巻き戻り令嬢は長生きしたい。二度目の人生はあなた達を愛しません

せいめ

文字の大きさ
31 / 102
二度目の話

ブレア公爵家からの招待

しおりを挟む
 王都で生活するようになってから、お茶会に参加する機会が増え、ドレスを注文することが多くなった。
 お母様が張り切って注文してるが、それよりもお義兄様がデザインに口を出すので、一度目とは違った雰囲気のドレスばかり着ているような気がする。

 そんなある日、お母様からお茶会の招待状が届いたことを知らされる。

「二人にブレア公爵家からお茶会の招待状が届いているわよ。
 筆頭公爵家からの招待だから、とても光栄なことよ。
 ドレスはこの前注文したものがあるから、それを着て行きなさいね。」

 ……は?ブレア公爵家ですって?

 ブレア公爵家のお茶会なんて、一度目の人生ではなかったはず…。
 私が一度目とは違った動きをしているから、あの時とは違う出来事が起きているの?

 というか、ブレア公爵家のお茶会なんて行きたくないのだけど、やはり筆頭公爵家だから断れないってことなのかしら?

「お母様、それは私も招待されているのでしょうか?
 筆頭公爵家のお茶会は、私には敷居が高すぎるような気がしますので、私は参加を見合わせた方がいいと思うのですが…。」

 毒を盛られた邸になんて行きたくないわー!

「ぜひ二人で来て欲しいと書いてあるわよ。
 それに王妃殿下のお茶会では、ブレア公爵令息に助けて頂いたのでしょ?これは絶対に行ってきなさい!
 公爵令息に必ずお礼をお伝えしてくるのよ!」

「あっ…、はい。」

 お母様の笑顔から殺気を感じたわね。これは絶対命令ってことね。
 行きたくないのに…。当日は風邪でもひかないかな?仮病はバレる自信があるから、無理そうだし。
 行きたくなさすぎて、泣きそうだわ…。

「アナ、私も一緒だから大丈夫だ。」

 うっ…。お義兄様は今日も優しいわ。

「お茶会では、お義兄様の側にいるようにしますね。」



 そして、お茶会当日を迎える。



 馬車がブレア公爵家の正門を通り抜け、大き過ぎる邸が見えてきた。
 ああ…。この邸は一度目の人生で、お義兄様が迎えに来てくれた日ぶりね。
 あの時は毒で弱りきって歩けなくなっていて、お義兄様に抱き抱えてもらって、この邸から脱出したのよ。
 こんな嫌な思い出しかない邸なんて、もう絶対に来るつもりはなかったのに…。
 筆頭公爵家の力、恐るべし…。


「アナ、今日も元気がないな。
 そんなに嫌か?」

「…お義兄様には何でもバレてしまうので正直に話しますが、本当に憂鬱なのです。
 名門のお邸に招待されるのは荷が重く感じてしまいまして。もっと気楽な気持ちで参加出来そうなお茶会の方がいいですわ。」

「筆頭公爵家だから緊張しているんだな。
 アナならマナーは完璧だから大丈夫だ。」

 一人だったら絶対に無理だったわね。
 お義兄様がこうやって手を握ってくれるから嬉しいし、頑張ろうって思えるわ。

 馬車から降りると、そこにはブレア公爵令息と、一度目の人生での元義母であった公爵夫人が出迎えてくれた。
 二人の後ろには、沢山の使用人達が控えているのが見えるけど、私を毒殺したメイド長はいるのかしら?
 熱々の紅茶でも投げつけてやりたいくらいだけど、今の人生では全く関係のない人だから、そんなことは出来ないわね。

「今日は来て下さってありがとう。
 コールマン侯爵家の方々とはずっと交流したいと思っておりましたのよ。
 楽しんで頂けたら嬉しいわ。」

 笑顔で声を掛けて下さる公爵夫人。

「本日はご招待して下さりありがとうございます。」

 お義兄様の挨拶に合わせて、カーテシーをする私。
 こんな時は、私は喋らずに済むから助かるわね。

「まあ、素敵な義兄妹ね。噂通りだわ。
 アル。二人をご案内して差し上げて。」

「はい、母上。
 コールマン公爵令息・令嬢、どうぞこちらへ。」

 さすが公爵令息ね。一度目の元夫とはいえ、相変わらず所作が洗練されて綺麗だわ。
 あの何を考えているか分からない笑顔も、容姿も、何も知らない人から見たら眉目秀麗と言えるわね。
 まあ、私のお義兄様ほどではないけれど。

 お茶会をする部屋に案内されると、すでに他の令息と令嬢方が数人いた。
 この人達は、確かブレア公爵家の分家の人達ね。特別、害になりそうな人はいなかったはず。ブレア公爵令息にだけ気をつければ、何とかなるかしらね。

 あれ?バーカー子爵令嬢も確かブレア公爵家の遠縁で、幼馴染って言っていたわよね。今日は来ていないのかしら?幼馴染って言うんだから、これくらいの年齢の時にはすでに仲良しになっているはずよね。


 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

離婚した彼女は死ぬことにした

はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。 もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。 今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、 「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」 返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。 それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。 神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。 大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi(がっち)
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

妻よりも幼馴染が大事? なら、家と慰謝料はいただきます

佐藤 美奈
恋愛
公爵令嬢セリーヌは、隣国の王子ブラッドと政略結婚を果たし、幼い娘クロエを授かる。結婚後は夫の王領の離宮で暮らし、義王家とも程よい関係を保ち、領民に親しまれながら穏やかな日々を送っていた。 しかし数ヶ月前、ブラッドの幼馴染である伯爵令嬢エミリーが離縁され、娘アリスを連れて実家に戻ってきた。元は豊かな家柄だが、母子は生活に困っていた。 ブラッドは「昔から家族同然だ」として、エミリー母子を城に招き、衣装や馬車を手配し、催しにも同席させ、クロエとアリスを遊ばせるように勧めた。 セリーヌは王太子妃として堪えようとしたが、だんだんと不満が高まる。

王太子妃は離婚したい

凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。 だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。 ※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。 綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。 これまで応援いただき、本当にありがとうございました。 レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。 https://www.regina-books.com/extra/login

【完結】恋は、終わったのです

楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。 今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。 『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』 身長を追い越してしまった時からだろうか。  それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。 あるいは――あの子に出会った時からだろうか。 ――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
【3月中ーー完結!!】 私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 二十年の裏切りの果て、その事実だけを抱え、離縁状を置いて家を出た。 そこで待っていたのは、凍てつく絶望――。 けれど同時に、それは残酷な運命の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と縋られても、 死の淵を彷徨った私には、裏切ったあなたを許す力など残っていない。 「でも、子供たちの心だけは、 必ず取り戻す」 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔い、歪な愛でもいいと手を伸ばした彼女が辿り着いた先。 それは、「歪で、完全な幸福」か、それとも――。 これは、"石"に翻弄された者たちの、狂おしい物語。

処理中です...