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婚約パーティー
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旦那様と二人で過ごすことが当たり前になってきた頃、王太子殿下とアシュベリー国の王女殿下の婚約パーティーが開かれる。
この婚約は、王太子殿下と殿下を支持する貴族とアシュベリー国と貿易をしている貴族などが中心となって進めたものらしい。
本当に婚約するとは思っていなかった……
「アリエル。今日のパーティーも私がずっと側にいるから大丈夫だ」
「旦那様、今日もよろしくお願い致します。
ところで今日のパーティーでも私の両親や兄が接触してくるかもしれません。
あの人たちにはこれ以上何を言っても無駄だと思いますので、私は個人的に話す必要はないと思っています。
前回のパーティーのように別室で話をしたいと言われたら、私は断るつもりでいますがよろしいでしょうか?」
「勿論だ。アリエルが関わりたくない人物は、たとえ身内や友人であったとしても私も関わるつもりはない」
旦那様は私の考えを尊重してくれる人だから良かった。
「ありがとうございます」
今日のパーティーは、旦那様の選んでくれた薄いピンクのドレスを着て、旦那様の目の色であるルビーのネックレスとイヤリングを着けていく。
「アリエルには、ルビーよりも君の目の色であるアクアマリンの方が似合うのかもしれないが、どうしても私の色を身につけて欲しくなってしまうんだ」
そんなことを言われたら恥ずかしいが何となく嬉しい。
「私はルビーも好きですから嬉しいですわ」
旦那様とそんなやり取りをしていると、アンナや他のメイド達が意味深な笑みを浮かべて私達を見ていることに気付く。
恥ずかしくて、ここに居たくないわ!
「旦那様、そろそろ行きましょうか?」
「ああ。そろそろ時間だな」
◇◇
王太子殿下の婚約パーティーということで、今夜は爵位に関係なく国中の貴族が招待されているらしく、パーティー会場は人で溢れていた。
ということは、領地の食事会に来ていた旦那様の親族の地方貴族にも会う可能性があるが仕方がない。
自分の両親・兄、そして旦那様の親族など、会いたくない人が沢山いるが、旦那様が側にいてくれるから心強く感じている。
「アリエル。人が沢山いるところでは、はぐれないように手を繋いでいよう」
「エスコートではなく、手を繋ぐのですか?」
「人混みではその方がいい。ほら、他のカップルもそうしているだろ?」
旦那様の視線の先には、仲の良さそうなカップルが手を繋いで歩いていた。
確かにこれだけ人が多いと、その方がはぐれなくていいのかもしれない。
「陛下たちに挨拶をしにいく時や、混雑していない場所ではいつものようにエスコートするから問題ないだろう」
「分かりました。旦那様とはぐれたくないので、手を繋いでもらいます」
「アリエルの手を離さないようにするよ」
パーティーが始まる時間になり、国王陛下と王妃殿下が入場してくる。そしてそのすぐ後、王太子殿下が白金の髪の小柄な御令嬢をエスコートして入ってきた。
あの方が、アシュベリー国の王女殿下……
国王陛下が挨拶をし、殿下の婚約者であるアシュベリー国の王女殿下を紹介している。
その時、王女殿下の目が少し前の私と同じ目をしていることに気付いてしまった。
王女らしく、美しい所作に完璧なカーテシーをして会場にいる貴族たちに微笑んでいるけど、何の希望も感じない死んだ目をしている。
王女殿下もこの縁談を望んでいない……?
「アリエル……、どうした?」
「……いえ。アシュベリー国の王女殿下が可憐な方でつい見惚れてしまいました」
「そうか? 私はアリエル以外に興味はないから、全く分からないな……」
最近の旦那様は人の目を全く気にせず、聞いていて恥ずかしくなるようなことを平気で口にするから困ってしまう。
「旦那様。このような場でそういう言動は控えて下さいませ!」
「私は自分の気持ちを素直に口に出しているだけだが、アリエルの機嫌が悪くなるのだけは避けたいから気をつけるようにはする。
しかし無意識に言ってしまう時もあるから、その時は許してくれ」
旦那様と話をしていると、王太子殿下と王女殿下のダンスが始まる。
沢山の人から注目される中で、二人だけで踊るダンスは失敗が許されないから、相当なプレッシャーよね。
二人のダンスは素敵だけど、どことなくぎこちなく見える。
婚約者同士で交流していないのかしら?
二人とも微笑んでいるけど視線すら合わせていないようだ。
バチッ! その瞬間、ダンスを踊る殿下と一瞬だけ目が合った気がした。
こんなに沢山人がいるのだから、気のせいだと思いたいが……
「殿下は何を考えているんだ……?」
隣にいる旦那様から、ボソッと呟く声が聞こえてきた。
この婚約は、王太子殿下と殿下を支持する貴族とアシュベリー国と貿易をしている貴族などが中心となって進めたものらしい。
本当に婚約するとは思っていなかった……
「アリエル。今日のパーティーも私がずっと側にいるから大丈夫だ」
「旦那様、今日もよろしくお願い致します。
ところで今日のパーティーでも私の両親や兄が接触してくるかもしれません。
あの人たちにはこれ以上何を言っても無駄だと思いますので、私は個人的に話す必要はないと思っています。
前回のパーティーのように別室で話をしたいと言われたら、私は断るつもりでいますがよろしいでしょうか?」
「勿論だ。アリエルが関わりたくない人物は、たとえ身内や友人であったとしても私も関わるつもりはない」
旦那様は私の考えを尊重してくれる人だから良かった。
「ありがとうございます」
今日のパーティーは、旦那様の選んでくれた薄いピンクのドレスを着て、旦那様の目の色であるルビーのネックレスとイヤリングを着けていく。
「アリエルには、ルビーよりも君の目の色であるアクアマリンの方が似合うのかもしれないが、どうしても私の色を身につけて欲しくなってしまうんだ」
そんなことを言われたら恥ずかしいが何となく嬉しい。
「私はルビーも好きですから嬉しいですわ」
旦那様とそんなやり取りをしていると、アンナや他のメイド達が意味深な笑みを浮かべて私達を見ていることに気付く。
恥ずかしくて、ここに居たくないわ!
「旦那様、そろそろ行きましょうか?」
「ああ。そろそろ時間だな」
◇◇
王太子殿下の婚約パーティーということで、今夜は爵位に関係なく国中の貴族が招待されているらしく、パーティー会場は人で溢れていた。
ということは、領地の食事会に来ていた旦那様の親族の地方貴族にも会う可能性があるが仕方がない。
自分の両親・兄、そして旦那様の親族など、会いたくない人が沢山いるが、旦那様が側にいてくれるから心強く感じている。
「アリエル。人が沢山いるところでは、はぐれないように手を繋いでいよう」
「エスコートではなく、手を繋ぐのですか?」
「人混みではその方がいい。ほら、他のカップルもそうしているだろ?」
旦那様の視線の先には、仲の良さそうなカップルが手を繋いで歩いていた。
確かにこれだけ人が多いと、その方がはぐれなくていいのかもしれない。
「陛下たちに挨拶をしにいく時や、混雑していない場所ではいつものようにエスコートするから問題ないだろう」
「分かりました。旦那様とはぐれたくないので、手を繋いでもらいます」
「アリエルの手を離さないようにするよ」
パーティーが始まる時間になり、国王陛下と王妃殿下が入場してくる。そしてそのすぐ後、王太子殿下が白金の髪の小柄な御令嬢をエスコートして入ってきた。
あの方が、アシュベリー国の王女殿下……
国王陛下が挨拶をし、殿下の婚約者であるアシュベリー国の王女殿下を紹介している。
その時、王女殿下の目が少し前の私と同じ目をしていることに気付いてしまった。
王女らしく、美しい所作に完璧なカーテシーをして会場にいる貴族たちに微笑んでいるけど、何の希望も感じない死んだ目をしている。
王女殿下もこの縁談を望んでいない……?
「アリエル……、どうした?」
「……いえ。アシュベリー国の王女殿下が可憐な方でつい見惚れてしまいました」
「そうか? 私はアリエル以外に興味はないから、全く分からないな……」
最近の旦那様は人の目を全く気にせず、聞いていて恥ずかしくなるようなことを平気で口にするから困ってしまう。
「旦那様。このような場でそういう言動は控えて下さいませ!」
「私は自分の気持ちを素直に口に出しているだけだが、アリエルの機嫌が悪くなるのだけは避けたいから気をつけるようにはする。
しかし無意識に言ってしまう時もあるから、その時は許してくれ」
旦那様と話をしていると、王太子殿下と王女殿下のダンスが始まる。
沢山の人から注目される中で、二人だけで踊るダンスは失敗が許されないから、相当なプレッシャーよね。
二人のダンスは素敵だけど、どことなくぎこちなく見える。
婚約者同士で交流していないのかしら?
二人とも微笑んでいるけど視線すら合わせていないようだ。
バチッ! その瞬間、ダンスを踊る殿下と一瞬だけ目が合った気がした。
こんなに沢山人がいるのだから、気のせいだと思いたいが……
「殿下は何を考えているんだ……?」
隣にいる旦那様から、ボソッと呟く声が聞こえてきた。
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