その乙女ゲームに偏りを感じる。

捨て犬

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「うっわー、何このゲーム。攻略者が全員メガネw」

過去の私は乙女ゲームにちょっとだけ嵌っていた。
それは本気で2次元嫁に夢中になっていた、というわけでもなく
暇な休み時間、手軽に出来るスマホでイケメンを見たい。
そのくらいの不純な動機で遊んでいた程度だ。

いくつかアプリを検索して引っかかったのがこのゲームだった。

その時、王道の乙女ゲームと呼ばれるものや、恋愛系の育成ゲーム
などなど、いくつかやってもう飽きていた私はその異色のゲームに
なんとなく食指が動いた。

フェチものなのか、ニッチな一部だけを狙ったのか
普通の乙女ゲームと同じように攻略対象はイケメンだが
一つだけ共通な部分があった。

メガネ。

メガネだけでそのイケメンが攻略対象かどうか分かる。
逆に言えばこの世界モブにメガネがいない。
可笑しなゲームだった。

そんなにメガネ押しじゃないけれど、ネタに遊ぶには面白いと思ってやったゲーム。

それが「メガネの虜。メガネ男子にメロメロらぶりんハート」
というこの乙女ゲームの世界を描いたゲームだった。

このゲームはとにかくくそげーだった。
メガネ好きを否定する気はない。だがうざいくらいにメガネ押しだった。
げんなりするほどにメガネだった。
ただひたすらにメガネに告白されるゲームだった。

うえげっ







過去の私の記憶が、今の公爵令嬢としてのサラサとしての私の中に蘇る。
メガネ攻略対象に囲まれた少女を眺める私の目はご想像にお任せしよう。
生ヌルっこい目で見ていたらそれをいち早く気づいた、もう元でよろしいの
でしょうか。婚約者さまが見咎める。

「アリーアを睨んでこの期に及んでまだ危害を加える算段をしているのか?!」

叫ぶロバート王子の本体はメガネですか?
王道、黒髪優等生メガネ。ああ、委員長。これがメインヒーロー。
ごめんなさい。私のメインじゃないわ。

麗しいお顔ながらそのメガネがまぶしい。

「いいえ、そのつもりはありません。私は王子との婚約破棄を受け入れます。」

前世、乙女ゲーと同じく世の女子に流行ったものに
悪役令嬢ものがある。
攻略対象とヒロインを悪役にされた少女が下克上。ざまぁするものが多かったが

私は彼らに激情を持って憂さ晴らしのざまぁ、逆断罪をする気はない。

このゲームの舞台を早々に降りよう。
フェチな転生者に幸あれ。
ゲームのキャラの書き分けが甘くて攻略者がメガネ以外
どれも同じ顔に見えるけど

押しメンとのハッピーエンドおめでとう。

私を出汁にされたのは腹立たしいが、
過去を思い出し”目覚めてしまった”私に彼は要らない。

「さて、乙女ゲーのシナリオはくそだったけど、せっかく魔法の国に生まれたんだから」

乙女ゲームのシナリオのない場所で新しい何かを探しに行こう。

「とりま、あそこのモブ、ちょーかっこいいんですけど。フリーかな。」









END


何番煎じとかだったらごめんなさい。
勢いで書いた。
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