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第3章:義妹と王太子の破滅
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義妹との再会
応接室で待たせること数分。扉を開けて入ったわたくしは、マリアンヌがソファに座って俯いている姿を目にしました。彼女はいつになく疲れ切った表情で、頬がげっそりとやつれて見えます。かつてはわたくしを嫉妬交じりに睨みつけ、傲慢な笑みを浮かべていたあの姿とはまるで別人。まさに満身創痍といった風情でした。
「……リュシエンヌお姉様」
わたくしの姿を認めると、マリアンヌは弱々しい声を上げます。いつもなら「わたくしを陥れようとした姉様!」といった調子で敵対心をむき出しにしてきたのに、今日はまるで助けを求める子どものような眼差し。
もっとも、わたくしの背後にはヴァレンティン公爵が控えています。彼の冷徹な視線を感じたのか、マリアンヌが怯えたように体をすくめたのがわかりました。
「マリアンヌ、久しぶりね。わたくしに何の用かしら?」
その声は、我ながら少し冷たい調子でした。過去にいろいろと嫌がらせをされ、ついには王太子との婚約を潰されたわたくしですもの。あまりに自然と警戒心の混じった声が出てしまうのです。
マリアンヌは唇を震わせ、縋るような視線をわたくしに向けてきます。
「お姉様……助けて、助けてくださいませ……。わたくし、もう王宮にいられないの。殿下もわたくしを責めるし、国王陛下や宮廷の方々も、わたくしを“嘘つき女”だと罵るのよ……」
涙を滲ませながら話すマリアンヌ。確かに気の毒と言えなくはありませんが、自業自得とはこのことでしょう。わたくしは厳しい表情のまま、なるべく冷静に言葉を選びました。
「そう……。でも、わたくしにできることはありませんわ。あなたが嘘をついていたのは事実なのでしょう? それを挽回する手立てなんて、わたくしには皆目見当がつきません」
けれど、マリアンヌはわたくしの言葉を聞き流すようにして、さらに声を震わせます。
「お姉様が悪いのよ……! あなたが高慢で冷たい女だって殿下に吹き込んだのはわたくしだけれど、でもそうしなければ、いつまでも殿下の婚約者がリュシエンヌお姉様だったんだから! わたくしは、わたくしは……ただ、幸せになりたかっただけなのに……!」
その訴えに、わたくしの背後のヴァレンティン公爵が鼻で笑う気配を見せました。彼はソファに腰掛けたまま、静かにマリアンヌを見下ろすような視線を送っています。
「おいおい、そこの令嬢。お前が王太子の心を弄んで、妊娠を偽ったのも全部“幸せになりたかった”で済ませるつもりか? 随分と都合のいい話だな」
低く冷たい声。マリアンヌはハッと息を飲み、彼の鋭い眼差しに抗えないように目を伏せました。よほど居心地が悪いのでしょう。もともと、ヴァレンティン公爵のような強大な権力者を前にして、平然と渡り合えるほどの度胸は彼女にはありません。
「わ、わたくしは……うぅ……」
マリアンヌはか細い声で嗚咽をこぼします。しかし、それだけです。自分が悪かったと認めるわけでもなく、反省の態度を示すわけでもない。まるで“被害者”のフリをすることで、誰かが救いの手を差し伸べてくれるのを待っているのです。
わたくしはその姿を見て、あらためて「この人は何も変わらないのだな」と悟りました。昔からそうでした。自分が窮地に立たされると、周囲に被害者ぶって泣きつき、同情を引こうとする。でも、嘘や裏切りを働いたのは彼女自身。それを認めない限り、誰も助けてはくれないでしょう。
「お帰りなさい、マリアンヌ。わたくしに何かできることはありませんし、あなたもベルナール家に戻るつもりはないでしょう? それとも、公爵家に戻ってやり直すとでも言うの?」
そう問いかけると、マリアンヌは「そんなことできるはずがない……!」と掠れた声を漏らしました。彼女は父エドモン公爵の継娘ですが、正式な“ベルナール家の跡取り”という立場ではありません。もともと結婚し、王太子妃としての人生を歩むことを“最大の目標”としていただけ。今さら公爵家に戻ってきても、もう居場所はないでしょうし、継母も肩身が狭くなっているはず。
「じゃあ、どうするの? それをわたくしに相談しても仕方ないわ。王太子殿下はあなたを守ってくれないのかしら?」
わたくしの言葉に、マリアンヌは怒りか悲しみか分からない表情を浮かべ、声を荒げました。
「殿下は、わたくしのせいであんな目に遭ったと罵るのよ……! “お前が余計な嘘をつくから、オレの評判が下がったじゃないか”って。殿下こそ、わたくしを選んでおきながら何もしてくれない。こんなの……こんなの、あんまりですわ!」
まるで子どものような言い分です。選んだのは殿下、選ばれたのは自分、ゆえに「何があっても守ってもらえるはず」と信じていたのでしょう。そうして妊娠偽装までしてしまったのだから、当然殿下が怒るのも無理はありません。
わたくしは呆れ混じりのため息をつき、やれやれという気分で視線を彼女から外しました。そんなわたくしの態度に気づいたのか、マリアンヌは最後の悪あがきのように、わたくしの手を掴んできます。
「お願い、リュシエンヌお姉様……あなたなら何とかできるでしょう? 国王陛下や殿下に取り入って、わたくしを許してもらえるように言ってちょうだい! ベルナール家の令嬢として……いえ、ルーアン公爵の婚約者としてなら、きっと影響力もあるはずよ!」
彼女の目は必死です。それだけ追い詰められているということでしょう。しかし、わたくしは手を振りほどき、静かに首を振りました。
「しつこいですわね。マリアンヌ、あなたは自分がやったことの重大さをまるで理解していない。わたくしが口を挟んだところで、王太子妃の座が戻ってくるわけでもない。国王陛下があなたを許すと思うの? そんな甘い話ではありませんわ」
それどころか、わたくしが口を出せば「ルーアン公爵がマリアンヌを庇う理由は?」と余計な憶測を呼ぶかもしれません。政治的に見てもリスクしかない。そもそも、わたくしは彼女を助けたいなどと思ったことは一度もありません。
マリアンヌは、わたくしの冷淡な拒絶に絶望したのか、崩れ落ちるようにして床に膝をつきました。ぽろぽろと涙をこぼしながら、呟きます。
「どうして……? わたくしは、ただ、王太子妃になりたかっただけなのに……。お姉様から奪えば、わたくしが幸せになれると思っていたのに……」
その姿に、わたくしは微塵の同情も抱けませんでした。なぜなら、幸せを得るために他人を貶め、自分の嘘を正当化していたのは彼女自身だから。わたくしもかつては高慢だと言われながら、王太子妃教育を受けていましたが、それはあくまで家の責務と割り切っていたにすぎません。マリアンヌのように“偽りの手段”で他者を蹴落として手に入れる幸せなど、長続きするはずがないのです。
ヴァレンティン公爵はソファを立ち上がり、呆れたように言葉を吐き捨てました。
「まったく、時間の無駄だったな。リュシエンヌ、もう行こう。こんなくだらん話に付き合う義理はない」
わたくしも深く同意しました。マリアンヌがどんなに泣き叫ぼうと、彼女が自らの過ちを認めてやり直そうとしない限り、誰も助けようとはしないでしょう。
「そうね。マリアンヌ、もうお引き取りなさい。ここにいても何も変わらないわよ。ベルナール家にも戻れませんもの」
わたくしはそう言い捨て、ドアへ向かいました。侍女たちが慌ててマリアンヌを抱き起こそうとするのを横目に、ヴァレンティン公爵とともに応接室を出ます。後ろから、マリアンヌの「お姉様……!」「お願い……!」という悲痛な声が聞こえてきましたが、わたくしは振り返ることなく廊下を進みました。
自分で招いた破滅なら、自分の力で立て直すしかないでしょう。まだ彼女が更生する余地があるかどうか、わたくしには判断できませんが――少なくとも、わたくしやヴァレンティン公爵がそれに手を貸す義理はありません。
応接室で待たせること数分。扉を開けて入ったわたくしは、マリアンヌがソファに座って俯いている姿を目にしました。彼女はいつになく疲れ切った表情で、頬がげっそりとやつれて見えます。かつてはわたくしを嫉妬交じりに睨みつけ、傲慢な笑みを浮かべていたあの姿とはまるで別人。まさに満身創痍といった風情でした。
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もっとも、わたくしの背後にはヴァレンティン公爵が控えています。彼の冷徹な視線を感じたのか、マリアンヌが怯えたように体をすくめたのがわかりました。
「マリアンヌ、久しぶりね。わたくしに何の用かしら?」
その声は、我ながら少し冷たい調子でした。過去にいろいろと嫌がらせをされ、ついには王太子との婚約を潰されたわたくしですもの。あまりに自然と警戒心の混じった声が出てしまうのです。
マリアンヌは唇を震わせ、縋るような視線をわたくしに向けてきます。
「お姉様……助けて、助けてくださいませ……。わたくし、もう王宮にいられないの。殿下もわたくしを責めるし、国王陛下や宮廷の方々も、わたくしを“嘘つき女”だと罵るのよ……」
涙を滲ませながら話すマリアンヌ。確かに気の毒と言えなくはありませんが、自業自得とはこのことでしょう。わたくしは厳しい表情のまま、なるべく冷静に言葉を選びました。
「そう……。でも、わたくしにできることはありませんわ。あなたが嘘をついていたのは事実なのでしょう? それを挽回する手立てなんて、わたくしには皆目見当がつきません」
けれど、マリアンヌはわたくしの言葉を聞き流すようにして、さらに声を震わせます。
「お姉様が悪いのよ……! あなたが高慢で冷たい女だって殿下に吹き込んだのはわたくしだけれど、でもそうしなければ、いつまでも殿下の婚約者がリュシエンヌお姉様だったんだから! わたくしは、わたくしは……ただ、幸せになりたかっただけなのに……!」
その訴えに、わたくしの背後のヴァレンティン公爵が鼻で笑う気配を見せました。彼はソファに腰掛けたまま、静かにマリアンヌを見下ろすような視線を送っています。
「おいおい、そこの令嬢。お前が王太子の心を弄んで、妊娠を偽ったのも全部“幸せになりたかった”で済ませるつもりか? 随分と都合のいい話だな」
低く冷たい声。マリアンヌはハッと息を飲み、彼の鋭い眼差しに抗えないように目を伏せました。よほど居心地が悪いのでしょう。もともと、ヴァレンティン公爵のような強大な権力者を前にして、平然と渡り合えるほどの度胸は彼女にはありません。
「わ、わたくしは……うぅ……」
マリアンヌはか細い声で嗚咽をこぼします。しかし、それだけです。自分が悪かったと認めるわけでもなく、反省の態度を示すわけでもない。まるで“被害者”のフリをすることで、誰かが救いの手を差し伸べてくれるのを待っているのです。
わたくしはその姿を見て、あらためて「この人は何も変わらないのだな」と悟りました。昔からそうでした。自分が窮地に立たされると、周囲に被害者ぶって泣きつき、同情を引こうとする。でも、嘘や裏切りを働いたのは彼女自身。それを認めない限り、誰も助けてはくれないでしょう。
「お帰りなさい、マリアンヌ。わたくしに何かできることはありませんし、あなたもベルナール家に戻るつもりはないでしょう? それとも、公爵家に戻ってやり直すとでも言うの?」
そう問いかけると、マリアンヌは「そんなことできるはずがない……!」と掠れた声を漏らしました。彼女は父エドモン公爵の継娘ですが、正式な“ベルナール家の跡取り”という立場ではありません。もともと結婚し、王太子妃としての人生を歩むことを“最大の目標”としていただけ。今さら公爵家に戻ってきても、もう居場所はないでしょうし、継母も肩身が狭くなっているはず。
「じゃあ、どうするの? それをわたくしに相談しても仕方ないわ。王太子殿下はあなたを守ってくれないのかしら?」
わたくしの言葉に、マリアンヌは怒りか悲しみか分からない表情を浮かべ、声を荒げました。
「殿下は、わたくしのせいであんな目に遭ったと罵るのよ……! “お前が余計な嘘をつくから、オレの評判が下がったじゃないか”って。殿下こそ、わたくしを選んでおきながら何もしてくれない。こんなの……こんなの、あんまりですわ!」
まるで子どものような言い分です。選んだのは殿下、選ばれたのは自分、ゆえに「何があっても守ってもらえるはず」と信じていたのでしょう。そうして妊娠偽装までしてしまったのだから、当然殿下が怒るのも無理はありません。
わたくしは呆れ混じりのため息をつき、やれやれという気分で視線を彼女から外しました。そんなわたくしの態度に気づいたのか、マリアンヌは最後の悪あがきのように、わたくしの手を掴んできます。
「お願い、リュシエンヌお姉様……あなたなら何とかできるでしょう? 国王陛下や殿下に取り入って、わたくしを許してもらえるように言ってちょうだい! ベルナール家の令嬢として……いえ、ルーアン公爵の婚約者としてなら、きっと影響力もあるはずよ!」
彼女の目は必死です。それだけ追い詰められているということでしょう。しかし、わたくしは手を振りほどき、静かに首を振りました。
「しつこいですわね。マリアンヌ、あなたは自分がやったことの重大さをまるで理解していない。わたくしが口を挟んだところで、王太子妃の座が戻ってくるわけでもない。国王陛下があなたを許すと思うの? そんな甘い話ではありませんわ」
それどころか、わたくしが口を出せば「ルーアン公爵がマリアンヌを庇う理由は?」と余計な憶測を呼ぶかもしれません。政治的に見てもリスクしかない。そもそも、わたくしは彼女を助けたいなどと思ったことは一度もありません。
マリアンヌは、わたくしの冷淡な拒絶に絶望したのか、崩れ落ちるようにして床に膝をつきました。ぽろぽろと涙をこぼしながら、呟きます。
「どうして……? わたくしは、ただ、王太子妃になりたかっただけなのに……。お姉様から奪えば、わたくしが幸せになれると思っていたのに……」
その姿に、わたくしは微塵の同情も抱けませんでした。なぜなら、幸せを得るために他人を貶め、自分の嘘を正当化していたのは彼女自身だから。わたくしもかつては高慢だと言われながら、王太子妃教育を受けていましたが、それはあくまで家の責務と割り切っていたにすぎません。マリアンヌのように“偽りの手段”で他者を蹴落として手に入れる幸せなど、長続きするはずがないのです。
ヴァレンティン公爵はソファを立ち上がり、呆れたように言葉を吐き捨てました。
「まったく、時間の無駄だったな。リュシエンヌ、もう行こう。こんなくだらん話に付き合う義理はない」
わたくしも深く同意しました。マリアンヌがどんなに泣き叫ぼうと、彼女が自らの過ちを認めてやり直そうとしない限り、誰も助けようとはしないでしょう。
「そうね。マリアンヌ、もうお引き取りなさい。ここにいても何も変わらないわよ。ベルナール家にも戻れませんもの」
わたくしはそう言い捨て、ドアへ向かいました。侍女たちが慌ててマリアンヌを抱き起こそうとするのを横目に、ヴァレンティン公爵とともに応接室を出ます。後ろから、マリアンヌの「お姉様……!」「お願い……!」という悲痛な声が聞こえてきましたが、わたくしは振り返ることなく廊下を進みました。
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