウザーはそうした“利己的な裏切り者”を快く思わないのだ。
しかし、アリオンは自信たっぷりに語る。
「帝国としても、秩序ある統治を望んでいるはずです。であれば、この国の内部事情に通じた我々の存在は大きい。……何なら、王家を排除して新たな統治体制を敷くこともできましょう。帝国が手を焼く必要はありません」
あまりに堂々と“裏切り”を公言するアリオンの態度に、ハウザーの部下たちも顔をしかめる。だが、当のアリオンは意に介さない。背後では、ガーレン将軍やレイナーが薄笑いを浮かべている。
コーラルは遠巻きにその場の様子を見守っていたが、アリオンのあまりの傲慢さに怒りを覚え、思わず唇を噛んだ。かつての彼とはまるで別人のように、自己保身と野心だけを胸に秘めている姿が痛々しい。
そのとき、ハウザーの部下が一枚の文書を携えて入室してくる。それは帝国本国からの密書であり、その内容を読み下すと、一同が驚愕する事実が記されていた。
なんと、アリオンとガーレン将軍一派が、戦時中に“物資横領”や“民衆への不当圧政”を行っていた証拠書類が、帝国側に既に提出されているというのだ。さらに、後方支援を担当していた時期に相当な不正があった疑惑までもが示唆されていた。
その場は一気に緊迫し、アリオンの顔から血の気が引く。ハウザーは冷ややかな眼差しを向け、低い声で問いただした。
「……これは本国から届いた正式な告発文だ。アリオン・サリヴァン卿、そしてガーレン将軍――あなた方が行った行為は、帝国にとっても看過できぬ。民衆を虐げ、私腹を肥やすような輩が、どの面で我々に協力すると?」
どよめきが走り、アリオンは必死に反論しようとするが、舌が回らない。まさかこのタイミングで自分が告発されるとは予想外だったのだろう。レイナーも憤りの表情を浮かべるが、帝国兵たちに囲まれた状況では、強く出ることができない。
コーラルは成り行きを見つめながら、これがある種の“因果応報”なのだと感じた。自分や王国を裏切り、自分の安全と権勢だけを追い求めてきた報いが、ここで降りかかってきたのだ。
このとき、アリオンはまだ必死に帝国軍と取り引きできる余地を探そうとしていたが、ハウザーは容赦しない。
「……貴方たちには、本国の裁量において厳正なる処罰が下ることになるでしょう。私には、ここでの逮捕権がある。抵抗すれば、その場で軍法会議にかけることもやむを得ません」
部屋の空気が凍りつく。そう、今やアリオンたちは“戦犯”として扱われる立場に陥ってしまったのだ。
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