57 / 125
捨て駒はダメ
しおりを挟む
アブスが子爵家から連れて来た専属メイドのエマに、優しい鬼嫁から挨拶代わりの金貨3枚を渡す。
エマの顔色が更に悪くなったのが分かった。
「お、奥様…。これは?」
「挨拶代わりにあげるわ。この邸の使用人達には、人手不足でも一生懸命働いてくれているから、感謝の気持ちとして、定期的に金貨をあげているのよ。」
「…こんなに沢山ですか?」
この反応は…。多分、エマは平民出身ね。
「ええ。貴女にもこれから色々とお世話になると思うから、あげるわね。」
「あ、ありがとうございます。」
恐る恐る金貨を受け取るエマ。
「……ところで、貴女が仕えているお嬢様がなぜこの伯爵家に嫁ぐことになったのか、エマは事情を知っているのかしら?」
鬼嫁はこの話を聞きたくてアブスのメイドを呼びつけたのだ。
「はい…。何となくは知っております。」
どこまで知っているの?
「あのお嬢様が媚薬を盛ったことを知っているの?」
「……はい。子爵様や奥様、坊ちゃんがそのことで家族喧嘩をよくしていたので、子爵家の使用人達は気付いていると思います。
それに…、媚薬を買って来るように始めに命令されたのは私でしたので。」
あら、アブスのメイドは随分と正直者じゃないの。
こういう子、私は嫌いじゃないわね。
「そうだったのね…。貴女も大変ね。
ところで…エマは、相手の同意なく媚薬を盛るのは犯罪だと知っていたのかしら?
貴女が買いに行かされた媚薬は、購入者以外の人物に渡したり使わせたりしたら、購入した人物本人が告訴されることも知っていたの?」
「え…?告訴ですか?
媚薬を買って来るように命令されて、もし買うことが出来て、私が買って来た媚薬をお嬢様にお渡ししていたら、私は告訴されていたかもしれないのですか?」
「そうなのよ。媚薬は犯罪に使われることが多いから、私の実家の店では、購入者のみが使うって決まりがあって、その決まりを守れない時には告訴をする場合があると説明して、お客様には同意書にサインまで頂いてからお売りしているのよ。」
「媚薬を盛るのは犯罪なのは知ってはおりましたが、命令で買いに行かされた媚薬をお嬢様に渡していたら、私が告訴されてしまうことは知りませんでした…。」
エマの表情が更に暗くなる。
これは…、案外いけるかも!
「エマは平民出身なのかしら?
ごめんなさいね。バカにするとかではなくて、ちょっと気になって聞いているだけなの。」
「はい。平民です。子爵家の使用人はほとんどが平民でしたので。」
「そう…。でも、貴女は品があるから平民出身には見えなかったわ。ここに来るまで、相当な努力をしたのでしょうね。凄いわ!」
「ありがとうございます。」
「でも……、気をつけてね。」
「…はい?」
「あのお嬢様に犯罪の片棒を担がされないように気を付けてってことよ。
すでにあのお嬢様は、伯爵様の妻になりたいからと犯罪を犯したでしょ?
そこまで伯爵様に執着するお嬢様なら、今度は伯爵様の愛とやらを手に入れるために、また何かをするかもしれないって普通なら考えるわよね?」
可哀想なエマはまた顔色が悪くなってしまった。
鬼嫁は虐めてないからね。あくまで注意を促してあげているだけだから。
「何かよからぬことをして、もし失敗でもしたら、あのお嬢様は全ての罪を貴女になすりつけて、自分だけ逃げるかもしれないわ。
何も知らない貴女に媚薬を買いに行かせたようにね。」
「………。」
「いくらメイドとして優秀でも、平民の貴女はそんな時はかなり不利な立場になるわね。
簡単に捨て駒にされてしまうかもしれない…。」
「………。」
「でも、私は初対面だけど、真面目で誠実そうに見えるエマにそんな目にはあって欲しくないわ。
私に力を貸してくれるなら、貴女に何かあった時に私が貴女を守るわよ?」
「…え?」
「エマは真面目でしょ?もしあのお嬢様が、人として反道徳的なことをしたり計画を立てていることに気付いたら、貴女ならすぐにおかしいって分かるわよね?そんな時にすぐに知らせて欲しいのよ。エマは毎日お嬢様の側にいるのだから、何かあればすぐに気付ける立場でしょ?
勘違いしないで欲しいのは、私はあのお嬢様を陥れたくてこんなことを言っているのではなく、この伯爵家を守るために言っているの。
あのお嬢様のやらかしのせいで、この伯爵家の評判はガタ落ちよ。これ以上、何かあると困るの。
だからエマの力を貸してくれないかしら?」
「しかし、私は子爵家に雇われている者ですし…」
「大丈夫よ!何かあれば私が雇ってあげるわ。給与は子爵家より良いと思うわよ。
私、アブス子爵家よりも稼いでいるから!」
「私は………」
エマは私の提案に頷いてくれた。何かあれば、メイド長にすぐに報告すると約束してくれたのだ。
「エマ、今日は色々話してくれてありがとう。忙しい貴女の時間を奪ってしまったお詫びに、これも受け取ってね。」
鬼嫁は追加で金貨2枚をエマに渡した。
「お、奥様…。こんなに沢山ありがとうございます。金貨に見合う働きが出来るように頑張ります。」
「期待しているわよ!
お嬢様にはバレないようにね。表面上エマは、私を嫌っているような態度を取って構わないわ。」
「はい。気を付けます。」
エマはメイド長と一緒に部屋を出て行った。
鬼嫁はお母様のくれた金貨に感謝した!!
真面目なエマは、些細なことやどうでもいいようなことまで、毎日報告に来てくれていると、後日メイド長が教えてくれた。
エマの顔色が更に悪くなったのが分かった。
「お、奥様…。これは?」
「挨拶代わりにあげるわ。この邸の使用人達には、人手不足でも一生懸命働いてくれているから、感謝の気持ちとして、定期的に金貨をあげているのよ。」
「…こんなに沢山ですか?」
この反応は…。多分、エマは平民出身ね。
「ええ。貴女にもこれから色々とお世話になると思うから、あげるわね。」
「あ、ありがとうございます。」
恐る恐る金貨を受け取るエマ。
「……ところで、貴女が仕えているお嬢様がなぜこの伯爵家に嫁ぐことになったのか、エマは事情を知っているのかしら?」
鬼嫁はこの話を聞きたくてアブスのメイドを呼びつけたのだ。
「はい…。何となくは知っております。」
どこまで知っているの?
「あのお嬢様が媚薬を盛ったことを知っているの?」
「……はい。子爵様や奥様、坊ちゃんがそのことで家族喧嘩をよくしていたので、子爵家の使用人達は気付いていると思います。
それに…、媚薬を買って来るように始めに命令されたのは私でしたので。」
あら、アブスのメイドは随分と正直者じゃないの。
こういう子、私は嫌いじゃないわね。
「そうだったのね…。貴女も大変ね。
ところで…エマは、相手の同意なく媚薬を盛るのは犯罪だと知っていたのかしら?
貴女が買いに行かされた媚薬は、購入者以外の人物に渡したり使わせたりしたら、購入した人物本人が告訴されることも知っていたの?」
「え…?告訴ですか?
媚薬を買って来るように命令されて、もし買うことが出来て、私が買って来た媚薬をお嬢様にお渡ししていたら、私は告訴されていたかもしれないのですか?」
「そうなのよ。媚薬は犯罪に使われることが多いから、私の実家の店では、購入者のみが使うって決まりがあって、その決まりを守れない時には告訴をする場合があると説明して、お客様には同意書にサインまで頂いてからお売りしているのよ。」
「媚薬を盛るのは犯罪なのは知ってはおりましたが、命令で買いに行かされた媚薬をお嬢様に渡していたら、私が告訴されてしまうことは知りませんでした…。」
エマの表情が更に暗くなる。
これは…、案外いけるかも!
「エマは平民出身なのかしら?
ごめんなさいね。バカにするとかではなくて、ちょっと気になって聞いているだけなの。」
「はい。平民です。子爵家の使用人はほとんどが平民でしたので。」
「そう…。でも、貴女は品があるから平民出身には見えなかったわ。ここに来るまで、相当な努力をしたのでしょうね。凄いわ!」
「ありがとうございます。」
「でも……、気をつけてね。」
「…はい?」
「あのお嬢様に犯罪の片棒を担がされないように気を付けてってことよ。
すでにあのお嬢様は、伯爵様の妻になりたいからと犯罪を犯したでしょ?
そこまで伯爵様に執着するお嬢様なら、今度は伯爵様の愛とやらを手に入れるために、また何かをするかもしれないって普通なら考えるわよね?」
可哀想なエマはまた顔色が悪くなってしまった。
鬼嫁は虐めてないからね。あくまで注意を促してあげているだけだから。
「何かよからぬことをして、もし失敗でもしたら、あのお嬢様は全ての罪を貴女になすりつけて、自分だけ逃げるかもしれないわ。
何も知らない貴女に媚薬を買いに行かせたようにね。」
「………。」
「いくらメイドとして優秀でも、平民の貴女はそんな時はかなり不利な立場になるわね。
簡単に捨て駒にされてしまうかもしれない…。」
「………。」
「でも、私は初対面だけど、真面目で誠実そうに見えるエマにそんな目にはあって欲しくないわ。
私に力を貸してくれるなら、貴女に何かあった時に私が貴女を守るわよ?」
「…え?」
「エマは真面目でしょ?もしあのお嬢様が、人として反道徳的なことをしたり計画を立てていることに気付いたら、貴女ならすぐにおかしいって分かるわよね?そんな時にすぐに知らせて欲しいのよ。エマは毎日お嬢様の側にいるのだから、何かあればすぐに気付ける立場でしょ?
勘違いしないで欲しいのは、私はあのお嬢様を陥れたくてこんなことを言っているのではなく、この伯爵家を守るために言っているの。
あのお嬢様のやらかしのせいで、この伯爵家の評判はガタ落ちよ。これ以上、何かあると困るの。
だからエマの力を貸してくれないかしら?」
「しかし、私は子爵家に雇われている者ですし…」
「大丈夫よ!何かあれば私が雇ってあげるわ。給与は子爵家より良いと思うわよ。
私、アブス子爵家よりも稼いでいるから!」
「私は………」
エマは私の提案に頷いてくれた。何かあれば、メイド長にすぐに報告すると約束してくれたのだ。
「エマ、今日は色々話してくれてありがとう。忙しい貴女の時間を奪ってしまったお詫びに、これも受け取ってね。」
鬼嫁は追加で金貨2枚をエマに渡した。
「お、奥様…。こんなに沢山ありがとうございます。金貨に見合う働きが出来るように頑張ります。」
「期待しているわよ!
お嬢様にはバレないようにね。表面上エマは、私を嫌っているような態度を取って構わないわ。」
「はい。気を付けます。」
エマはメイド長と一緒に部屋を出て行った。
鬼嫁はお母様のくれた金貨に感謝した!!
真面目なエマは、些細なことやどうでもいいようなことまで、毎日報告に来てくれていると、後日メイド長が教えてくれた。
317
あなたにおすすめの小説
【完】愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
第18回恋愛小説大賞で、『奨励賞』をいただきましたっ!
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)
幼なじみと再会したあなたは、私を忘れてしまった。
クロユキ
恋愛
街の学校に通うルナは同じ同級生のルシアンと交際をしていた。同じクラスでもあり席も隣だったのもあってルシアンから交際を申し込まれた。
そんなある日クラスに転校生が入って来た。
幼い頃一緒に遊んだルシアンを知っている女子だった…その日からルナとルシアンの距離が離れ始めた。
誤字脱字がありますが、読んでもらえたら嬉しいです。
更新不定期です。
よろしくお願いします。
婚約者の私を見捨てたあなた、もう二度と関わらないので安心して下さい
神崎 ルナ
恋愛
第三王女ロクサーヌには婚約者がいた。騎士団でも有望株のナイシス・ガラット侯爵令息。その美貌もあって人気がある彼との婚約が決められたのは幼いとき。彼には他に優先する幼なじみがいたが、政略結婚だからある程度は仕方ない、と思っていた。だが、王宮が魔導師に襲われ、魔術により天井の一部がロクサーヌへ落ちてきたとき、彼が真っ先に助けに行ったのは幼馴染だという女性だった。その後もロクサーヌのことは見えていないのか、完全にスルーして彼女を抱きかかえて去って行くナイシス。
嘘でしょう。
その後ロクサーヌは一月、目が覚めなかった。
そして目覚めたとき、おとなしやかと言われていたロクサーヌの姿はどこにもなかった。
「ガラット侯爵令息とは婚約破棄? 当然でしょう。それとね私、力が欲しいの」
もう誰かが護ってくれるなんて思わない。
ロクサーヌは力をつけてひとりで生きていこうと誓った。
だがそこへクスコ辺境伯がロクサーヌへ求婚する。
「ぜひ辺境へ来て欲しい」
※時代考証がゆるゆるですm(__)m ご注意くださいm(__)m
総合・恋愛ランキング1位(2025.8.4)hotランキング1位(2025.8.5)になりましたΣ(・ω・ノ)ノ ありがとうございます<(_ _)>
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
白い結婚を終えて自由に生きてまいります
なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。
忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。
「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」
「白い結婚ですか?」
「実は俺には……他に愛する女性がいる」
それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。
私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた
――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。
ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。
「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」
アロルド、貴方は何を言い出すの?
なにを言っているか、分かっているの?
「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」
私の答えは決まっていた。
受け入れられるはずがない。
自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。
◇◇◇
設定はゆるめです。
とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った
Mimi
恋愛
声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。
わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。
今日まで身近だったふたりは。
今日から一番遠いふたりになった。
*****
伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。
徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。
シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。
お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……
* 無自覚の上から目線
* 幼馴染みという特別感
* 失くしてからの後悔
幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。
中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。
本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。
ご了承下さいませ。
他サイトにも公開中です
旦那様から彼女が身籠る間の妻でいて欲しいと言われたのでそうします。
クロユキ
恋愛
「君には悪いけど、彼女が身籠る間の妻でいて欲しい」
平民育ちのセリーヌは母親と二人で住んでいた。
セリーヌは、毎日花売りをしていた…そんなセリーヌの前に毎日花を買う一人の貴族の男性がセリーヌに求婚した。
結婚後の初夜には夫は部屋には来なかった…屋敷内に夫はいるがセリーヌは会えないまま数日が経っていた。
夫から呼び出されたセリーヌは式を上げて久しぶりに夫の顔を見たが隣には知らない女性が一緒にいた。
セリーヌは、この時初めて夫から聞かされた。
夫には愛人がいた。
愛人が身籠ればセリーヌは離婚を言い渡される…
誤字脱字があります。更新が不定期ですが読んで貰えましたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる