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書捨て小話
節分掃除機
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「鬼は外!鬼は外!!福は内!福は内!!」
節分。
父がはずかしげもなく大きな声で豆を巻いて回っている。
私はそれが恥ずかしかった。
しかし来るのだ。
私の部屋にも。
「入るぞ。ちょっと窓開けて。」
「…………………………。」
面倒なので言う通りにする。
そうすればグダグタせずすぐ終わる。
「鬼は外!鬼は外!!福は内!福は内!!」
父は豆を巻いて満足して去って行った。
私はまた無言のまま窓を閉める。
カリ……カリカリカリ……ッ。
何かを噛み砕く、小気味いい音が背後から聞こえた。
振り向くと、父が開けたまま去って行った部屋のドアから、うちの犬が入り込んで豆を食べて回っていた。
「……節分の豆って……犬、食っていいの……??」
すかさず側にしゃがんで検索する。
どうやら煎り豆なら食べても平気といえば平気だが、生の豆は成分が駄目らしい。(加熱で分解される)
ただ、水分で膨張するから丸呑みや食べ過ぎは駄目らしい。
ふむふむ。
まぁ一応、ポリポリいい音をさせて食べてるし、小型犬ではないので「ヘイ!ドクター!!」と火急に病院へ担ぎ込む案件ではなさそうだ。
ただ柔らかく煮た豆ではないので、消化不良を起こしやすいようだ。
カリ……カリカリ……ッ。
いい音で食うな、コイツ……。
そう思いながら私は目につく豆を拾い集め始めた。
節分。
父がはずかしげもなく大きな声で豆を巻いて回っている。
私はそれが恥ずかしかった。
しかし来るのだ。
私の部屋にも。
「入るぞ。ちょっと窓開けて。」
「…………………………。」
面倒なので言う通りにする。
そうすればグダグタせずすぐ終わる。
「鬼は外!鬼は外!!福は内!福は内!!」
父は豆を巻いて満足して去って行った。
私はまた無言のまま窓を閉める。
カリ……カリカリカリ……ッ。
何かを噛み砕く、小気味いい音が背後から聞こえた。
振り向くと、父が開けたまま去って行った部屋のドアから、うちの犬が入り込んで豆を食べて回っていた。
「……節分の豆って……犬、食っていいの……??」
すかさず側にしゃがんで検索する。
どうやら煎り豆なら食べても平気といえば平気だが、生の豆は成分が駄目らしい。(加熱で分解される)
ただ、水分で膨張するから丸呑みや食べ過ぎは駄目らしい。
ふむふむ。
まぁ一応、ポリポリいい音をさせて食べてるし、小型犬ではないので「ヘイ!ドクター!!」と火急に病院へ担ぎ込む案件ではなさそうだ。
ただ柔らかく煮た豆ではないので、消化不良を起こしやすいようだ。
カリ……カリカリ……ッ。
いい音で食うな、コイツ……。
そう思いながら私は目につく豆を拾い集め始めた。
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