泣いて許しを乞いなさいよ〜復讐代行〜

Ruhuna

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「ん……」


カーテンのない窓から私の顔に朝日が降り注ぐ
体は重く、だるい
なんとか体を起こして辺りを見渡す

ベッドと椅子、机、この3つしかない殺風景の部屋にディアナは住んでいたようだ


「鏡…」

ベットから立ち上がり机の上にある鏡に手を伸ばす
そこには先ほどまで話していたディアナの、金色の髪とエメラルドのように輝く瞳がこちらを見ていた


「不思議な感覚ね…、着替えよう」


着用しているのは明らかにパジャマと思われるひらひらとした生地の薄い服だ
何か着替えられるものがないか辺りをキョロキョロと見渡す


『右奥の続き扉の向こうに少ないけどドレスがあるわ』


「え?!ディ、ディアナ?!」

どこからともなく聞こえたディアナの声に驚愕する
声の聞こえた方を見ると天井の角からするりと半透明のディアナがでてきた

『神様が、せっかくなら近くで見た方がスッキリするかもよ。って』


「変な神様だね」


『そうね。でも確かにそうだなって思ったからヒナのそばにいてもいいかしら?』

「ディアナの好きにしたらいいわ」


ありがとう。と笑いながらディアナが後ろから私の肩に両手を置いた


『知識面でサポートできることはするわね』

「助かるわ。この体になってディアナの習ってきたことはわかるみたいだけど、それ以外は不安だったから」


ディアナの体に憑依した瞬間に流れ込んできた記憶だけでは心とも無かったのでディアナの存在はありがたい


「それじゃあ。早速、動きましょうか」

『何をするの?』

「まあ見てて」


不安そうにしているディアナを尻目に私は早速いちばん手前にあったドレスに袖を通した




ーー





チリンチリン



(「さて、どのくらいでくるかしら」)


机の上に置いてある使用人を呼ぶためのベルを鳴らす
ディアナの記憶では鳴らしてから20分、ひどい時は1時間後に来ることもあったそうだ






「何でしょうかお嬢様」


「遅いわ。ベルを鳴らしてから30分後にくるなんてどういうこと?」


「えっ…」


30分後にやってきたメイドは扉をノックするわけでもなく入ってきた上にめんどくさそうにディアナに声をかけた


「メイドとしての自覚がないようね?……使えないメイドはいらないわ。執事長を呼びなさい」

「えっえ?執事長を…?」


ディアナは基本、反論はしない
今までずっと横暴な態度を取られても黙って耐え忍んでいたようだ
私の後で浮遊しているディアナ本人はオロオロとしている


「聞こえなかったの?執事長を呼べ。といったの。言うことが聞けないメイドには躾が必要かしら…」


パシンパシンと近くにあった鞭を手に持ち床を強めに叩く
その音を聞いたメイドは顔を真っ青にした


「は、はい!よんでまいります!!」


「5分以内に呼びなさい」


失礼します、と部屋から立ち去ったメイドを尻目に後ろにいるディアナに振り向く


「少し、貴女の思うやり方と違うかもしれないけど大丈夫?」


『……すごいわ!!全然大丈夫よ!ありがとう!ヒナが好きなようにやって!』


爛々と嬉しそうに笑う彼女をみてふっと口元が緩む
どうやらこのやり方でも問題はないようだ


空中できゃー!と、喜ぶディアナを尻目に私は机に向かう
申し訳位程度に置かれた紙とペンで1通の手紙を書いた
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