2 / 24
2
しおりを挟むデナム国は100年前まではデナム王国として小さいながらも帝国に面する場所としてそれなりに栄えていた
なので小さい割には発展しているし、人口だってそれなりに多い
それも100年前の大革命により王権制から共和制へと時代は流れて行った
王族は国の象徴として存在はしているが政治に口を出すことは許されていない
一部の公爵や侯爵達は政治に関与しているがそれもしっかりと選挙で当選した者たちだった
近代化が進んだとはいえ男女の社会進出の差は凄まじく大きい
なので女性たちは大体が学生時代に恋人を作ることで嫁ぎ先を確保し、そして就職もできたらいいな~ぐらいの感覚で学院に通っている人が多い
例に漏れず私もその1人になる予定だった
そう、予定だったのだ
腐っても伯爵令嬢
それに容姿だってそんなに悪くない
貴族に多い金髪、そして青い瞳
絶世の美女ではないが10人中7人ぐらいは可愛いと言ってくれるかもしれない
なので恋人も簡単に作れるだろうと思っていた
だが現実は厳しすぎた
おそらく一昔前であれば貴族と縁を持ちたい豪商の跡取り息子たちに相手にされていたのかもしれないが、現在ではそう言った特権は魅力的ではなくなっていたのだ
つまり貴族としての特権が本当に欲しい人たちは上位貴族たちばかり相手にするのだ
中堅の、しかも没落しかけてる伯爵家の私に声をかけてくれる男性は皆無だった
(「どうしよう…お父様たちに啖呵を切ってきたのに…」)
メリッサのいなくなった寮の部屋で1人項垂れる
卒業はもうそこまで迫ってきている
考えても考えても最良の答えが出ない私は考えるのを諦めた
「女は度胸よ!!どうにかなるわ!!」
よし!と拳を突き上げて意気込んだ私は卒業に向けて荷物をせっせと片付け始めた
ーー
「結婚、ですか…?」
考えるのをやめて吹っ切れたあの日から1週間後
無事に学院を卒業した私は現在、実家に身を寄せている
本来であれば街に家を借りてキャリアウーマンになる予定だったのに…
恋人もいない、仕事もない私はニートとして実家で大人しく過ごしている
「絶対仕事をするんだから!!」と1年前にお父様達に言い放った私は結局仕事を見つけることなくすごすごと帰ってきたのだ
そんな私を見てお父様は苦笑いだった
お父様は街役場の事務処理として働いている
なんとかコネ入社できないかそれとなく聞いてみたが答えはノーだった
さらに項垂れる私を見てお父様が言いにくそうに口にしたのが「結婚」の言葉だった
「先代の、フィオナのお爺様時代の借金の件は話はしたよね。」
「うん。あと500万円だよね?」
お父様のお父様。私からしたらお爺様は良くも悪くも貴族だった
お爺様が生まれた頃はまだ貴族が貴族として生きていた時代だ
時代の流れに乗れなかったお爺様は慎ましい生活を受け入れられなかった
そして残ったのは多額の借金
私が生まれた時にはすでに1000万円を超える借金がありお父様が必死に働いて返済をしていた
借金を作るだけ作ったお爺様は私が5つになる前に他界している
「残りの借金を肩代わりしてくれる上に領地経営に必要な資金まで出してくれるそうなんだ」
「そうなの?!相手は誰なの…?」
「帝国1の商会、テンパートン商会会長のアレックス・テンパートン殿だ」
25
あなたにおすすめの小説
ソウシソウアイ?
野草こたつ/ロクヨミノ
恋愛
政略結婚をすることになったオデット。
その相手は初恋の人であり、同時にオデットの姉アンネリースに想いを寄せる騎士団の上司、ランヴァルド・アーノルト伯爵。
拒否に拒否を重ねたが強制的に結婚が決まり、
諦めにも似た気持ちで嫁いだオデットだが……。
【完結】微笑みを絶やさない王太子殿下の意外な心の声
miniko
恋愛
王太子の婚約者であるアンジェリクは、ある日、彼の乳兄弟から怪しげな魔道具のペンダントを渡される。
若干の疑念を持ちつつも「婚約者との絆が深まる道具だ」と言われて興味が湧いてしまう。
それを持ったまま夜会に出席すると、いつも穏やかに微笑む王太子の意外な心の声が、頭の中に直接聞こえてきて・・・。
※本作は『氷の仮面を付けた婚約者と王太子の話』の続編となります。
本作のみでもお楽しみ頂ける仕様となっておりますが、どちらも短いお話ですので、本編の方もお読み頂けると嬉しいです。
※4話でサクッと完結します。
【完結】義母が来てからの虐げられた生活から抜け出したいけれど…
まりぃべる
恋愛
私はエミーリエ。
お母様が四歳の頃に亡くなって、それまでは幸せでしたのに、人生が酷くつまらなくなりました。
なぜって?
お母様が亡くなってすぐに、お父様は再婚したのです。それは仕方のないことと分かります。けれど、義理の母や妹が、私に事ある毎に嫌味を言いにくるのですもの。
どんな方法でもいいから、こんな生活から抜け出したいと思うのですが、どうすればいいのか分かりません。
でも…。
☆★
全16話です。
書き終わっておりますので、随時更新していきます。
読んで下さると嬉しいです。
公爵令嬢は嫁き遅れていらっしゃる
夏菜しの
恋愛
十七歳の時、生涯初めての恋をした。
燃え上がるような想いに胸を焦がされ、彼だけを見つめて、彼だけを追った。
しかし意中の相手は、別の女を選びわたしに振り向く事は無かった。
あれから六回目の夜会シーズンが始まろうとしている。
気になる男性も居ないまま、気づけば、崖っぷち。
コンコン。
今日もお父様がお見合い写真を手にやってくる。
さてと、どうしようかしら?
※姉妹作品の『攻略対象ですがルートに入ってきませんでした』の別の話になります。
退役騎士の居候生活
夏菜しの
恋愛
戦の功績で騎士爵を賜ったオレーシャは辺境を警備する職に就いていた。
東方で三年、南方で二年。新たに赴任した南方で不覚を取り、怪我をしたオレーシャは騎士団を退役することに決めた。
彼女は騎士団を退役し暮らしていた兵舎を出ることになる。
新たな家を探してみるが幼い頃から兵士として暮らしてきた彼女にはそう言った常識が無く、家を見つけることなく退去期間を向かえてしまう。
事情を知った団長フェリックスは彼女を仮の宿として自らの家に招いた。
何も知らないオレーシャはそこで過ごすうちに、色々な事を知っていく。
※オレーシャとフェリックスのお話です。
【完結】伯爵令嬢の25通の手紙 ~この手紙たちが、わたしを支えてくれますように~
朝日みらい
恋愛
煌びやかな晩餐会。クラリッサは上品に振る舞おうと努めるが、周囲の貴族は彼女の地味な外見を笑う。
婚約者ルネがワインを掲げて笑う。「俺は華のある令嬢が好きなんだ。すまないが、君では退屈だ。」
静寂と嘲笑の中、クラリッサは微笑みを崩さずに頭を下げる。
夜、涙をこらえて母宛てに手紙を書く。
「恥をかいたけれど、泣かないことを誇りに思いたいです。」
彼女の最初の手紙が、物語の始まりになるように――。
聖女の座を追われた私は田舎で畑を耕すつもりが、辺境伯様に「君は畑担当ね」と強引に任命されました
さら
恋愛
王都で“聖女”として人々を癒やし続けてきたリーネ。だが「加護が弱まった」と政争の口実にされ、無慈悲に追放されてしまう。行き場を失った彼女が選んだのは、幼い頃からの夢――のんびり畑を耕す暮らしだった。
ところが辺境の村にたどり着いた途端、無骨で豪胆な領主・辺境伯に「君は畑担当だ」と強引に任命されてしまう。荒れ果てた土地、困窮する領民たち、そして王都から伸びる陰謀の影。追放されたはずの聖女は、鍬を握り、祈りを土に注ぐことで再び人々に希望を芽吹かせていく。
「畑担当の聖女さま」と呼ばれながら笑顔を取り戻していくリーネ。そして彼女を真っ直ぐに支える辺境伯との距離も、少しずつ近づいて……?
畑から始まるスローライフと、不器用な辺境伯との恋。追放された聖女が見つけた本当の居場所は、王都の玉座ではなく、土と緑と温かな人々に囲まれた辺境の畑だった――。
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる