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13.3月20日
13.3月20日 p.1
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「朝早くにすみません」
「いいのよ~。でも、ごめんね。あの子まだ寝てるのよ。今、叩き起こして来るから、ちょっと待っててもらえる?」
階下から聞こえるそんな会話が微睡む浩志の耳に薄っすらと届く。ぼんやりと目を開けたが、まだ覚醒に至らない。彼を包む布団に心地良く包まりながら目を閉じれば、再度夢心地へと引き込まれて行く。そんなふわふわとした瞬間は、勢いよく部屋の扉を開け放し宣言通りに布団をバシリと叩く母によって阻害された。
「浩志、起きなさい」
「なんだよ?」
寝返りをうち母に背を向けつつ、掠れる声で必死の抵抗を試みる。しかし、そんな些細な抵抗は母の言葉で無意味なものとなった。
「河合さんが来てるわよ」
「はっ?」
しっかりと目を開く事になった浩志は、飛び起きると勢いよく母の顔を見る。
「待ってもらってるんだから、早くしなさい」
心なしかニヤついた笑みを見せる母の視線を避けるようにして浩志はベッドを飛び降りると、バタバタと階段を駆け降りた。騒がしく登場した彼に目を丸くしながらも、優は軽く片手を上げる。
「おはよう、成瀬」
「おまっ……何してんだよ」
好き放題に跳ねる寝癖を直すこともせず、浩志は目の前の彼女を唖然と見つめた。
「今から部活に行くんだけどさ、練習、午前中で終わるの。その後、せつなさんとまた話したいなと思って」
「は? そんなの勝手にしろよ」
「いや、あのね。いろいろ考えたんだけど、もし私の考えが正しかったら時間がないんだよ。だから、成瀬にも協力してもらいたいの」
「協力?」
「まぁ、詳しい話は後で。学校で」
「なんだよそれ。だったら、こんな朝っぱらから家に来ることないだろう? 連絡くれれば済むじゃん」
「そうだけど、春休み初日だからね。ダラダラとして、誰かさんはなかなか起きないかもしれないと思ってさ」
優の悪戯っぽい指摘に浩志は思わずグッと喉を鳴らす。どうやら図星のようだ。
「じゃあ、もう行くわ。成瀬は、ゆっくりでいいから必ず学校に来てよ」
「……おう」
髪をクシャリとしながら、浩志はなんともバツが悪そうに答える。
「朝早くからお邪魔しました~」
優は室内に向かって元気にそう告げると、トレードマークのポニーテールを揺らしながら成瀬宅を後にした。
優の来訪により、せっかくの休みだというのにダラダラするわけにもいかなくなった浩志はそのまま朝食を取り、頑固な寝癖と格闘した。それから、しばらくマンガでも読もうと自室へ戻った。
「いいのよ~。でも、ごめんね。あの子まだ寝てるのよ。今、叩き起こして来るから、ちょっと待っててもらえる?」
階下から聞こえるそんな会話が微睡む浩志の耳に薄っすらと届く。ぼんやりと目を開けたが、まだ覚醒に至らない。彼を包む布団に心地良く包まりながら目を閉じれば、再度夢心地へと引き込まれて行く。そんなふわふわとした瞬間は、勢いよく部屋の扉を開け放し宣言通りに布団をバシリと叩く母によって阻害された。
「浩志、起きなさい」
「なんだよ?」
寝返りをうち母に背を向けつつ、掠れる声で必死の抵抗を試みる。しかし、そんな些細な抵抗は母の言葉で無意味なものとなった。
「河合さんが来てるわよ」
「はっ?」
しっかりと目を開く事になった浩志は、飛び起きると勢いよく母の顔を見る。
「待ってもらってるんだから、早くしなさい」
心なしかニヤついた笑みを見せる母の視線を避けるようにして浩志はベッドを飛び降りると、バタバタと階段を駆け降りた。騒がしく登場した彼に目を丸くしながらも、優は軽く片手を上げる。
「おはよう、成瀬」
「おまっ……何してんだよ」
好き放題に跳ねる寝癖を直すこともせず、浩志は目の前の彼女を唖然と見つめた。
「今から部活に行くんだけどさ、練習、午前中で終わるの。その後、せつなさんとまた話したいなと思って」
「は? そんなの勝手にしろよ」
「いや、あのね。いろいろ考えたんだけど、もし私の考えが正しかったら時間がないんだよ。だから、成瀬にも協力してもらいたいの」
「協力?」
「まぁ、詳しい話は後で。学校で」
「なんだよそれ。だったら、こんな朝っぱらから家に来ることないだろう? 連絡くれれば済むじゃん」
「そうだけど、春休み初日だからね。ダラダラとして、誰かさんはなかなか起きないかもしれないと思ってさ」
優の悪戯っぽい指摘に浩志は思わずグッと喉を鳴らす。どうやら図星のようだ。
「じゃあ、もう行くわ。成瀬は、ゆっくりでいいから必ず学校に来てよ」
「……おう」
髪をクシャリとしながら、浩志はなんともバツが悪そうに答える。
「朝早くからお邪魔しました~」
優は室内に向かって元気にそう告げると、トレードマークのポニーテールを揺らしながら成瀬宅を後にした。
優の来訪により、せっかくの休みだというのにダラダラするわけにもいかなくなった浩志はそのまま朝食を取り、頑固な寝癖と格闘した。それから、しばらくマンガでも読もうと自室へ戻った。
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