記憶喪失になったら、義兄に溺愛されました。

せいめ

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閑話

閑話 ゾグラフ男爵令嬢

 ある日、私は生徒会室に呼び出される。
 その場には、レティシアのお兄さんと王太子殿下や生徒会のメンバーがいた。
 何だろう……?

 すると、その場で映像石の動画を見せられる。
 こ、これは……リアン様の家でも見せられた物と同じ動画だわ。
 レティシアに嫌がらせをするシーンや、令息とまぐわう姿など、とにかく恥ずかしいし、誰にも見られたくない映像。

「お前が今後、レティシアに絡んだり嫌がらせをしたりしたら、これを学園中に公開するからな。分かったか?」

 レティシアのお兄さんと、その友人と思われる生徒会のメンバー達は、私を睨みつけていた。

「わ、分かりました」

「誓えるか?」

 レティシアのお兄さんの殺気が怖い。

「は、はい」

「約束を忘れるなよ。じゃあ、出て行っていいぞ」

「し、失礼しまし……た」

 あんな弱みを握られるなんて……
 レティシアのお兄さんの言うことを聞かないと、私はこの学園に居られなくなる……
 それだけはダメ。学園に居られなくなれば、お父さんと奥さんに娼館に売られちゃう。奴隷にはなりたくないもん。

 レティシアが憎い! あの女がいなければ良かったのに!

 あの動画でレティシアのお兄さんに脅され、友達だと思っていた令息達には相手にされなくなっていた私は、精神的に弱ってしまった。
 大好きだったリアン様も、学園に来ていないみたいだし。
 寂しいな……



 使用人の寮は、自炊しなくてはいけない。面倒だけど町に買い物に行かなければならないんだよね。そんな時だった。

「ねぇ。君、可愛いね! その制服は貴族学園だよね? 1人で何してるの?護衛は?」

 身なりが綺麗なお兄さんに話しかけられた。

「1人で夕飯の買い物ですぅ」

「えっ? 令嬢が夕飯の買い物?」

「うちは貴族でも貧乏なの!」

「へぇ。こんな可愛い令嬢がね。良かったら、美味しいご飯をご馳走するよ? それに色々と付き合ってくれるなら、お小遣いもあげるけど。
 ……どう?」

 お小遣い……?私は迷わずにOKした。



「あんっ! ……すごい。気持ちいー。ああっ……」

「貴族令嬢がこんなに淫乱だなんて……」

 このお兄さんは、貴族学園の制服が好きらしい。
 制服を脱がせるのに興奮するんだって。

「ミア、可愛い。また制服で会ってくれる?」

「うん。いいよ」

「じゃあ、3日後にここで会おう」

 そのお兄さんとは週に二回くらい、会って食事して宿屋に行くのが定番になった。

「ミア。俺の友達もミアと仲良くしたいって言っているんだけど、いいかな?」

「いいよ」

 そんな感じで、お兄さんのお友達とも宿屋に行くようになる。
 みんなそこそこの金持ちの商家の息子らしく、お小遣いを沢山くれて、優しくしてくれたから嬉しかった。

 私は気付いていなかった。
 町で貴族学園の制服で1人で歩いているのは目立つということに。
 貴族学園の令嬢が色々な男と宿屋に出入りしていると、町で噂になっているということに。


 ある日、久しぶりに学園でレティシアを見つけた。
 あの女、今まで学園サボっていたの? 私の苦労も知らず、本当にムカつく女。我慢出来なかった私は、約束を破ってレティシアに絡んでしまった。
 しかし、すぐにレティシアのお兄さんが駆けつけてくる。
 ヤバい! 慌てて逃げる私。
 何でレティシアに絡んでいるのがバレたんだろう?まるで見張られているみたい。あのお兄さん、カッコいいけど怖いから苦手なんだよね。

 学園では誰からも相手にされず、1人ぼっちで過ごした。放課後や休日に、お兄さんやその友達とまぐわうことで寂しさを紛らわす日々。

 そんな時、リアン様は学園に戻ってきた。


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