水城先生は手を出したい(水城先生と麻都2)

ペッパーミントコーヒー

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6、禁欲のお泊まり開始!!

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悶々と引っ越し準備をして、ほとんどの荷物を麻都の家の近くのマンションに移動させた。
元の部屋はほぼ何も無い。3学期終業までのあと数日の出勤なので、必要最低限しか置いてない。
休みに入って引っ越しが普通なんだけど、僕は引っ越し業者の都合で早くなった。
まあ、早く麻都の近くにいたいので無問題だ。
上の階がちょうど空いていたので、バルコニーから麻都の家が今度は毎日眺められる。

くーーー、あのちっさなマンションの中で麻都が育ってると思うと……
毎日ご飯は窓辺で食べよう、麻都と一緒にご飯。ああ幸せ。


そうして、待望の土曜日がやって来た。
いや、忍耐の土曜日だ。
仕事終えて一旦新居の方に帰り、泊まりの準備と食材とゲーム機スーツケースに入れて、玄関で一応スタイルチェックする。

ん、上から下までユニクロ、これが一番安心だ。
以前友達だった奴に、一目で高価な物だとわかる物身につけるのは皮肉か?って言われて、それから注意するようにした。
それは、いちにい(一番上の兄)に買ってもらったブランド物のブルゾンだったんだけど、俺にとってはただのカッコイイ服だったので、なんだかひどく嫌な気持ちだった。
それからそのブルゾンはタンスの肥やしだ。
ブランドマークなんて、いちいち覚えてないからわずらわしい。
でもまあ、にいがせっかく買ってくれた物だし、その内着てみよう。
靴はナイキのスニーカーにしようかな。
革靴よりラフな方がいい。

ドアのノブレバーを握る。

どんなエロい麻都にも、僕は俺にはならない。
僕だ、僕は僕。

「ふうううう……僕は水城先生として、崇高な任務を全う(まっとう)すると誓います」

よしっ!

決意を込めて、スーツケース転がし部屋をでて、車で麻都の家に向かった。



車をいつもの駐車位置に停めて、デカいスーツケース下ろし、いざ麻都の家へ。
ラインで外で待ってるって来たけど、危ないから中で待ちなさいと言ってる。

古いマンションなので、エレベーターが遅い。
3階とは言え、遅いのは防犯上ちょっと心配だ。
麻都は面倒くさいから階段使ってると言ってたから、まあ大丈夫だろう。

ワンフロア3室、3階建て。
合計9室、年度末で引っ越した人が多いのか、がら空きだ。
古いと安いんだが、2Kでダイニングキッチンがなくて意外と隣室の音が響く。
だからー、エッチなことは出来ませんよ、お父さん。

ドアの前に来て、チャイムを押そうとしたらサッとドアが開いた。

「待ってた」

「あー、チェーンと鍵してなきゃ駄目だろ」

僕じゃなかったら、どうするんだよこの子は。もう!

「早く入って、ゲームしよ!持ってきた?新しいの。
わあ!これ海外旅行のバッグだね!凄いや、こんなの持ってるの?」

「まあ、俺ら転勤族だしね」

僕をグイと引っ張り込むと、バタンと閉める。

「ゲーム機持ってきたよ。新型とー、あと……」

ギュッと、いきなり抱きついてきた。

「駄目だろ、反則」

僕を見上げると、グイッと襟を掴んで引き寄せ、唇を合わせる。
ペロッと舌を入れてきたけど、僕はチュッとひと吸いして唇を離した。
あー美味しい。なんか甘い味がした。

「めっ」

「だって、やっと二人っきりになれたのに」

うるうるの瞳が、僕を誘ってくる。だが……


よしっ!!
俺の股間は無反応だ!!上出来だ!


「ほらほら、中に入って。ドアは閉めたらすぐにチェーンと鍵」

「あーもう、先生なんだー」

「先生ですよ、卒業までガマンしなさい」

「えーーー、まだあと1年も?やってる子はやってるんだよ?
イッくんなんて、ホテル行ったって自慢してたのに」

マジか、あの子高一だろ、世紀末かよ。
相手の子、妊娠しませんように。

「なんで子供を入れるかなーホテル」

「だって、相手の人、大人の男の人だもん。
股に挟むだけで、チンチン入れないから大丈夫だって言ってた」

それ売春じゃん!素股か!
通りであの子、一時期、金回りいいと思ってた。

「その子今もやってんの?」

「んーん、親にバレてお父さんに殴られたって言ってた。
相手の人、捕まったみたい」

あー良かった、決着済みか。

「ほーら、ほら、だからさ、同意の上でも卒業まではガマンしないとさ、僕が犯罪者になるでしょう。
僕はね、教師が好きでやってるんだから」

 地団駄踏んで、抱きついてくる。

「エッチしたいのに、好きだからしたいのに」

「わかってるよ、僕も同じだから」

「同じなのに、駄目なの?」

「駄目」

つらーーーーーーい!!俺はつらい!

世界の中心で、俺は全力で叫ぶ!


せめて麻都のお尻に指突っ込みたーーーい!!
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