66 / 71
豪華すぎる警護
しおりを挟む
週末。いつものようにアネリとクーと一緒に、屋敷のみんなへのお土産を選んでいる……のだが。
「毎週末土産を買って帰っているのか?」
「本当にリアは優しいのですね」
「お茶会に行った時に思ったけど、リアのお屋敷は暖かい雰囲気に包まれていたよね」
ミアノ様、パウル様、レンゾ様が、私がお土産を吟味している背後で喋りまくっている。アルノルド王子は私と並んで、どれがおススメかと店員さんに聞いていた。そんな店内は、ざわざわしている。周囲の女性たちの目は皆ハートだ。それはそうだろう。様々なイケメン取り揃えております、状態だもの。王子に色々質問されている店員さんなんて、ずっと顔が真っ赤になっていて可愛い。
『なんか、いたたまれない』
女性たちの間ではきっと、なんであの女はイケメンを侍らせているの?と思われているに違いない。私はさっさとお土産を選んで、先に店を出た。すると、当然のようにレンゾ様たちも一緒に店を出る。少し離れた後ろでは、アネリがニヤニヤと見ているのが嫌だ。そんな風に思っていると、少し遅れてアルノルド王子が袋を持って店から出て来た。
「ルド様もお土産を?」
「ああ、父上と母上、それと側近に買ってみたんだ」
少し照れながらそう言った王子が無性に可愛く見えて、ごく自然に笑みがこぼれた。
「ふふ、きっと喜ばれると思いますよ」
「だといいのだが」
二人でふふふと笑い合っていると、ミアノ様が私と王子の間に身体を入れてきた。
「二人でイチャつくな」
「そうですよ。リアにそんな風に笑みを向けられるなら、私も買えば良かったです」
パウル様も文句を言う。
「じゃ、今から買って来たら?待っているよ」
レンゾ様が揶揄い半分で言うと、二人は大きく首を横に振った。
「リアの警護のためにいるのですから、リアを置いて今から買い物なんてしませんよ」
「ああ、それに買って帰ったところで、私がそのまま食ってしまうだけだからな」
ミアノ様の言葉に皆が笑った。帰った早々、乱雑に包装を剥がし食べ始めるミアノ様の姿が安易に想像出来てしまった。そんなこんなで無事?に屋敷まで送り届けられた。
「ありがとうございます。よろしかったお茶でも飲んでいかれませんか?」
私が皆を誘った時だった。屋敷からお父様が出て来たのだ。
「ちょうど良かった。皆揃っているようだ。これから王城へ向かうんだけれど、皆も一緒に行くかい?」
「私たちも一緒に?」
不思議に思って聞くと、お父様が優しい笑みを浮かべた。
「そう、みんなでね」
王城へ到着すると、案内されたのはお父様の執務室だった。中ではお兄様も待っていた。
「まずはリアに質問だ。あの件はまだ皆には言っていない?」
すぐにあの本の事だとわかった。
「ええ、言っていないわ。まずはお父様とお兄様にと思ったから」
私の返事にお父様が満面の笑みを浮かべた。お兄様なんてアルノルド王子たちを小馬鹿にするような視線を向けている。
「ふふ、リアはいい子だなぁ」
ニマニマしながら私の頭を撫でるお父様に、王子が冷静な声色で問いかけた。
「あの件と言うのは?私たちも呼んだという事は、教えてもらえるという事でいいんだろうか?」
お父様は私を見て大きく頷いた。だから私も覚悟を決めるように大きく呼吸をしてから頷いた。
「私が少し待って欲しいと言った原因です」
お兄様が仕事机の上に置いていたピンク色の本を、ローテーブルの上に置いた。皆が不思議そうに本を眺めている。
「手に取っても構わないだろうか?」
王子が聞くとお父様が頷く。
「もう調べ終わりましたからね。大丈夫ですよ」
王子が本を手に取り、パラパラと捲った。捲りながらどこかしらの文章が目に入ったのだろう。大きく目を見開いて今度はしっかり読んでいた。
「これは、一体……?」
私はなるべく簡潔に話して聞かせた。初めのうちは信じられないような表情を見せていた皆も、終わる頃には真剣な表情を浮かべていた。
「この本の通りであれば、私たちは皆、本来はシシリー嬢に想いを寄せていたという事か?」
信じられないという表情で、本を凝視している王子。
「予言書、とは異なるものなのですよね」
パウル様も本の内容に驚いているようだ。ミアノ様とレンゾ様は考え込んでいるのか言葉が出てこない。黙って王子の手にある本を凝視していた。
しばし沈黙が続く。沈黙を破ったのは、アルノルド王子だった。本をローテーブルの上に静かに置き、それから向かいのソファに座っている私を見つめた。
「リア、君はこの本を読んだ時、どう思った?」
「どう、とは?」
本そのものに対しての思いを聞いているのか、中に書かれている自分と王子との関係の事を聞いているのか、質問が抽象的過ぎてよくわからない。でも彼の真紅に輝く瞳が、なんとなく前者ではないと物語っていた。
「毎週末土産を買って帰っているのか?」
「本当にリアは優しいのですね」
「お茶会に行った時に思ったけど、リアのお屋敷は暖かい雰囲気に包まれていたよね」
ミアノ様、パウル様、レンゾ様が、私がお土産を吟味している背後で喋りまくっている。アルノルド王子は私と並んで、どれがおススメかと店員さんに聞いていた。そんな店内は、ざわざわしている。周囲の女性たちの目は皆ハートだ。それはそうだろう。様々なイケメン取り揃えております、状態だもの。王子に色々質問されている店員さんなんて、ずっと顔が真っ赤になっていて可愛い。
『なんか、いたたまれない』
女性たちの間ではきっと、なんであの女はイケメンを侍らせているの?と思われているに違いない。私はさっさとお土産を選んで、先に店を出た。すると、当然のようにレンゾ様たちも一緒に店を出る。少し離れた後ろでは、アネリがニヤニヤと見ているのが嫌だ。そんな風に思っていると、少し遅れてアルノルド王子が袋を持って店から出て来た。
「ルド様もお土産を?」
「ああ、父上と母上、それと側近に買ってみたんだ」
少し照れながらそう言った王子が無性に可愛く見えて、ごく自然に笑みがこぼれた。
「ふふ、きっと喜ばれると思いますよ」
「だといいのだが」
二人でふふふと笑い合っていると、ミアノ様が私と王子の間に身体を入れてきた。
「二人でイチャつくな」
「そうですよ。リアにそんな風に笑みを向けられるなら、私も買えば良かったです」
パウル様も文句を言う。
「じゃ、今から買って来たら?待っているよ」
レンゾ様が揶揄い半分で言うと、二人は大きく首を横に振った。
「リアの警護のためにいるのですから、リアを置いて今から買い物なんてしませんよ」
「ああ、それに買って帰ったところで、私がそのまま食ってしまうだけだからな」
ミアノ様の言葉に皆が笑った。帰った早々、乱雑に包装を剥がし食べ始めるミアノ様の姿が安易に想像出来てしまった。そんなこんなで無事?に屋敷まで送り届けられた。
「ありがとうございます。よろしかったお茶でも飲んでいかれませんか?」
私が皆を誘った時だった。屋敷からお父様が出て来たのだ。
「ちょうど良かった。皆揃っているようだ。これから王城へ向かうんだけれど、皆も一緒に行くかい?」
「私たちも一緒に?」
不思議に思って聞くと、お父様が優しい笑みを浮かべた。
「そう、みんなでね」
王城へ到着すると、案内されたのはお父様の執務室だった。中ではお兄様も待っていた。
「まずはリアに質問だ。あの件はまだ皆には言っていない?」
すぐにあの本の事だとわかった。
「ええ、言っていないわ。まずはお父様とお兄様にと思ったから」
私の返事にお父様が満面の笑みを浮かべた。お兄様なんてアルノルド王子たちを小馬鹿にするような視線を向けている。
「ふふ、リアはいい子だなぁ」
ニマニマしながら私の頭を撫でるお父様に、王子が冷静な声色で問いかけた。
「あの件と言うのは?私たちも呼んだという事は、教えてもらえるという事でいいんだろうか?」
お父様は私を見て大きく頷いた。だから私も覚悟を決めるように大きく呼吸をしてから頷いた。
「私が少し待って欲しいと言った原因です」
お兄様が仕事机の上に置いていたピンク色の本を、ローテーブルの上に置いた。皆が不思議そうに本を眺めている。
「手に取っても構わないだろうか?」
王子が聞くとお父様が頷く。
「もう調べ終わりましたからね。大丈夫ですよ」
王子が本を手に取り、パラパラと捲った。捲りながらどこかしらの文章が目に入ったのだろう。大きく目を見開いて今度はしっかり読んでいた。
「これは、一体……?」
私はなるべく簡潔に話して聞かせた。初めのうちは信じられないような表情を見せていた皆も、終わる頃には真剣な表情を浮かべていた。
「この本の通りであれば、私たちは皆、本来はシシリー嬢に想いを寄せていたという事か?」
信じられないという表情で、本を凝視している王子。
「予言書、とは異なるものなのですよね」
パウル様も本の内容に驚いているようだ。ミアノ様とレンゾ様は考え込んでいるのか言葉が出てこない。黙って王子の手にある本を凝視していた。
しばし沈黙が続く。沈黙を破ったのは、アルノルド王子だった。本をローテーブルの上に静かに置き、それから向かいのソファに座っている私を見つめた。
「リア、君はこの本を読んだ時、どう思った?」
「どう、とは?」
本そのものに対しての思いを聞いているのか、中に書かれている自分と王子との関係の事を聞いているのか、質問が抽象的過ぎてよくわからない。でも彼の真紅に輝く瞳が、なんとなく前者ではないと物語っていた。
1
あなたにおすすめの小説
攻略なんてしませんから!
梛桜
恋愛
乙女ゲームの二人のヒロインのうちの一人として異世界の侯爵令嬢として転生したけれど、攻略難度設定が難しい方のヒロインだった!しかも、攻略相手には特に興味もない主人公。目的はゲームの中でのモフモフです!
【閑話】は此方→http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/808099598/
閑話は最初本編の一番下に置き、その後閑話集へと移動しますので、ご注意ください。
此方はベリーズカフェ様でも掲載しております。
*攻略なんてしませんから!別ルート始めました。
【別ルート】は『攻略より楽しみたい!』の題名に変更いたしました
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
死んだことにした悪役令嬢、 辺境で騎士団長に溺愛されつつ帝国を建て直します
桃我タロー
恋愛
婚約破棄の夜、王太子の「真実の愛」劇の悪役として舞台に立たされ、財務長官令嬢エリアーナは一方的に断罪された。
その翌日、口封じのため山道で馬車ごと焼かれ、「事故死」として片づけられる――はずだった。
だが、彼女は、生きていた。
帝都の帳簿上では、すでに死亡。
焼け跡から外の世界へ歩き出した少女が手にしていたのは、父から託された一冊の『帝国破産の帳簿』と、宛名だけが空白のまま残された死亡届。
すべての素性を捨て、「死人文官シュアラ」と名乗った彼女が辿り着いたのは、敗戦の責を押しつけられ酒に沈む騎士団長カイが率いる、帝国でも最も見捨てられた辺境砦・ヴァルムだった。
食糧不足、物資の横流し、中央による不当な予算削減、兵の士気崩壊……。
そこは、戦場より先に“帳簿”が死んでいる砦。
シュアラは三ヶ月の契約で砦と周辺三村の財政権限の一部を引き受け、数字の奥に潜む腐敗を洗い出していく。
兵たちを「切り捨て可能な数字」から、「守るべき一人ひとりのユニット」へと組み替えるために。
最初、カイにとって彼女は、口うるさいだけの厄介な文官にすぎなかった。
だが、誰よりも兵の命を優先し、自分を勘定に入れようとしない“死人”の文官に触れるうち、折れた騎士団長の心はゆっくりと、確かに引き寄せられていく。
死んだことにされた令嬢と、敗軍の騎士団長。
帳簿一冊から砦と帝国の行方を組み替えていく、辺境発じれ甘溺愛×国家再建ファンタジー。
なろう・ハーメルン・カクヨムでも更新中。
12/02 - 第一章完結。第二章順次更新予定
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子
ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。
(その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!)
期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。
お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
あーもんど
恋愛
ある日、悪役令嬢に憑依してしまった主人公。
困惑するものの、わりとすんなり状況を受け入れ、『必ず幸せになる!』と決意。
さあ、第二の人生の幕開けよ!────と意気込むものの、人生そう上手くいかず……
────えっ?悪役令嬢って、家族と不仲だったの?
────ヒロインに『悪役になりきれ』って言われたけど、どうすれば……?
などと悩みながらも、真っ向から人と向き合い、自分なりの道を模索していく。
そんな主人公に惹かれたのか、皆だんだん優しくなっていき……?
ついには、主人公を溺愛するように!
────これは孤独だった悪役令嬢が家族に、攻略対象者に、ヒロインに愛されまくるお語。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました
宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。
しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。
断罪まであと一年と少し。
だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。
と意気込んだはいいけど
あれ?
婚約者様の様子がおかしいのだけど…
※ 4/26
内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる