知らない言葉、知らない感情。

雨水

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自立への道

20話〜ヴァロー視点〜

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俺らの番が来たから、タグを門番に見せる。

「ヴァローさんとロジーさんですね!お帰りなさい!そちらの子供は?」

「あぁ、今回の討伐依頼の途中で保護した子なんだが…タグを持っていないんだ。タロという名前は分かってるがそれ以外は情報がねぇ。とりあえず明日教会まで連れてく予定だ」

タロが不安そうに見てくるので頭を撫でてやりながら、門番に事情を説明する。

「そうだったんですね。ヴァローさんがついていれば安心ですが、一応タグが出来次第こちらに寄ってもらえればと思います」

「わかった」

Sランクの俺がついてるからか割とすんなり入れた。

今乗っている馬を返しにドグ爺さんの息子夫婦がやっている貸馬の所へ行く。

馬を返すと歩きってことになるんだが、タロはたぶん今歩けねぇよな。

まあ抱えて歩けばいいか。

馬から降りてタロを抱き上げる。

「バロー!?」

「タロ、歩く、駄目」

コイツは無理してでも歩きそうな気がするから、歩かせる気はないことを伝えた。

馬を返して冒険者ギルドに依頼の報告をしに行く。

俺が子供抱きかかえているのが物珍しく、すぐに注目の的だ。

タロは恥ずかしくなったようでフードを被り、俺の胸に顔を押し付けてくる。

ヤバい……なにこの可愛い生物。

ギルドに着くまでに町の人から散々なことを言われた。

「ヴァローさん!いつの間に子供ができたんですか!」

「相手は誰なの?」

「でもあの子供10歳くらいじゃね?」

「隠し子か!?」

そんな話を適当に受け流していたらギルドに着いていた。

受付のルーナのところで報告して報酬をもらうだけの事なんだが、今回はタロのことも説明しとかねぇとな。

「ルーナ、魔の森の害魔獣はかなり減らせたと思うぞ。これが討伐した害魔獣の魔石だ」

「あら結構あるのね。報告はそれだけじゃ無いでしょうね?その可愛い子は何なの!」

「あーその、魔の森の奥で保護したんだ。タグを持ってないみてぇだから明日教会に連れていく。今できる報告はそれぐらいだ」

「なにー?そのヴァローさんには懐いてますみたいな仕草、可愛いんですけど。ルーナお姉さんにも懐いて欲しいわ」

「こちらの言葉がわからねぇみたいだし、追々な」

「タグも持ってないし言葉も分からないなんてどこの子なのよ?」

「それも追々だな」

「そう、ね。じゃあ魔石の買取と依頼の報酬を。明日その子の報告きなさいよ」

「あぁ」

報酬と買い取ってもらった金をしまう。

「じゃあな」

「はーい」

ギルドを出てロジーと別れる。

「バロー、どこ、行く?」

「タロ、ヴァロー、寝る」

もう遅いし屋台でメシ買って家に帰るかぁ。

目に留まった焼き鳥屋で適当に買い込んで、俺の家に帰る。

明かりをつけてからタロを椅子に下ろし、さっき買った焼き鳥を渡す。

ん、これ美味いな。

何も考えず買った焼き鳥は案外美味しかった。

「バローありがとー」

タロも美味しいと感じたのかお礼を言ってきた。


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