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9話〈熊獣人〉
しおりを挟む熊獣人さん視点のお話に入ります
いろいろ設定を生やしてまとめていたので時間がかかってしまい申し訳ないです。
先に言います!私のネーミングセンスはゼロです!
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隣国のジャマーナ王国は自由の国とは名ばかりの黒い噂の絶えない国だ。一方俺の国、ユウノーウ帝国は法と秩序の国と呼ばれるくらいの獣人の国だ。これを聞いただけでも隣国とユウノーウ帝国は相容れないのだが、近年ジャマーナ王国の王位争いが激しく帝国側も特に警戒している。
そんな中、前皇帝と前皇后の三女の母と帝国軍人の父との間に生まれた俺、ウィリアム・バーナードは父と同じ帝国軍人になり、ジャマーナ王国の諜報任務に就いた。今は王国側の国境町に家を借り、傭兵の仕事をしながら国の情勢や違法奴隷についてを調べている。
このジャマーナ王国では俺の国とは違い奴隷制度がある。法を犯したものは犯罪奴隷。借金が払えずに奴隷に堕ちたものは借金奴隷。口減らしで売られた女子供は愛玩奴隷。妻や子供は父の所有物というのがこの国の常識らしいが、俺からしてみれば気分が悪くなる常識だ。
俺が調べている内の一つ違法奴隷と言うのは、誘拐や冤罪などで奴隷に落とされた獣人、又はその番ついてだ。ユウノーウ帝国からジャマーナ王国へ向かった商人や旅人が帰ってこないという事がここ数年多発してる。実際王都の城下町にいる仲間からは数人の行方不明者が奴隷として売られている事がわかっている。
悔しいことに正面から帝国民の返還を求めても、のらりくらりとかわされる。ユウノーウ帝国の大人は腕には国の印のタトゥーを入れるが、上から塗って隠してしまえば分からなくなる。店主もそれをわかっていて「よそから買い取った商品だ!」とか「こいつはこの国で犯罪を犯しているから解放は出来ない」「店の商品は金を払って貰わないと渡せない」強気に出る。結局はお金を払い保護するしかないのが現状だ。
奴隷商の店は商店街や市場での安売りもあるが俺が家を借りている場所から少し離れた治安の悪い地域の方が表立って売れない奴隷が多く売られている。
今日もそういう店が並ぶ通りを行方不明が居ないか捜し歩く。名前、見た目や喋り方、何の獣人なのかを書いたメモを見ながら商品として売られている、獣人、人間、巨人族、ドワーフなどをみる。基本的には種族ごとに分けて売られているので獣人をメインで見つつ、人間の番と一緒に居なくなった獣人もいたので人間の奴隷も確認する。
そうやっていつもと同じように歩いていたが、途中でふわりと蜂蜜のような甘く花の香りが混ざったような匂いが風に乗って俺のもとに来た。
―――――!!
この匂いは番の匂いだ!俺の番が近くにいる!!
番に出会ったことのない俺だが本能で分かった。匂いを運んでくる風の方を向くと、人の流れの隙間から、ちらちらと見える。...黒髪の人間の奴隷。
俺の番は体を隠す様に座り込んで、人の流れを不安そうなそれでいて冷めているような黒い目で眺めていた。しかし俺がじっと見つめているのに気が付いたのか、俺の存在を瞳に移してくれた!全身に今までに感じたことのない感情が巡る。
俺を認識してくれた嬉しさと、番が奴隷として扱われている怒りで人の流れを突っ切って番のもとに行く。すぐに目を逸らされてしまったが、俺は早く自分の手の中に閉じ込めたい気持ちが溢れて、気が付けば商人から買い取り抱き上げていた。
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説明多めになってしまったので退屈だったかもですね。
次回は、熊獣人ことウィリアム・バーナードさんがどう思っているのかが分かると思います
更新のろまですが、待ってていただけると嬉しいです。
応援ありがとうございます!
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