金貨三枚で買った性奴隷が俺を溺愛している ~平凡冒険者の迷宮スローライフ~

結城絡繰

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第6話 戦利品を手に入れてみた

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 俺はゴブリンの死体を見下ろす。
 片手にナイフを握っていた。
 刃は短いものの、それなりに砥がれている。
 殺傷力は十分だろう。
 ゴブリンの手からナイフを引き剥がした俺は、それをビビに差し出す。

「これも使うか。ビビの戦い方に合いそうだ」

「うん。貰っておく」

 ビビは剣とナイフを左右の手に持って構える。
 予備の武器にしてもらうつもりだったが、二刀流にするらしい。
 素振りする姿に不慣れな感じが無いので訓練済みなのだろう。

 ゴブリンの倒し方で確信した。
 ビビは戦闘奴隷として優秀である。
 冒険者の活動の手伝いは建前に過ぎなかったが、これは本当にありがたいかもしれない。
 今後、二人分の生活費を稼ぎ続けるのは難しくないだろう。
 あの奴隷商には礼を言わなければならない。

 俺はゴブリンの死体を仰向けに転がして、自前の道具で目玉をくり抜く。
 納品依頼の一つにゴブリンの目玉があったのだ。
 滋養強壮の効果があるのだという。
 以前、目玉を材料に入れたポーションを飲まされたが、不味すぎて即座に吐いた。
 健康になるとしても、あの味では割に合わないと思う。
 しかし、納品依頼として出される程度には需要があるらしい。

 目玉を回収した俺は、ついでに周囲の薬草を採取する。
 俺の作業に気付いたビビが尋ねてきた。

「それも依頼?」

「違う。持ち帰って調合して傷薬にするんだ。専門職じゃないが、それくらいなら俺にもできる」

 塗り薬として加工すれば、いざという時に命を救ってくれる。
 冒険者という仕事は、些細な負傷が致命的な結果を生む場合がある。
 手軽な治療手段があるだけで心の余裕が違ってくる。
 しっかりと備えを作っておくのは必須なのだ。

 この薬草なら、回復ポーションにしても便利だ。
 効能が若干落ちるものの、飲んだり浴びるだけでも傷の治りが良くなる。
 鎮痛や解毒作用もあるため、仕事の際は必ず何本か所持するようにしている。

 そういったことを説明すると、ビビは感心した顔になった。
 彼女は薬草採取を手伝いながら言う。

「器用だね」

「正確には器用貧乏だ。なんでも人に頼むと、いくら金があっても足りないからな。最低限のことは自分でやれるようにしている」

 自嘲しつつ、辺りの薬草を集め終える。
 それから俺達は数匹のゴブリンを倒して納品分を確保した。
 ビビがいるので戦闘ではまったく苦労していない。
 二刀流となった彼女は、華麗な動きで瞬時にゴブリンを倒してしまう。
 俺が出る幕は一切なかった。
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