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諦められない
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アルフレッドはその後、サンチェス公爵令嬢の話をしなくなった。そして、今まで以上に勉学や剣術に打ち込むようになる。
そんなアルフレッドも気がつけば15歳。貴族学園に入学する年になった。
オリビアがしっかり教育してくれたので、侯爵令息として何の問題もなく、我が息子ながら、立派に育ってくれたと思う。
あの後、アルフレッドが私達に恋の話をすることはなかったが、学園で沢山の出会いがあるだろうから、そのうち、何か報告をしてくれる日がくるだろうと思っていた。
アルフレッドが16歳になり、デビュタントを終えて、成人として社交もこなすようになる頃だった。
17歳になる王太子殿下と14歳になるサンチェス公爵令嬢の婚約が発表され、婚約披露パーティーが開催されることになる。
婚約披露パーティーで気付いてしまった。
アルフレッドのサンチェス公爵令嬢を見つめる目に熱が篭っていることに…。
まだ忘れられずにいたのか。
サンチェス公爵令嬢は、あの時のアリーそっくりの美しい令嬢だった。王太子殿下はサンチェス公爵令嬢の側にピッタリと付き添い、優しい目で令嬢を見つめている。誰が見ても、殿下が強く望んで婚約を結んだのが分かる程だった。
「とてもお似合いね。」
隣にいたオリビアが、美しい2人を見て呟く。
「そうだな…。」
「………。」
アルフレッドは無言だった。
「サンチェス公爵家は初めはあまり乗り気ではなかったと聞いたわ。未来の国母は荷が重いとお考えだったようで。
それを何年もかけて、王太子殿下が説得したって噂よ。真実の愛ね…。」
「真実の愛か…。」
そのパーティーからしばらくすると、アルフレッドは突然、卒業後に近衛騎士団に入りたいと言い出すのであった。
「剣術を頑張っているのは知っていたが…、騎士の家門でもない、我が侯爵家の跡取りであるアルフが近衛騎士か。」
「ワガママを言っているのは分かっております。父上から爵位を引き継ぐまででいいのです。どうかお許しください。」
「ハァー。オリビアはどう思う?」
「そうですわね…。明確に期間を決めてはいかがでしょうか?5年で必ず退職して、結婚相手もそれまでに決めるようにするとか。」
「そうするか。アルフ、5年という約束は守れるか?」
「はい!ありがとうございます。」
希望が聞き入れられ、アルフレッドは嬉しそうだ。そんなアルフレッドにオリビアは厳しい目を向ける。
「アルフ。どうして近衛騎士になりたいのです?私達が認めたのですから、理由を分かりやすく説明しなさい。」
「……守りたい人がいるのです。私はその方の護衛騎士になりたいと思っています。」
「………。」
まだ叶わない恋を追いかけているのか。いずれ王太子妃殿下になる彼女を近くて守りたいと。
しかし、王族の護衛騎士はエリート中のエリートでないとなれないだろう。
「アルフ。護衛騎士になるのは相当難しいぞ。
しかも、お前のその気持ちを知って、王太子殿下はお前を護衛騎士として近くに置きたいと思うか?お前があの令嬢を見る目は、とても分かり易すぎて危険だ。気をつけろ。」
「……っ!気をつけます!必ず5年で辞めて、彼女のことは諦めますから。お願いします。」
「アルフ。近衛騎士団の試験に合格して入団が認められたら、その時に退団届も書いてもらって、私に預けてもらうわよ。…それでいいかしら?」
「…分かりました。父上と母上との約束は必ず守るようにします。」
その後アルフレッドは、近衛騎士団の入団試験に向けてひたすら努力する日々が続く。
しかし、その努力が報われることはなかったのである。
そんなアルフレッドも気がつけば15歳。貴族学園に入学する年になった。
オリビアがしっかり教育してくれたので、侯爵令息として何の問題もなく、我が息子ながら、立派に育ってくれたと思う。
あの後、アルフレッドが私達に恋の話をすることはなかったが、学園で沢山の出会いがあるだろうから、そのうち、何か報告をしてくれる日がくるだろうと思っていた。
アルフレッドが16歳になり、デビュタントを終えて、成人として社交もこなすようになる頃だった。
17歳になる王太子殿下と14歳になるサンチェス公爵令嬢の婚約が発表され、婚約披露パーティーが開催されることになる。
婚約披露パーティーで気付いてしまった。
アルフレッドのサンチェス公爵令嬢を見つめる目に熱が篭っていることに…。
まだ忘れられずにいたのか。
サンチェス公爵令嬢は、あの時のアリーそっくりの美しい令嬢だった。王太子殿下はサンチェス公爵令嬢の側にピッタリと付き添い、優しい目で令嬢を見つめている。誰が見ても、殿下が強く望んで婚約を結んだのが分かる程だった。
「とてもお似合いね。」
隣にいたオリビアが、美しい2人を見て呟く。
「そうだな…。」
「………。」
アルフレッドは無言だった。
「サンチェス公爵家は初めはあまり乗り気ではなかったと聞いたわ。未来の国母は荷が重いとお考えだったようで。
それを何年もかけて、王太子殿下が説得したって噂よ。真実の愛ね…。」
「真実の愛か…。」
そのパーティーからしばらくすると、アルフレッドは突然、卒業後に近衛騎士団に入りたいと言い出すのであった。
「剣術を頑張っているのは知っていたが…、騎士の家門でもない、我が侯爵家の跡取りであるアルフが近衛騎士か。」
「ワガママを言っているのは分かっております。父上から爵位を引き継ぐまででいいのです。どうかお許しください。」
「ハァー。オリビアはどう思う?」
「そうですわね…。明確に期間を決めてはいかがでしょうか?5年で必ず退職して、結婚相手もそれまでに決めるようにするとか。」
「そうするか。アルフ、5年という約束は守れるか?」
「はい!ありがとうございます。」
希望が聞き入れられ、アルフレッドは嬉しそうだ。そんなアルフレッドにオリビアは厳しい目を向ける。
「アルフ。どうして近衛騎士になりたいのです?私達が認めたのですから、理由を分かりやすく説明しなさい。」
「……守りたい人がいるのです。私はその方の護衛騎士になりたいと思っています。」
「………。」
まだ叶わない恋を追いかけているのか。いずれ王太子妃殿下になる彼女を近くて守りたいと。
しかし、王族の護衛騎士はエリート中のエリートでないとなれないだろう。
「アルフ。護衛騎士になるのは相当難しいぞ。
しかも、お前のその気持ちを知って、王太子殿下はお前を護衛騎士として近くに置きたいと思うか?お前があの令嬢を見る目は、とても分かり易すぎて危険だ。気をつけろ。」
「……っ!気をつけます!必ず5年で辞めて、彼女のことは諦めますから。お願いします。」
「アルフ。近衛騎士団の試験に合格して入団が認められたら、その時に退団届も書いてもらって、私に預けてもらうわよ。…それでいいかしら?」
「…分かりました。父上と母上との約束は必ず守るようにします。」
その後アルフレッドは、近衛騎士団の入団試験に向けてひたすら努力する日々が続く。
しかし、その努力が報われることはなかったのである。
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