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第一章
11.動き始める
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メインストリートは人が多く、広くもない道はどうも歩き辛い。
「息苦しいし近道するか……」
病み上がりの身体で人混みは少々苦痛だったので、メインストリートから細い路地に入った。雑居ビルや夜しか開いてないような暖簾の下りた店がある道を昼間に通る者は滅多にいない。
快適なまましばらく路地を進んでいくと、
「ねぇねぇ、少しくらい遊んでかね? どこでもいいよ? カラオケ? ゲーセン? なんでも奢ってあげるからさ」
少し開けた場所に、他校の制服を着た柄の悪い男子高校生が数名屯っていた。悪友を見慣れている悠からしてみればまだ生易しい類。だがダボダボの制服に煙草、染めた金髪などは一般人からしたら近寄りがたい存在だ。
「あいつら……第三高の」
そんな存在の中の何人かに悠は見覚えがあった。過去に一度だけ、千鶴と一緒に蹴散らした相手だ。
「ま……触らぬ何とかに祟りなしっと」
余計な面倒は避けようと、脇道に向かおうとした悠だったが。
「あ、おーい織笠くーん。ちょうどいいところに」
不良集団の真ん中から、今一番耳にしたくない声が上がった。思わず足を止めてしまう悠。ゆっくりとそちらに顔だけ向けると、
「彼ら、興味無いって言ってもしつこくてなかなか解放してくれないのよ。少し助けてくれないかしら?」
悠を見た瞬間、明らかに殺意の籠った剣幕に変わる不良たちの中心。そこになぜか乃瀬エリカがいた。まるで緊張感の欠片さえない笑みで手を振っている。
「――」
何も見なかったことにしてさっさと逃げようかと思った悠。だが、状況が状況なだけに見て見ぬ振りもできなくなってしまった。
「てめぇ織笠ァ!」
悠が彼らを覚えているくらいだ。ボコボコにされた憎き相手を不良たちが忘れるわけがない。エリカをナンパするのに夢中だったことなど忘れ、不良たちは悠の方へ向かってくる。
「今日は一人か? 獅子神の野郎がいねぇのは都合いい」
煙草を地面に捨てながら、不良の一人が悠の進路を塞いだ。煙草と香水の混じった気持ち悪い臭いが鼻を刺す。
「ウチの生徒にちょっかいかけるなよ。千鶴の奴にボロカスにされたのを忘れたのか?」
進路を断たれ足の止まった悠はすぐに不良たちに囲まれてしまった。
全員、ただならぬ気配で卑しい笑みを浮かべている。
「おーおー、正義の味方ですか? 善人ぶってんじゃねぇよ!」
男は悠の胸倉を掴み上げる。反動で、悠の持っていた買い物袋と鞄が地面に放り出された。
「はぁ……やめとけって。無駄に怪我するだけだぞ?」
「っは! 馬鹿か? テメェは一人。この人数差でいつまでそんな粋がっているつもりだ?」
目の前のニタニタ笑みを浮かべる男の他には四人が悠を取り囲んでいる。中には、警棒のような物を持つ輩もいた。
「俺は言ったからな? それと、今は機嫌があまりよくないんだ。加減なんかしねぇぞ」
「っは! 相変わらずキザな野郎だなぶぎゃああああ!」
最後まで言い終わらない内に、悠の目の前に立ち塞がっていた男の身体が倒れる。悠の頭突きが前頭部にヒットしたのだ。仰け反ったところに悠の回し蹴りが男の頬を叩く。
男の身体は哀れにも路地のゴミ置き場に吹き飛ばされ、ぐったりと動かなくなった。
「お前、相変わらず口だけだな」
悠の一撃を皮切りに、他の不良たちが一斉に悠に飛び掛かってきた。
「この野郎! ブッ殺す!!」
背後から男の一人が警棒を悠に向かって振り下ろしたが、悠は軽くその不意打ちを避けた。男は悠に手首を掴まれると、足払いを受け腹に肘をもらい地面に伏した。
残りの三人の内、一番巨漢の男と金髪の優男が、正面から悠に殴りかかってくる。だが巨漢は悠の容赦ない右ストレートを顔面に、優男は膝蹴りを腹に食らいノックアウト。
「な、な、な!」
残った最後の男はあまりの光景に、後退りながら震えていた。
「言ったろ、手加減なんかしねぇって」
悠に睨まれ、男は思わず傍にいるエリカの方へ駆け出した。その手にはバタフライナイフが握られている。その刃を、あろうことかエリカへ向けたのだ。
人質にでもしようとしているのか、あまりの恐怖に男は一線を越えてしまっていた。
「馬鹿野郎! くっそ!」
男の異常な行動に悠も気が付きすぐに後を追う。
しかし、間に合わない。
男の手はやけに落ち着いて事の成り行きを見守っていたエリカに伸びていた。
その時だ、悠はエリカの蒼い目が輝いているように見えた。
「――オラアアアアアアアア!」
凶刃がエリカに届く寸前、男は突然割り込んできた何者かのタックルをモロに受けた。まるで車に撥ねられたかのように男の身体は宙を舞い、閉まっている店のガラス戸に体を打ち付け気を失ってしまった。
「――は? ち、千鶴!?」
男の傍に転がるバタフライナイフを奪い取りながら、悠の悪友である獅子神千鶴が振り返る。
「まーたこいつらか。この前もシバいたってのに懲りねぇな。足の骨を一本や二本折って歩けなくしてやろうか? ああ?」
「おいおいステイ。やめとけ、んなことしたら今度は停学じゃ済まなくなるぞ」
倒れる不良たちに今にも追い打ちしかねない千鶴を押さえる悠。
「――悪い、助かった。少し追い込みすぎたわ」
痛む拳を振りながら、悠は弱々しく呟く。
「穏健派のお前にしては、珍しいこともあるもんだぜ」
「いや、面目ない」
千鶴は悠の肩を叩くと、それ以上何も言わずエリカの方を向いた。
「乃瀬、大丈夫か? お前みたいな美人がこんなところにいると、こいつらのようなチンピラが黙っちゃいねぇぞ。さっさと帰んな」
こんな状況だというのに、乃瀬エリカは微笑んでいた。
「獅子神くん、強いのね。急に飛び込んで来たからビックリしたわ。でもありがとう」
千鶴に礼を述べたエリカは、地面に転がっている悠の鞄と買い物袋を拾いあげた。
二つを手に悠の元まで近づいていく。
「織笠くんも。助けてくれてありがとう」
「あ、ああ」
エリカは、余裕の表情で何事もなかったかのように微笑んでいる。見惚れるような微笑みだが、この場にはあまりにも不釣り合いだった。
荷物を悠に手渡すと、エリカは優雅に金髪を靡かせてメインストリートのある方へと歩いて行った。
「何でこんなところにいんだ? あいつ」
エリカの背中を見送りながら、千鶴が悠の隣に並んだ。
「それを言ったら千鶴、お前だって何でここに? たしか瑩たちと一緒だったんじゃ」
「さっきまでな。バイトで向かっていた途中、近道したらこれよ。体調万全になったらお前も復帰してくれよな。パートのおばちゃん達、お前が来なくなってから明らかに美形に飢えてやる気なくなってんだ」
「ああ、落ち着いたら顔だすよ」
「ま、病み上がりなんだから無茶すんなよ。喧嘩もほどほどにしとけ。また亜紀ちゃんに心配かけるぜ」
じゃあな、と倒れている因縁ある不良たちなどもはや眼中にない千鶴はエリカに続いてメインストリートの方へと向かっていった。
痛みに震える者以外、動く物が何もなくなった路地は繁華街の喧騒すら届いてこない。
一方、ビルの屋上から延びる非常階段で路地での喧嘩を見下ろしていた存在がいた。
全身を黒衣に纏い、深く被ったフードの中も黒に侵されている。
「――」
身動き一つなく、眼下の悠から目を外さない。フードの中にある闇の中に、ゆっくりと紅い光が二つ灯った。
「!」
突然背筋に悪寒が走り、悠は反射的に振り返ると頭上に顔を向ける。
路地を取り囲む雑居ビルの屋上付近、そこには今にも崩れそうな朽ちかけた非常階段だけがあるだけだった。
「息苦しいし近道するか……」
病み上がりの身体で人混みは少々苦痛だったので、メインストリートから細い路地に入った。雑居ビルや夜しか開いてないような暖簾の下りた店がある道を昼間に通る者は滅多にいない。
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「彼ら、興味無いって言ってもしつこくてなかなか解放してくれないのよ。少し助けてくれないかしら?」
悠を見た瞬間、明らかに殺意の籠った剣幕に変わる不良たちの中心。そこになぜか乃瀬エリカがいた。まるで緊張感の欠片さえない笑みで手を振っている。
「――」
何も見なかったことにしてさっさと逃げようかと思った悠。だが、状況が状況なだけに見て見ぬ振りもできなくなってしまった。
「てめぇ織笠ァ!」
悠が彼らを覚えているくらいだ。ボコボコにされた憎き相手を不良たちが忘れるわけがない。エリカをナンパするのに夢中だったことなど忘れ、不良たちは悠の方へ向かってくる。
「今日は一人か? 獅子神の野郎がいねぇのは都合いい」
煙草を地面に捨てながら、不良の一人が悠の進路を塞いだ。煙草と香水の混じった気持ち悪い臭いが鼻を刺す。
「ウチの生徒にちょっかいかけるなよ。千鶴の奴にボロカスにされたのを忘れたのか?」
進路を断たれ足の止まった悠はすぐに不良たちに囲まれてしまった。
全員、ただならぬ気配で卑しい笑みを浮かべている。
「おーおー、正義の味方ですか? 善人ぶってんじゃねぇよ!」
男は悠の胸倉を掴み上げる。反動で、悠の持っていた買い物袋と鞄が地面に放り出された。
「はぁ……やめとけって。無駄に怪我するだけだぞ?」
「っは! 馬鹿か? テメェは一人。この人数差でいつまでそんな粋がっているつもりだ?」
目の前のニタニタ笑みを浮かべる男の他には四人が悠を取り囲んでいる。中には、警棒のような物を持つ輩もいた。
「俺は言ったからな? それと、今は機嫌があまりよくないんだ。加減なんかしねぇぞ」
「っは! 相変わらずキザな野郎だなぶぎゃああああ!」
最後まで言い終わらない内に、悠の目の前に立ち塞がっていた男の身体が倒れる。悠の頭突きが前頭部にヒットしたのだ。仰け反ったところに悠の回し蹴りが男の頬を叩く。
男の身体は哀れにも路地のゴミ置き場に吹き飛ばされ、ぐったりと動かなくなった。
「お前、相変わらず口だけだな」
悠の一撃を皮切りに、他の不良たちが一斉に悠に飛び掛かってきた。
「この野郎! ブッ殺す!!」
背後から男の一人が警棒を悠に向かって振り下ろしたが、悠は軽くその不意打ちを避けた。男は悠に手首を掴まれると、足払いを受け腹に肘をもらい地面に伏した。
残りの三人の内、一番巨漢の男と金髪の優男が、正面から悠に殴りかかってくる。だが巨漢は悠の容赦ない右ストレートを顔面に、優男は膝蹴りを腹に食らいノックアウト。
「な、な、な!」
残った最後の男はあまりの光景に、後退りながら震えていた。
「言ったろ、手加減なんかしねぇって」
悠に睨まれ、男は思わず傍にいるエリカの方へ駆け出した。その手にはバタフライナイフが握られている。その刃を、あろうことかエリカへ向けたのだ。
人質にでもしようとしているのか、あまりの恐怖に男は一線を越えてしまっていた。
「馬鹿野郎! くっそ!」
男の異常な行動に悠も気が付きすぐに後を追う。
しかし、間に合わない。
男の手はやけに落ち着いて事の成り行きを見守っていたエリカに伸びていた。
その時だ、悠はエリカの蒼い目が輝いているように見えた。
「――オラアアアアアアアア!」
凶刃がエリカに届く寸前、男は突然割り込んできた何者かのタックルをモロに受けた。まるで車に撥ねられたかのように男の身体は宙を舞い、閉まっている店のガラス戸に体を打ち付け気を失ってしまった。
「――は? ち、千鶴!?」
男の傍に転がるバタフライナイフを奪い取りながら、悠の悪友である獅子神千鶴が振り返る。
「まーたこいつらか。この前もシバいたってのに懲りねぇな。足の骨を一本や二本折って歩けなくしてやろうか? ああ?」
「おいおいステイ。やめとけ、んなことしたら今度は停学じゃ済まなくなるぞ」
倒れる不良たちに今にも追い打ちしかねない千鶴を押さえる悠。
「――悪い、助かった。少し追い込みすぎたわ」
痛む拳を振りながら、悠は弱々しく呟く。
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「いや、面目ない」
千鶴は悠の肩を叩くと、それ以上何も言わずエリカの方を向いた。
「乃瀬、大丈夫か? お前みたいな美人がこんなところにいると、こいつらのようなチンピラが黙っちゃいねぇぞ。さっさと帰んな」
こんな状況だというのに、乃瀬エリカは微笑んでいた。
「獅子神くん、強いのね。急に飛び込んで来たからビックリしたわ。でもありがとう」
千鶴に礼を述べたエリカは、地面に転がっている悠の鞄と買い物袋を拾いあげた。
二つを手に悠の元まで近づいていく。
「織笠くんも。助けてくれてありがとう」
「あ、ああ」
エリカは、余裕の表情で何事もなかったかのように微笑んでいる。見惚れるような微笑みだが、この場にはあまりにも不釣り合いだった。
荷物を悠に手渡すと、エリカは優雅に金髪を靡かせてメインストリートのある方へと歩いて行った。
「何でこんなところにいんだ? あいつ」
エリカの背中を見送りながら、千鶴が悠の隣に並んだ。
「それを言ったら千鶴、お前だって何でここに? たしか瑩たちと一緒だったんじゃ」
「さっきまでな。バイトで向かっていた途中、近道したらこれよ。体調万全になったらお前も復帰してくれよな。パートのおばちゃん達、お前が来なくなってから明らかに美形に飢えてやる気なくなってんだ」
「ああ、落ち着いたら顔だすよ」
「ま、病み上がりなんだから無茶すんなよ。喧嘩もほどほどにしとけ。また亜紀ちゃんに心配かけるぜ」
じゃあな、と倒れている因縁ある不良たちなどもはや眼中にない千鶴はエリカに続いてメインストリートの方へと向かっていった。
痛みに震える者以外、動く物が何もなくなった路地は繁華街の喧騒すら届いてこない。
一方、ビルの屋上から延びる非常階段で路地での喧嘩を見下ろしていた存在がいた。
全身を黒衣に纏い、深く被ったフードの中も黒に侵されている。
「――」
身動き一つなく、眼下の悠から目を外さない。フードの中にある闇の中に、ゆっくりと紅い光が二つ灯った。
「!」
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