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「あら。ごめんなさい。二人とも気をつけて行くのよ」
ママは、頬に手を当てて、あらっと首を傾げながら、二人の背中を押して送り出した。
ママはたまに双子を間違える。ただ今日は本当は合っていたのに、双子のいたずらに振り回されて、やっぱりちょっと混乱してしまったみたい。そんなママの姿に、二人はクスクスと笑い合う。
「大成功だね」
「だね。やっぱり私たちはそっくりなんだね」
学校へ着くと、先生や友だちが次々と声をかけてくる。
「おはよう。ミカちゃん、ミキちゃん。今日も仲良しね」
「おはようございまーす」
双子は声をあわせて元気にあいさつをする。
「ミカちゃん。ミキちゃん。おはよう! 宿題やった?」
「うん。やってきたよー」
「うん。もちろん」
双子はそれぞれに応えながら、ミカはミキの席へ、ミキはミカの席へ座ると、そそくさと荷物をしまう。
そのまま何気ない顔で、周りの友だちと会話をしているうちに、今日の授業が始まった。
「ミカさん。この問題は解りますか?」
先生に当てられたミキは、スラスラと問題を解いてみせる。
「ミキさん。次から読んでください」
先生に当てられたミカも、スラスラと教科書を読む。
誰も二人が入れ替わっていることを指摘しない。きっと誰も気づいていないのだろう。
二人は何度も目配せをしあって、そのたびにクスクスと笑い合う。
互いに入れ替わったまま午前中は過ぎて行った。
「ねぇ。ミキ。わたし、そろそろ飽きてきたわ」
「わたしもよ。ミカ。だって、誰も気がついてくれないんだもの」
そんな会話をしながら二人は食堂へと向かう。二人が言うように、午前中に二人の入れ替わりを指摘した者は誰もいなかった。
「そろそろ終わりにしましょうか?」
「そうね。終わりにしましょうか」
昼食のカレーライスとデザートにアップルゼリーをトレイに乗せたミカと、同じくカレーライスとデザートはソーダゼリーを選んだミキが、空席を探してキョロキョロと辺りを見回していると、二人を呼ぶ声がした。
「おーい。ミカ。ミキ。ここ空いてるぞ」
二人が声のした方へ顔を向けると、アッくんが大きく手を振っていた。その隣で、イッくんも小さく手を振っている。
二人は迷わずアッくんとイッくんのところへ行くと席に着いた。
「ミカは今日もアップルゼリーか? まぁ、俺もだけど」
「ミキちゃんも、やっぱりソーダゼリーだね」
アッくんとイッくんの指摘に、二人は少しだけ目配せをして、小さく頷いてから口を開いた。
ママは、頬に手を当てて、あらっと首を傾げながら、二人の背中を押して送り出した。
ママはたまに双子を間違える。ただ今日は本当は合っていたのに、双子のいたずらに振り回されて、やっぱりちょっと混乱してしまったみたい。そんなママの姿に、二人はクスクスと笑い合う。
「大成功だね」
「だね。やっぱり私たちはそっくりなんだね」
学校へ着くと、先生や友だちが次々と声をかけてくる。
「おはよう。ミカちゃん、ミキちゃん。今日も仲良しね」
「おはようございまーす」
双子は声をあわせて元気にあいさつをする。
「ミカちゃん。ミキちゃん。おはよう! 宿題やった?」
「うん。やってきたよー」
「うん。もちろん」
双子はそれぞれに応えながら、ミカはミキの席へ、ミキはミカの席へ座ると、そそくさと荷物をしまう。
そのまま何気ない顔で、周りの友だちと会話をしているうちに、今日の授業が始まった。
「ミカさん。この問題は解りますか?」
先生に当てられたミキは、スラスラと問題を解いてみせる。
「ミキさん。次から読んでください」
先生に当てられたミカも、スラスラと教科書を読む。
誰も二人が入れ替わっていることを指摘しない。きっと誰も気づいていないのだろう。
二人は何度も目配せをしあって、そのたびにクスクスと笑い合う。
互いに入れ替わったまま午前中は過ぎて行った。
「ねぇ。ミキ。わたし、そろそろ飽きてきたわ」
「わたしもよ。ミカ。だって、誰も気がついてくれないんだもの」
そんな会話をしながら二人は食堂へと向かう。二人が言うように、午前中に二人の入れ替わりを指摘した者は誰もいなかった。
「そろそろ終わりにしましょうか?」
「そうね。終わりにしましょうか」
昼食のカレーライスとデザートにアップルゼリーをトレイに乗せたミカと、同じくカレーライスとデザートはソーダゼリーを選んだミキが、空席を探してキョロキョロと辺りを見回していると、二人を呼ぶ声がした。
「おーい。ミカ。ミキ。ここ空いてるぞ」
二人が声のした方へ顔を向けると、アッくんが大きく手を振っていた。その隣で、イッくんも小さく手を振っている。
二人は迷わずアッくんとイッくんのところへ行くと席に着いた。
「ミカは今日もアップルゼリーか? まぁ、俺もだけど」
「ミキちゃんも、やっぱりソーダゼリーだね」
アッくんとイッくんの指摘に、二人は少しだけ目配せをして、小さく頷いてから口を開いた。
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