水城先生は手を出したい(水城先生と麻都2)

ペッパーミントコーヒー

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9、お父さんからの電話

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風呂上がりにまたゲームして、はしゃぎすぎて疲れたのか、うつらうつらし始めた麻都を部屋に連れて行く。
ベッドに寝かせ、僕は居間に置いてあった寝具を使って、久しぶりで床に寝た。
お風呂での麻都の告白に、色々考えるとなかなか眠れない。

ブーーーーン、ブーーーーン

電話が鳴った、麻都のお父さんだ。

「はい、立花です」

『麻都の、父です。夜分申し訳なく……』

ああ、そうか、やっぱり心配だったんだな。

「もう麻都くんはお休みですよ。
さっきまでゲームして、ちょっと勉強まで手が届きませんでした。
申し訳ないです」

『……ああ、ああ、そうですか。
すいません、やはり間違いなど無いとは思っていましたが、心配で。
いえ、先生を信用していますが、あの子がもうその……』

「ああ、ご存じなのですね、あの隠しているあれ」

『…ええ、もうビックリしまして……』

アダルトグッズ、もう見つかってるんだ。
まあ、そうだよね。

『あの子は小さい時から好きになるのは男の子で、女の子には目もくれない子でして。
いえ、そう言うのがもう一般的には知られてきましたが、先生にはご迷惑ではないかと』

「大丈夫です、僕も麻都くんは大事にしてあげたいと思っています。
僕は教師と言う職業が好きです。
だから誇りを持ってこの仕事を選びました。
時々不謹慎な問題も出ますが、僕は誠実な教師でありたいと思います。
だからもし、麻都くんがどうしてもと言う時は、成人まで待って、きちんとしたいと思います。
ご安心をと言うのは難しいでしょうが、見守って頂きたく思います」

『……ありがとうございます。
親としては複雑なばかりですが、あの子が好きになったのが、あなたで良かったと……
どうか、最後まで思わせて下されば……幸いです』

「はい、ご期待に添うよう、誠心誠意尽くしますので、また今後も何か気がつかれたことがありましたら、遠慮なくお電話ください。
……はい、
……ええ、わかりました。それでは、失礼します」

ピッ

電話を切って、大きく息を付く。
電話、かけるの怖かったろうな。
もし、セックスのまっ最中だったらどうしようと、かけずにいられなかったんだろう。

結婚か…………

結婚はこの国じゃ出来ないし、同性結婚は養子しかない。
親父と母さんは、恐らく勝手にすればーだろうな。
にいも、ねえも子供いっぱいこさえてるし、後継ぎ問題なんて、すえの俺にはほぼ関係ない。

ま、あとは麻都次第だよな。
まあ、養子まで行くとは考えにくい。
10代、20代なんて、コロコロ恋愛対象は変わる。

  『僕のこの気持ちは変わらないから。
   だから、待っていて』

……変わらない……が、変わるん、だろうか…………


カチャン

麻都が部屋から起きてきた。
あ、しまった。
トイレかな?トイレに行かせて寝かせれば良かったな。
寝たふり寝たふり

じっと目を閉じていたら、麻都はトイレに行った。
手を洗う音がして、良し!と思う。
洗わない子に、洗うくせを付けろと指導するのはなかなか難易度高い。

なんだか色々教育実習とか浮かんで違うこと考えてると、麻都がトイレから出てくる。
そして何故かこっちに来て、ボンと枕置いて、ボスンと隣に横になった。

え?

え?

えーーーーーーー!!!


「水城ぃ~セックスしたい~」

「駄目です」

横を向いて背中を見せる。
案の定、背中にギュウッと抱きついてきた。

「これじゃ眠れませんよ。麻都くーん、離して下さーい」

「ねー、お父さんから電話あったでしょ」

「あー、聞こえてた?」

「うん、全然信用してないよねー」

「はっはっは、息子が発情期だから」

「もうっ、キスしてくれなきゃ寝ないよ!」

キス、か。うーん、まさかお父さん達、この部屋にカメラとか仕掛けてないよなー
うーん、ま、キスだけなら許してくれるかな?

「わがままだなあ、じゃあ、舌は入れないでね」

「んー、ケチ」

「ケチキスでオッケー?」

「オッケー、でも口にして」

僕は、麻都の方を向くと、その愛らしい唇に軽くチュッとキスをした。
と、いきなりガシッと頭をホールドされる。

「んあっ?!」

ビックリして開いた口に舌が差し入れられ、もうヤケみたいにグチュグチュ舌を絡めてきた。

うあーーー!!待って待って、ちょ、メチャクチャ積極的で参っちゃう。

「んあー、はあ~気持ちいい~、ね~~」

麻都が抱きしめて足を絡め、たまらず内股をこすりつけてきた。

「ちょ、ちょ、ここまで、ストップ!ストップ!」

麻都は眠そうな顔で眉をひそめ、もう!と一声上げて、もう一度軽くキスする。

「水城ぃ~好き、だーい好き~、チュッ!はあ、あ、んんーー、眠い。よし寝よ」

「あーもう、今の無しだよ」

「えへへへ……無しー」

ギュウッと僕の胸元に頭を押し付けて、スウッと眠ってしまった。
そうっと髪を撫でる。

麻都のお父さん、すいません。
僕はやっぱり麻都が好きです。大事にします。
だから……どうか、だから……

ゆっくり、ゆっくり、麻都の身体が脱力して寝息を立てる。
僕は、その額にキスをして、小さく囁いた。

「麻都。僕を、好きになってくれてありがとう」
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