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隣人だもの。……気になるでしょ。(14)
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Scorpioのメンバー四人が横一列に並び、互いに手を繋ぐ。高く手を挙げてから四人揃って深い礼をした。彼らのライブの最後はいつもこうして締めくくられる。スコッコたちの拍手と歓声の中、頭を上げたScorpioの四人はもう一度頭を下げてから、大きく手を振りながらステージ袖へと消えていった。
こうしてライブの生配信は終わり、私は思わずため息をついた。
なんだか、現地参戦したときよりも疲れた気がする……。
そんなことを思っていると、スマホがメッセージの着信を知らせた。由紀さんからだ。
“結局、何の発表もなかったね。なんか大騒ぎしてごめんね”
そんな由紀さんからのメッセージで、ライブ前に不穏なメッセージを受け取っていたことを思い出した。
そうだ! Scorpioの解散発表でもあるのかとビクビクしていたのに、思いがけない人の登場で、途中からそんなことはすっかり忘れていた。
私は由紀さんへ返信を打つ。
“SNSに解散とか出てたから、正直慌てましたけど……。何事もなくて良かったですね~”
私の返信に、由紀さんが“だよね”と返してくる。
“むしろ、蓮なんていつもより気合い入っている感じだったもんね。千紘ちゃん、家で発狂してたんじゃない?”
ネコがニヤリと笑うスタンプと共に、茶化すようなメッセージが由紀さんから届く。返信をしようとしていた私の手が止まる。
今日の蓮?
私はライブの様子を振り返る。そして、思わず固まった。
確か、蓮はライブ開始からいつも通りたくさん汗をかいていて、一生懸命で……。ソロの時は楽しそうで……。樹との伝説のユニット曲にみんな盛り上がっていて……。曲終わりに三人でピースなんかして……。あれ? それで? MCでどんなことを話していたっけ? そうだ。涼と優磨がデビュー秘話を話して……。あれ? 蓮は? 蓮はなんて言ってたっけ?
自分が全くライブ内容を覚えていないことに愕然とする。成瀬さんが画面に映ったあの瞬間から、私は彼のことしか頭になかったのだ。
私……蓮のこと何も見てなかった?
とんでもない失態にショックを受けて項垂れる。
成瀬さんが出てくる前は、どんな重大発表があるのかと戦々恐々で完全に上の空。成瀬さんの姿を見つけてしまってからは、彼の姿を確かめようと夢中になるあまり、今日のライブでの蓮を全く見ていなかった。
強火影山坦と名乗っていながら、推しを全く追えていないなんて……。
私は自分の不甲斐なさに思わず頭を抱えた。
こうしてライブの生配信は終わり、私は思わずため息をついた。
なんだか、現地参戦したときよりも疲れた気がする……。
そんなことを思っていると、スマホがメッセージの着信を知らせた。由紀さんからだ。
“結局、何の発表もなかったね。なんか大騒ぎしてごめんね”
そんな由紀さんからのメッセージで、ライブ前に不穏なメッセージを受け取っていたことを思い出した。
そうだ! Scorpioの解散発表でもあるのかとビクビクしていたのに、思いがけない人の登場で、途中からそんなことはすっかり忘れていた。
私は由紀さんへ返信を打つ。
“SNSに解散とか出てたから、正直慌てましたけど……。何事もなくて良かったですね~”
私の返信に、由紀さんが“だよね”と返してくる。
“むしろ、蓮なんていつもより気合い入っている感じだったもんね。千紘ちゃん、家で発狂してたんじゃない?”
ネコがニヤリと笑うスタンプと共に、茶化すようなメッセージが由紀さんから届く。返信をしようとしていた私の手が止まる。
今日の蓮?
私はライブの様子を振り返る。そして、思わず固まった。
確か、蓮はライブ開始からいつも通りたくさん汗をかいていて、一生懸命で……。ソロの時は楽しそうで……。樹との伝説のユニット曲にみんな盛り上がっていて……。曲終わりに三人でピースなんかして……。あれ? それで? MCでどんなことを話していたっけ? そうだ。涼と優磨がデビュー秘話を話して……。あれ? 蓮は? 蓮はなんて言ってたっけ?
自分が全くライブ内容を覚えていないことに愕然とする。成瀬さんが画面に映ったあの瞬間から、私は彼のことしか頭になかったのだ。
私……蓮のこと何も見てなかった?
とんでもない失態にショックを受けて項垂れる。
成瀬さんが出てくる前は、どんな重大発表があるのかと戦々恐々で完全に上の空。成瀬さんの姿を見つけてしまってからは、彼の姿を確かめようと夢中になるあまり、今日のライブでの蓮を全く見ていなかった。
強火影山坦と名乗っていながら、推しを全く追えていないなんて……。
私は自分の不甲斐なさに思わず頭を抱えた。
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