ハプスブルク家の姉妹

Ruhuna

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病弱な妹

4.

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「お姉さま、痩せた?」
「何しにきたの?」
「最後のお別れに来たの」


あれから数日後
お姉さまは牢屋に入れられた


いよいよ明日は死刑の日だ


お姉さまは、ざんしゅけい?っていうのをされるらしい



エルナンド様は行かなくていいっていったけどお姉さまと最後にお話ができるのはこれが最後だよ、と王妃様に言われたからエルナンド様に黙って牢屋まできた


「ソルティナ。最後に聞きたいことがあるの」
「なあに?」
「私のものを奪って楽しかった?」
「楽しい?楽しかった、、のかな?」


わたしはお姉さまに話した
お姉さまが持っていたらキラキラしていたものが、わたしがもつとキラキラしなくなるのはどうしてなのか


「そんなの簡単よ。努力して手に入れたものだからこそ輝かしく見えるのよ。あなたがしていたのはそれを横取りするだけ。意味もわからないものを持っても使いこなせないあなたには宝の持ち腐れだったの」
「……どういうこと?」
「あはは!我が妹ながらなんて頭が悪いの!あーおかしい!可愛がるだけで教育もしないなんてもはや虐待ね!」


お姉さまの話はあいかわらず難しい
宝の持ち腐れ?ぎゃくたい?
わたしにはわからないことばかりだ


ひとしきり笑ったお姉さまはわたしを見上げた


「良いことを教えてあげる」
「あなたが一番輝けるはずよ」


そういったお姉さまの言葉にわたしは食いついた
最近、お姉さまがいないから奪えるものがなくなって困っていたのだ


「明日、私は死ぬの。でもね、その場面を全国民が見るの」
「全員が?」
「そうよ。全員の視線が1に注がれるの」


素敵よね。と笑うお姉さま
全国民といえば何人いるかわからないがお屋敷にいる使用人より数が多いのはわたしでもわかる
そんなたくさんの人から視線を向けられるなんて



(素敵だわ…!!)


わたしは久しぶりの高揚感に体が震えた
王太子の婚約者として王城に上るようになって以前よりもさらにみんながかまってくれるが、みんな、わたしと話をすると次から会いに来なくなるのが不思議だった

今ではかまってくれるのはわたし付きの使用人とエルナンド様、王妃ぐらいになってしまった

それが全国民からの視線を向けられるなど想像しただけで体の奥から熱いものが込み上げてきた


「ずるいわお姉さま!わたしに頂戴!」
「ええ、いいわよ。そしたら私のいう通りに明日は動いてくれる?」
「え…でも明日はエルナンド様がそばにいるようにって」
「そう。残念ね」


それなら仕方ないわね、と言い背中を向けたお姉さまに必死に声をかけた


「まってお姉さま!お話だけ!お話だけ教えて!」
「………しょうがないわね。そしたらお話だけよ?」



ほら、お姉さまはいつだってわたしが欲しいものはくれる優しいお姉さまなんだから






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