クロとシロと、時々ギン

田古みゆう

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真実はすぐそばに(2)

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 目的の駅に着くと、私は足早に降りて改札を出た。駅前にある喫茶店に入り、奥まった席へと座る。コーヒーとサンドイッチを注文し終わると、スマホを取り出してメールを打つ。程なくして相手から返事が来た。もうすぐ着くという短い文章が届くと、私はスマホを鞄にしまった。

 それから数分もしないうちに、約束の人物は現れた。白谷吟は私の姿を見つけると、軽く手を振って近づいてきた。私も小さく頭を下げて応える。

 向かい側の椅子に腰かけると、店員にアイスティーを頼んでから、白谷吟は私に向かって微笑みかけた。相変わらず完璧な人だと思った。この人にはいつでも全てを見通されているような気がして、思わず目を逸らす。私が俯いていると、白谷吟が口を開いた。

「驚いたよ。矢城さんから連絡をもらうなんて」

 その言葉に私はハッとして顔を上げる。そして、慌てて頭を下げた。

「すみません。お休みの日に呼び出してしまって」

 今日は日曜日だ。当然、相手の貴重な時間を割いてもらうのだから、失礼な態度をとってはいけない。そう反省していると、白谷吟は首を横に振る。そして、優しく微笑んだ。

「いいよ別に。特に予定もなくて、暇していたから。それより矢城さんの方こそ良かったの? せっかくの休みなのに」

 そう言って、彼は私の顔を覗き込んだ。私はこくりと肯く。

「はい。実は白谷先輩に伺いたいことがあって」

 私は単刀直入に聞いた。

「シロ先輩って小学生の頃に、白谷先輩のご自宅の隣に越してきたんですよね? それ以前はどこに住んでいたか、聞いたことありますか?」

 白谷吟はその質問を聞くと、一瞬キョトンとした表情を浮かべたが、すぐに納得したように肯く。ちょうど注文した品が運ばれてきた。アイスティーを一口飲んでから、白谷吟は答えてくれた。

「うん。知ってるよ。確か……」

 その答えを聞いて、私の心臓はどきりとした。また期待値が跳ね上がる。

「それで、どうしてそんなことを訊くの? 史郎には直接聞けない感じ?」 

 問われて、私は一瞬躊躇う。でも、意を決して打ち明けることにした。

 もしかするとシロ先輩がシロヤギさんではないかと思っていること。最初はシロ先輩に直接尋ねようと思ったけれど、今日は予定があると断られたこと。

 それを聞いた白谷吟は驚くこともなく、ふぅんと呟いただけだった。もっと驚かれると思っていた。しかし、よく考えてみれば、白谷吟にとってはシロヤギさんの正体など全く関係のないことだった。
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