4 / 24
4
しおりを挟む「アレはどこにあるの?」
「ピアスはこれよね?」
「ちょっとそれどかしておいて」
「ドレスの準備よし!」
「…………」
夢でも見ているのだろうか
アレックスさん(本人からはアレクと呼んで欲しいと言われたが無理)からの熱烈?な愛の告白をされた私は遠のいた意識の中結婚について熱く語るアレックスさんに言いくるめられ、気づいたら婚姻届にサインをしていた
アレックスさんの推しに負けてしまった
乗ってきた自動車で実家まで送ってもらった私の意識がはっきりしたのは自室の椅子に座った時だった
時すでに遅し。
まさにこの言葉の通り、私が声を上げる前に全てのことが終わっていた
「お嬢様?」
そんな回想に浸りながらぼんやりと動き回るメイド達(アレックスさんが手配)はあの日から我が家で私付きのメイドとして働いてくれている
そして2週間経った今日
結婚式を挙げるため朝4時に起こされてドレスアップの準備をされている
ぼんやりとする私をよそにメイド達は慌ただしく動き回っている
そのうちの1人、アイラが私に声をかけてきた
彼女は私の2つ年上でこの2週間で1番仲良くなったメイドだった
「ドレスがすごいなって思ってたの」
「そうですよね!こんな素敵なドレスを準備できるなんてさすが旦那様ですね!」
部屋の中央に準備されているプリンセスラインの真っ白なウェディングドレス
スカート部分にはチュールやレースを幾重に重ねてふんわりと品よくボリュームを持たせている
デコルテはハートカットになっておりそこから腰にかけては繊細な刺繍が施されている
一目で一級品だとわかるそのドレスはアレックスさんが準備して持ってきたものだ
そのこと自体に異論はない
ただ、このドレスのデザインが、1年前に兄嫁である義姉と「こんなドレス作りたいよね~」という妄想話で私がパーツを選んで書いたあのドレスと全く同じのドレスなのだ
なぜ、なぜ?!
その一言に尽きる
アイラはドレスを見てうっとりとしている
私はなんだか背中がゾワゾワしてしまう
「さて、着替えましょう!」
4人のメイドのうち1番年上の1人がパンパンと手を叩いた
メイド4人がかりで着付けられたドレスは見た目に反して思ったよりは軽く、動きやすかった
くるりと回るとふわりとチュールとレースが揺れるのをみて私は心の中でドキドキしていた
なぜ、このドレスが作られたかは不明だが着たかったドレスを着れるのは純粋に嬉しいからだ
「お嬢様。こちらに座ってまっすぐ鏡を見てくださいね」
メイドの1人に促されて鏡台の前に座る
そこから1時間みっちりとメイクをされて出来上がった頃には達成感に満ち溢れたメイド達とげっそりした私がいた
ーー
「入ってもいいかな?」
「はい!」
全ての準備が終わった私の元にやってきたアレックスさんは律儀に入室のお伺いを立てた
快く返事する私の声が聞こえたのかガチャリと開かれたドアから黒のタキシードに身を包んだアレックスさんが入ってきた
「「………可愛い/かっこいい」」
「よく似合ってるよフィオナ」
「ありがとうございます。アレックスさんも素敵です」
お互いがお互いを照れながら褒め合う
ゆっくりと近づいてきたアレックスさんを見上げればその顔は嬉しそうに微笑んでいた
46
あなたにおすすめの小説
ソウシソウアイ?
野草こたつ/ロクヨミノ
恋愛
政略結婚をすることになったオデット。
その相手は初恋の人であり、同時にオデットの姉アンネリースに想いを寄せる騎士団の上司、ランヴァルド・アーノルト伯爵。
拒否に拒否を重ねたが強制的に結婚が決まり、
諦めにも似た気持ちで嫁いだオデットだが……。
【完結】義母が来てからの虐げられた生活から抜け出したいけれど…
まりぃべる
恋愛
私はエミーリエ。
お母様が四歳の頃に亡くなって、それまでは幸せでしたのに、人生が酷くつまらなくなりました。
なぜって?
お母様が亡くなってすぐに、お父様は再婚したのです。それは仕方のないことと分かります。けれど、義理の母や妹が、私に事ある毎に嫌味を言いにくるのですもの。
どんな方法でもいいから、こんな生活から抜け出したいと思うのですが、どうすればいいのか分かりません。
でも…。
☆★
全16話です。
書き終わっておりますので、随時更新していきます。
読んで下さると嬉しいです。
【完結】伯爵令嬢の25通の手紙 ~この手紙たちが、わたしを支えてくれますように~
朝日みらい
恋愛
煌びやかな晩餐会。クラリッサは上品に振る舞おうと努めるが、周囲の貴族は彼女の地味な外見を笑う。
婚約者ルネがワインを掲げて笑う。「俺は華のある令嬢が好きなんだ。すまないが、君では退屈だ。」
静寂と嘲笑の中、クラリッサは微笑みを崩さずに頭を下げる。
夜、涙をこらえて母宛てに手紙を書く。
「恥をかいたけれど、泣かないことを誇りに思いたいです。」
彼女の最初の手紙が、物語の始まりになるように――。
ある公爵令嬢の死に様
鈴木 桜
恋愛
彼女は生まれた時から死ぬことが決まっていた。
まもなく迎える18歳の誕生日、国を守るために神にささげられる生贄となる。
だが、彼女は言った。
「私は、死にたくないの。
──悪いけど、付き合ってもらうわよ」
かくして始まった、強引で無茶な逃亡劇。
生真面目な騎士と、死にたくない令嬢が、少しずつ心を通わせながら
自分たちの運命と世界の秘密に向き合っていく──。
【完結】微笑みを絶やさない王太子殿下の意外な心の声
miniko
恋愛
王太子の婚約者であるアンジェリクは、ある日、彼の乳兄弟から怪しげな魔道具のペンダントを渡される。
若干の疑念を持ちつつも「婚約者との絆が深まる道具だ」と言われて興味が湧いてしまう。
それを持ったまま夜会に出席すると、いつも穏やかに微笑む王太子の意外な心の声が、頭の中に直接聞こえてきて・・・。
※本作は『氷の仮面を付けた婚約者と王太子の話』の続編となります。
本作のみでもお楽しみ頂ける仕様となっておりますが、どちらも短いお話ですので、本編の方もお読み頂けると嬉しいです。
※4話でサクッと完結します。
公爵令嬢は嫁き遅れていらっしゃる
夏菜しの
恋愛
十七歳の時、生涯初めての恋をした。
燃え上がるような想いに胸を焦がされ、彼だけを見つめて、彼だけを追った。
しかし意中の相手は、別の女を選びわたしに振り向く事は無かった。
あれから六回目の夜会シーズンが始まろうとしている。
気になる男性も居ないまま、気づけば、崖っぷち。
コンコン。
今日もお父様がお見合い写真を手にやってくる。
さてと、どうしようかしら?
※姉妹作品の『攻略対象ですがルートに入ってきませんでした』の別の話になります。
退役騎士の居候生活
夏菜しの
恋愛
戦の功績で騎士爵を賜ったオレーシャは辺境を警備する職に就いていた。
東方で三年、南方で二年。新たに赴任した南方で不覚を取り、怪我をしたオレーシャは騎士団を退役することに決めた。
彼女は騎士団を退役し暮らしていた兵舎を出ることになる。
新たな家を探してみるが幼い頃から兵士として暮らしてきた彼女にはそう言った常識が無く、家を見つけることなく退去期間を向かえてしまう。
事情を知った団長フェリックスは彼女を仮の宿として自らの家に招いた。
何も知らないオレーシャはそこで過ごすうちに、色々な事を知っていく。
※オレーシャとフェリックスのお話です。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる