【完結】あなたを愛してる。だから逃がしてなんてあげない……。

美杉日和。(旧美杉。)

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第一話 突然の最愛の彼の死

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立花たちばなさんでよろしいでしょうか?」

「……はい、そうですけど……」


 警察からの電話はそんな風に始まった。

 まるでテレビドラマを見ているように、その電話は旦那の死を告げた。

 交差点でのトラック事後。

 相手はスマホを持ったままのわき見運転だという。


「落ち着いてきいていただきたい。実はあなたの旦那様が交通事故に巻き込まれて……」

「え?」


 わけもわからぬまま警察署を訪れ、冷たくなったあなたと対面した。

 確かに今朝、『行ってきます』とキスをしてくれたはずの彼はもういない。


「どうして……なんで? なんで私を置いていなくなっちゃうの!」


 泣き崩れる私を、女性の警察官が抱える。

 確認をと言われ、彼の荷物を受け取った。

 ロックのかかったスマホを彼の指紋で解除して持ち帰る。


 そしてあれよあれよという間に、通夜葬式は行われた。


 ただ一人残される二人の部屋。

 思い出だけが詰まったその部屋は、ただの寂しさとどこか息苦しさだけが広がっている。


「……辛いよぅ……なんで……なんで……一人でなんて……」


 私と彼の二人が写った写真が、色あせて見えた。



 彼との出会いは、大学時代の同じサークルだった。

 彼の周りにはいつも男女問わず仲間がたくさんいた。

 そんな彼に一目惚れをした私。

 大好きで大好きで、何度もアタックした上で付き合うことに成功した。

 そしてそのまま卒業後に結婚。

 誰もが羨むようなラブラブな家庭を築けてきた自負もある。

 結婚一年目。

 まだ子どもはいなかったが、週末には必ずデートもしていた。


「私にはあなたが全てだったのに……」


 そう。全て。

 どんな日もずっと側にいてくれて、いつでも声を聞いていたくて……。


「いやだ、いやだよぅ。……置いて行かないで。一人にしないでよ」


 今更一人の生活なんてもう私には、無理だ。

 アルバムをめくり、零れ落ちる涙を拭う。

 二人で撮った画像を流せば、大好きだったあなたの声が流れた。


「うぇーーーん。無理だよ。どうすれば……どうしたら……」

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